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Googleもすなる「OKR」について、楽しく把握できる本「OKR:シリコンバレー式で大胆な目標を達成する」

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 シリコンバレー系読み物が大好きな私に、日経BPの中川さんが「OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法」という新刊を紹介してくれたので、今日はその読書感想文です。
okr1.jpg フリーランスになって何が一番嬉しかったかって、「MBO:Management By Objectives through Self Control」(目標管理制度)から解放されたことでした。今から思うと、MBOという手法が悪かったわけではなく、その扱いが形骸化していたことが悪かったんだと思います。目標らしきものをいやいや設定して、半年後にはどういう目標を設定したかも忘れて、そんなふうだから評価も低くて。

 だから、Googleが成功しているのは「OKR:Objective and Key Result」という手法を使っているかららしいよ、と聞いても、そりゃGoogleだから成功しているんであって、普通の会社が採用したって結局うまくいかないんじゃないのかな、などと思っていました。

 OKRは、直訳すると「目標と主な結果」。何か目標を達成したいときに使う手法です。会社だけでなく、個人目標の達成にも使えます。

 「OKR:シリコンバレー式で大胆な目標を達成する」は、OKRをまったく知らなかった人も、私のようにOKRについて聞いたことはあるけど、なんだか懐疑的な人にもお勧めの実践的な入門書です。224ページなのですぐ読めるし。ちなみに1620円というのも翻訳書としてはかなりお買い得。

 この本は2部構成になっていて、第1部は小説です。工場の業務プロセス改善を主題にしたベストセラー「ザ・ゴール」のように、小さなスタートアップ企業の物語を読むうちに、OKRについて学べます。

 このパート、小説としてもよく出来ていて、シリコンバレーモノが好きな人には特にお勧め。主人公は、大学で知り合って一緒に起業した中国系アメリカ人のハンナと英国人のジャック。決断力はあるけど突っ走りがちなハンナと、思慮深くナイーブで"決められない人"なジャックが、良質なお茶を流通させるオンラインショップを軌道に載せようと悪戦苦闘します。

 目標ははっきりしているのになかなかうまくいかない2人に、エンジェル投資家でメンターのおじさんが、GoogleにいたこともあるギークなCTOを紹介し、この人がハンナたちの会社にOKRを導入します。失敗もするけど、物語はハッピーエンド。

 この物語の舞台はスタートアップですが、OKRはそもそもIntelのアンディ・グローブさんが紹介した手法なので、大企業でも使えます。Googleは、まだ起業したばかりのころから今でも使い続けています。元Googlerの日本人、及川 卓也さんが本書の解説でGoogleでのOKRについて紹介しています(こちらも面白くておトク)。

 OKRはMBOと似たところもありますが、大きな違いは、全社レベルのものだけでなく、部門や個人の各レベルのそれぞれのOKRが公開されているところと、査定とは違うところ。査定じゃないのでちょっと無理っぽい目標も立てられるし、公開しちゃうからそこに向かわざるをえないし。

 もちろんMBOと同じように、採用する側がちゃんと理解していなければ形骸化します。第2部では、せっかくOKRを使ってもうまくいかないケースとその対策や、成功例などを実際にOKRを実践している人たちが語ります。

 原書のAmazonでのレビューは94人が書いていて、平均4.4と高いです。日本では、Kindle版と紙版ともに1620円で3月15日に発売。予約受け付け中です。

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