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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

英国大使館でのフィンテック議論、おサイフケータイ優位を主張する日本IT聴衆の滑稽さ

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   2015年秋の ある日 英国大使館主催の講演会での出来事・・・・

  ロンドンの市長のボリスさん・・・・ 「ロンドンではスマートフォンアプリで地下鉄やバスに乗れるんだよ!!」

                       「フィンテック一緒に研究しようよぉ・・・」

  日本のIT系の役員さん達・・・・・ 「何言ってんだい・・・日本にはおサイフケータイがあるんだよ・・・・ゼロ戦みたいに無敵だい・・」

  と答えました・・・・・

  これに関する英国での記事を読んで  筆者は・・・・ええええええええぇと思ったのですが・・・・・^^

  

Mayor of London travels to Tokyo to promote Britain's financial technology sector only to find that the Japanese are quite handy in that department themselves

Boris Johnson is in Japan to lead a trade mission as part of his plans to strengthen cultural ties with Tokyo Photo: Rex

<出所 テレグラフ>

2015年10月日本の英国大使館において都市間の文化交流で来日したロンドン市長がフィンテックの講演をお行い、ロンドンが如何にバスや地下鉄、レストランなどでスマートフォンアプリで支払いが出来るか説明しました。聞き手は国内の日本のITに詳しい各社の役員連中でした。

「ロンドンではスマートフォンでバスにも地下鉄にも乗れるんですよ。スマートフォンアプリのクレジットカードの支払いで簡単にできます。買い物もできるし・・・」

「どうです。優れたロンドンの事例を参考にして一緒にフィンテックを研究しませんか?」

と呼びかけました。 しかし日本のITに詳しい各社の役員連中の反応は全く冷たいものでした。「日本にはおサイフケータイと言う優れた技術があり、それで地下鉄にもバスにも乗れる。日本の方が上だよ・・」

どうやらロンドン市長が主張したフィンテックでのロンドン市との協力は全くもって袖にされたようです。

■ ガラパゴス、家電崩壊を日本のITは繰り返すのか?

確かにスマートフォン利用は別にしてスイカやパスモ、ナナコやワオンなどの電子マネー普及は一定日本では進んでいます。バスや地下鉄にも乗れ、一部で買い物もできます。

消費者の目から見れば現象的には一緒であり、その点では日本のITに詳しい各社の役員の指摘は間違っていません。

しかし現在、欧米で進んでいるフィンテックはお金やカードがクラウド上にあるサービス支配論理であり、カードと言うモノとお金や定期券が一体化したモノ支配論理に囚われた日本方式(元はモンデックスなどの欧州方式)とは異なります。カードから利用できる元のお金をスマートフォンやウエアラブル、パソコンからは利用できません。(パソリを買うならパソコンからも利用できますが)

従って少し長期的に見れば日本のおサイフケータイや電子マネーはガラパゴスであり、時代遅れです。

モノ支配論理にこだわってクラウド上にソフトウエアでサービスを作り上げる「プロダクトクラウド」に乗り遅れた為、スマートテレビやスマートフォン、任天堂のゲーム機では家電崩壊が起きました。プロダクトクラウド(製品クラウド)はある意味でスマート機器の一部です。アップルペイはやろうと思えば、銀行預金もクレジットカードもLineペイもペイパルのVemnoも取り込めます。しかしオサイフケータイなど日本の電子マネー方式では対応できません。

フィンテックに熱心な一部のスタートアップ企業を除いて、大手のメーカーやIT系企業はガラパゴス、モノ支配論理から全く脱却していないようです。

★★ Boris Johnson shows off British cashless technology to Japanese audience... who pay with their mobile phones

★★ Death of cash? Maybe, but not quite yet in Japan

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