コードカットとコードネバー層のバブルパンチ、視聴率が急降下する米国テレビ

テクノロジー

» 2015/07/03

　遂にフォックステレビのソーシャルテレビの象徴、有名な「アメリカンアイドル」が打ち切り決定です・・・

　これこそ21世紀のテレビと称えられたのにぃ・・・　一体、テレビ業界に何が起こっているのでしょうか？

犯人はコードカット層ではなくコードネバー層　だと言う指摘が・・・・ネットフリックスはあまり悪くないのか・・・うーむ

american idol ratings chart

　＜出所　http://www.thewrap.com/american-idol-ratings-woes-numbers/　　　＞

　一週間の視聴時間を見ると　10代の若者は明らかにテレビから離れ次始めています・・・・

　昔は皆　一日5時間もテレビを見ていたのですが　　もう子供たちはアニメもみないし　　・・

　タブレットで見てるんですよね　きっと＾＾

N 70215 cotd_TV

　　少し上の層はまだ　テレビを見ています・・・・でも　一日5時間なんて　最早、夢物語です・・・・うーん

　ミレニアル層の上の方でも1時間減っています・・・・なるほど　テレビの全体視聴率が下がるわけだ・・・

＜出所ビジネスインサイダー＞

　米国で伝統テレビ（ＣＡＴＶなど有料テレビと地上波）の視聴率が急降下しています。2014年全体では9％前後ですが、2014年秋から全体で前年比二けたの視聴率低下が5か月以上続いています。（2015年3月まではデータが記事になっています）従来は毎年2－3％程度の減少でしたから、現在のトレンドは「視聴率が急降下」と言えます。（例えば2,013年は前年比3％の減少）

その原因は二つあります。一つはネットフリックスなどストリーミングサービス（OTTテレビサービス、WebTV）の隆盛、二番目はコードネバー層の急拡大です。WWDC2015でアップルＴＶが注目されたのは、コードカットの促進要因とコードネバー層を引き付ける可能性でした。（結局、アップルは時期が早いと秋に延期しました）

注）コードネバー層とはテレビを全く見ない層、例えば米国のカレッジの寮にテレビを置いている学生はほとんどいない。

■ ネットフリックス、アマゾンプライムビデオの影響は4割―5割

ニールセンの調査に基づき米国テレビ視聴率が急降下と共にテレビ視聴時間の減少が指摘されています。その中でネットフリックスやアマゾンプライムビデオなどストリーミングサービスの影響は4割から5割と見られています。

ネットフリックス（４1百万契約）は既に米国世帯普及率36％、アマゾンプライムビデオは13％です。ストリーミングサービスの場合、2013年には全体で36％の世帯普及率でしたが2015年春の時点で40％と言われています。

一方HBO（WebTV版は既に百万契約以上と予測）やショータイム、CBS（CBS ALL　ACCESSは10万契約以上）がOTTテレビサービス、WebTVを開始したため、デイッシュネットワークのSlingTV（既に25万契約と予測）やチャネル売りを開始したプレイステーションビューも含め、今後コードカットは大きく増加すると予測されています。

■ 毎年5百万人増加するのかコードネバー層

OTTＴＶサービスのSlingTVを立ち上げたデイッシュネットワークのチャーリー・アーゲン会長は、「毎年5百万人のコードネバー層が拡大する」と述べています。各種調査によれば2014年秋のコードネバー層は約1千万人です。

彼らはYouTunestarにあこがれ、ハリウッドのタレントよりも信頼していると答えています。CMでハリウッドスターが推奨する商品よりもYouTunestarが進める商品に親しみを感じている世代です。この流れに乗ってYouTunestarの拡散を利用したスナップチャットの広告売り上げが注目されています。だからベライゾンやデイズニーはYouTunestarのチャンネルを買収しています。

■ スマートテレビもハイブリッド型から電気自動車型へ

2009年の米国地デジ実施の前後に目立ったのは、「放送は地上波やCATV、付加情報はソーシャルも含めてインターネットと言ういわばネットとテレビのハイブリッド方式」でした。欧州のHbbTVや日本のHybridcastはこの流れです。ソーシャルテレビも同様です。

　しかし2014年秋からの流れは電気自動車型であり、放送も付加情報も全てインターネットに一極集中しています。これがステイーブジョブズやグーグルが提唱する電気自動車型のスマートテレビです。その嵐の中で有名なソーシャルテレビの象徴フォックステレビの「アメリカンアイドル」も2015年のシーズンを最後に打ち切りが決まりました。（これはテレビの没落を示す象徴的な出来事です）

そうした中でアップルのWebTVサービスが秋に登場し、このトレンドを促進します。