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プロモーション施策から営業マンまで、B2Bマーケティングの進化を考える

<B2Bのリスティング広告>に何か違いはあるのか

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前回、
「やっぱり新規リード獲得が大事」と各企業のマーケティング担当者の方が思っている、
と書きましたので、“リード獲得シリーズ”でいきたいと思います。

法人営業の、新規のリード獲得にも様々な手法や施策があると思いますが、

・営業マンがリストアップしてひたすらTELかけ
・法人リストを購入してFAXや郵送のDM
・法人リストを購入してテレマ会社へ依頼
・展示会に出展し名刺交換
・ITmediaなどのビジネスマン向けWeb媒体の会員へのターゲティングメール
・楽天ビジネスやネクスゲートなどのビジネスマッチングサイトへの登録
・GoogleやOvertureなどのリスティング広告(検索連動型広告)
・重要キーワードのSEO対策

などが主な手法・施策でしょう。

戦略や商品特性やターゲットや予算やタイミングなどで、
各企業様々な選択をしていくのだと思いますが、今日は
弊社でも実績が多く、B2Bでも当たり前の手法になりつつある<リスティング広告>について、
B2Bならではの視点で整理出来たらと思います。

リスティング広告やSEMにおいての基本的知識や体系的な情報などについては、
多くの書籍も出ていますし、ネットでも情報共有されていますので、
そちらを参考にしていただければと思います。

(ちなみに私は、新人やお客様にご質問等されて回答に困った際などは、
  SEOではアイレップ社の渡辺さんのコラムやこのサイト
@SEO
 SEMでは同じくアイレップ社の紺野さんの本
 検索連動型広告を成功に導くSEM戦略
 を時々参考にしたりします。。。
 ご挨拶したことは無いですが、渡辺さん、紺野さんいつもお世話になっております!)

なので、基本的なことやテクニック的なことよりも、“B2B的”ポイントに絞りたいと思います。


まず、
そもそもビジネスシーンではGoogleとYahooのどちらで検索しているか?について、
想像ではきっと「Googleじゃないか」と思われるでしょう。我々も「きっとGoogleです」と言ってました。
そこで弊社で、
[ビジネスで使う検索エンジン]について約1年前ですがリサーチをしました。(N=384)
(ただ、質問内容としては、「あなたがお勤め先でIT製品を購入検討する際の検索エンジン」としてます)
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やっぱりビジネスシーンにおいては、Googleの傾向が強いようです。
ただ、もちろんYahooも約4割ある訳で、極端に偏るのは危険でしょう。

次に、B2Bサービスの特性の一つとして、
購買検討期間が長いという状況があります。
(もちろん、コンシューマーでも家や車などは検討期間が長いですが(下記も弊社独自リサーチ)、
 ECなどで販売をしている商材と比較して)

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そういうことからも、B2B商材においては、
セミナー集客やキャンペーンなど、あまりに短期的な施策には向かないことがあります。

そして、B2Bサービスの購入検討における特性として複雑なのは、
訴求すべき対象(ステークホルダー)が、役職や部門や役割など様々である
ということです。
いわゆる、ペルソナや“F1層を狙え”みたいなことが難しいことが多い。

その、答えにはなっていないですが例えば下記のようなシートを用いて、
・今回の施策はどこを狙っているのか
・全てを狙っているのだとしたら、それぞれ狙っている層に対して
 キーワード選定やランディングページを用意すべきか
・検討フェースによってキーワードやオファーを変えるべきか

などを議論出来るようにすると良いでしょう。

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最後に、重要なキーワードの選定ですが、これはもう一言では語れないので割愛しますが、
代理店に任せ過ぎずに担当者の方でも使えるツールとして(皆さんも使っていると思いますが)
「GoogleInsightforSearch」というものがあります。

1年前くらいの資料ですが、
例えば「サーバー」というキーワードの効果や検索数が下がってきたのですが、
「仮想化」というキーワードの検索ボリュームは上昇してきていて、
検索するユーザーの商品イメージは実は「サーバー」も「仮想化」も同じだったりします。
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最近で言えば、「ASP」ではなく「SaaS」、「ストレージ」じゃなく「クラウド」とか。

TVで放映された言葉などの対応をしているECなどと比べて、
比較的B2Bサービスはその辺の対応が遅い企業が多いので、
逆にその辺を少し気にするだけでも少しは効果が変わってくるかもしれません。


ちなみに、昨年の不景気で「コスト削減」というキーワードの検索数が上昇し、
「[コスト削減]」というキーワードを購入し「コスト削減にEPRを」はいかがでしょう」
みたいな提案をしていましたが、
先程調べてみましたら、「コスト削減」のキーワード検索数が減少していました。


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景気、上向きなのでしょうか。

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