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プロモーション施策から営業マンまで、B2Bマーケティングの進化を考える

B2Bマーケティングで実は最も大事なこと

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よく、B2CとB2Bのマーケティングの特徴の違いについて聞かれます。

セミナー等でもよくお話させていただく、
Web上での<B2C>と<B2B>のマーケティングの一番大きな違いは、
Web上で購買プロセスまで出来るB2Cに対して、
B2Bサービスの多くは、Webでコンバージョンを獲得した後に営業にロケートする
という点です。

営業マンが絡むのか、絡まないのか、
ここがまさにポイントになってくるかと思います。

実は、Web上でのコンバージョン獲得までのノウハウやポイントは、
ある程度形式知化出来ますし、コンシューマー向けのWebマーケティングのテクニックも充分に参考になります。
ネクスウェイでも、「B2Bランディングページ71項目診断」のようなサービスを提供して
ある程度の最大公約数のCVが上がるポイントを整理しています。

ただ、重要な経営指標である“受注”までの施策となると、
やはりそこは“営業にどう繋げるか”“営業がどう成果を出すかの支援”“営業のステイタスをどう把握するか”が
マーケティングセクションとしては非常に重要な仕事であり、逆にそれが出来ていないのであれば、
どんなに様々なキャンペーンや販促施策を打ってもほとんど意味が無い、ということになりかねません。

それでも現状としては、販促企画などのマーケティングセクションと営業部隊が分断されている企業が本当に多いと感じます。
分断、とは、
リードの営業ステイタスがSFAなどで可視化されていない という“情報やシステム的”な観点もあるし
マーケティング施策と営業戦略などの認識のすり合わせなどの“コミュニケーション”の観点でも。


恥ずかしながら、我々も2年くらいまでは、間違いなく分断されていました。
・SFAは導入したが、各セクションが各自好きなように活用している
・効果把握やモニタリングレポートは全て、各個人のエクセルを足し算してマネジャーが作成していた
・リード獲得の作戦と営業戦略を各セクション別々に議論し全体発表していた
などなど・・・

今でも、まだまだ不十分だと思っています。
理想には程遠い。
それでも、Salesforceとリアルなコミュニケーションを通じて、
他の企業やお客様に語れる程にはなってきました。

その分断、が少しずつ改善されてきた要因はいくつかありますが、
SFAでのキャンペーン管理の徹底や営業活動まで含めたROIのモニタリング、
などのシステム的観点よりもむしろ、
・毎週の共同定例ミーティングを実施しマーケと営業メンバーがリアルに課題を共有する
・リード後のフォローが遅い営業マンに直接PUSHしに行く
などのリアルなコミュニケーションが多くなったことが良かったと思っています。

例えば、受注してすぐにフロアでいきがっている営業マンは本当にダメですね。
Salesforceのフェーズを【受注】にステイタス変更するのと同じくらいまずやるべきは、
マーケや販促企画の方々のデスクに行って、
「○○のキャンペーンのリードのお客様に、○○の提案をして本日受注しました。
ありがとうございました!」

くらいのことを自然に言えるか、これ本当に大事です。

こうしたことでお互いの信頼関係やモチベーションが生まれる、というのもありますが、
法人担当者のCVの質や傾向を、マーケセクションの者が肌感覚を掴んでいきます。


割と簡単に出来る一言や機会が、その企業のB2Bマーケティングを飛躍的に変えるかもしれません。

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