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翻訳・WEB・キャリアを極める?楽しく正しく新しい会社経営&オリンピックへの道?

兼好法師による作品オープンのススメ

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枕草子に比べると覚えている章が少ないのだけど、徒然草にこんな心を打つ話があったとは!


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********全体会議の話から*********************

オンラインスクールのデジタルファーストキャンプも最終課題のプレゼンを残して今週で終わります。

なかなか刺激的な3ヶ月でした。
印象に残ったことは3つあります。

1つ目は、スピード感。
以前にも話しましたが、ランディングページという言葉すら知らない人に一週間で作ってきてください、というお題を出し、それに見事に答える受講生にビックリ。

2つ目は質より量。
私は営業会議のときに、「営業はまず量。量をこなして始めて質を求めよ」と言います。デザインの先生に「質を求めずとにかくたくさんデザインしてください。そういう人のほうが絶対うまくなります。」と言われたのにもびっくり。分野が違っても上達の本質は一緒のようです。

3つ目は、結果やプロセスをオープンにすること。
初心者向けのデザインの授業があったのですが、これが私にとって一番大変でした。
WEB制作会社の社長ですから、「見栄」があるわけです。アークコミュニケーションズのデザイナーの作品を見なれると目が肥えて、自分の至らなさにますます気がつきます。
デザインの先生が教えてくださった兼好法師の言葉がとても心に響きましたのでご紹介します。

徒然草第150段「能をつかんとする人」

なにか芸能を身に付けようとする人は、とかく「あまり上手にできないうちは、生半可にこれを人に知られぬようにしよう。ごく内密によくよく習得してのちに、ずいっと人前に出て披露したならば、さぞ心憎い致し方であろう」などということをつねに言うようであるが、そんなことを言っている人は、一芸といえどもちゃんと習い得ることがない。


いまだまるっきりの下手くそのうちから、上手な人のなかに交じって、バカにされ嘲笑されるのにも恥じることなく、平然として長く稽古に精を出す人は、仮にその人が生まれついてのコツをつかむ才覚に恵まれていなくとも、それぞれの道に停滞することなく、また自己流に堕ちることなく、年功を積む結果、なまじ才覚があるがために地道な努力を怠っている人よりも進歩を遂げて、最終的には名人上手というべき芸位に至り、人徳も具り、また世人からもそのように認められて、やがては天下無双の名声を得るということになる。

天下に聞こえた芸道の上手の人であっても、その始めは、とんと下手くそという評判があったりもし、またひどい欠点があったりもしたものだ。それでも、その人が、斯道の掟をきちんと守り、これを重んじて自己流のやりかたに堕することをしなければ、ついには世の中のお手本ともなり、万人の師範ともなること、これはどんな物習いの道でも変わることがない。

『謹訳 徒然草』(祥伝社)林望

さらにデザインの先生がおっしゃったのは、「大丈夫、上手な人ほど、バカにしないものです。」確かに!

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3つ目のエピソードを言ったからには、私が作った作品をお目にかけないわけにはいかないと思い、"こっそり"URLを公開した。恥ずかしかった~笑

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