地球を7回り半
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「光の速さでデジタル情報はトラベルする。稲光が光って、音が同時に聞えるという経験をわれわれはしていないけれど、インターネットはこれを実現してしまうのだ。」
先週の土曜日、情報社会学会の総会の基調講演にて、村井純教授(慶大)の話を
聞いた。本当は博士論文の主査としてご指導いただいているはずなのだが、改めて長い時間話を聞いたのは久しぶりだったりする。
コミュニケーションは遅延が400ms以内なら支えられると言う。インタラクティブなコミュニケーションは、260msでできるだろうと。地球上なら、光の速さで動ければコミュニケーションができるという計算になると言う。ここで村井さんはどきっとするような言葉を残した。
「神様は最初から、人類がコミュニケーションできる大きさに地球を作ってくれたのかな、と思う」
光の速さは1秒間に地球を7回り半。小さいころそれを知ったとき、イメージができなかった。遠くの光を見ることはできないし、速さといわれても体感ができない。だけど、データ通信に置き換えたとき、地球上の距離と光の速さを感じることができる。
2月にスペインに出張したとき、ホテルの部屋からブロードバンド接続して、Skypeで親に電話をした。こっちが発声してからわずかに遅れて、あちらの反応がある。デジタル通信の早さと、地球を半周した距離の体感だ。生身なら15時間もかかる距離。
そして何が変わるのだろうか?
時差の意味。距離の意味。通信の意味。今の一瞬を、どこにいても共有することが可能になりつつあると思うと、地球をなぞれるような感覚。
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