中村昭典の、気ままな数値解析:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 中村昭典の、気ままな数値解析

○人、○%、○億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

 前回、円高についてのエントリーを書きながら、頭の一方で考えていたことがあります。それは、社会人として、ブロガーの端くれとして、父親として、一人の小市民として、何かできることはないのか、ということ。偉そうなことを書いた手前、自分から何かやらんといかんなぁと思ったわけで。

 残念ながらまだ何もアイデアがないのですが、悶々としている中でふと考えたことは、円高だったり株安だったりという現象は、どうして起こるのか、ということです。これまた大きな風呂敷ひろげちゃって〜って感じですが。

 たとえば円高というのは、数値で表れる事実でもって、誰もが「昨日より○円○銭の円高」って共通認識できるんですが、じゃぁなぜ円高になるのかってのが、今ひとつ漠然としてる。「○○長官の発言は、重要度レベル3だから、○○銭円高ね」なーんてルールがあるわけでもない。いってみれば、為替を売り買いする人たちが、先を読んで、エイヤーって決めるわけでしょ。相場がどう動くのかは、もちろん経済の原理原則みたいなこともあるんでしょうが、その通りにならないのが世の常っていわれるくらいで、当てになりませんよね。ならば、何が相場を動かしているのか。思うに、一番大きな要因ってのは、すごく漠然とした「感じ」なんじゃないでしょうか。プロの予感、みたいな。雰囲気っていうか。空気っていうか。

 じゃぁ、そうした「感じ」「空気」はどこからやってくるのか。そりゃプロ諸氏の嗅覚もあるでしょう。いろんな経験もあるでしょう。そこでまた考えたんですが、相場を動かす「感じ」「空気」ってのは、いろんな「情報」から醸成されるものじゃないでしょうか。現代のIT全盛時代には、世界中で起こっている情報が瞬く間に広がります。そうした情報が蓄積され、「感じ」「空気」を生み出しているとは考えられないでしょうか。為替相場に限らず、株式相場に限らず。

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 経済アナリストの方々のコメントをよく見ていると、必ず使われるフレーズってのがありますよね。「…景況感が悪化するという思惑から円が買われ…」「…アメリカ経済の先行き不透明感からNYの株式相場が急落し…」といったやつです。そう、誰もが毎日のように見聞きしているフレーズです。ここには「感」がついてますよね、たいてい。相場は、「感じ」、つまり「空気」で動いているんです。そして、それを生み出しているのが、世にあふれる「情報」なんじゃないかと思うわけです

 こうした「感じ」が先行し、実体が後を追って形成されるというのが、昨今の経済の流れのように思われます。たとえば日銀の短期経済観測を代表例として考えれば判るように、数値としてよく取り上げられる各種指標も、実は「感じ」の集合体だったりします。これは専門家の判断ですが、では一般市民レベルではどうでしょうか。

 Googleのブログ検索で、この1年間(20071201〜20081131指定)で「円高」を検索してみると、【277,493件】、「株価」では452,012件、「為替」では944,815件ものヒットがあります。言うまでもなくブログはビジネスでも様々活用されていますが、多くの一般人が円高・株価・為替をブログで取り上げていることは間違いないわけで、書き手だけでなく読者も含めれば、IT技術の普及により、経済に関する相当数の「情報」が飛び交い、関心を寄せている様が伺えます。こうした「情報」から、社会の中に、「感じ」が形成される。そう言えませんか。

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 ここで、またまたまた考えたのですが、じゃぁITが流す「情報」ってのが、明るいものばっかりだったらどうなるんでしょうか。世の中には明るい「空気」ってのができるんじゃないかなぁ。つまり、辛く暗い時は、意識的に明るい話題をたくさん伝える努力をみんなですれば、ITを媒介に明るい「感じ」が伝わり、「空気」が明るくなるんじゃないかと。ネガティブな批判を繰り返すより、もっとポジティブな提案をするとか。円高で苦しんでいる様を紹介するよりも、円高がプラスに働いている側面をクローズアップするとか。どうも最近は、マスメディアも経済のプロ諸氏の発言も、マイナス面を強調し過ぎている印象がぬぐえないんですよね。

 私は、情報操作をしようと言ってるんじゃないですよ。辛いときこそ笑って、暗いときこそ上を向いて、みたいなことです。そうすれば、ITが世の中の「空気」を変えられるんじゃないかなぁ。これだったら、ブロガーとして何か私にもできるかもしれない。そう思ったんですけど。どうですかね。

 すみません、稚拙な夢話におつきあいいただきありがとうございました。

中村昭典

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コメント
佐川 2008/12/12 14:14

>辛いときこそ笑って、暗いときこそ上を向いて...

ITに限らないかも知れませんが、オピニオンリーダーがこの姿勢でいるべき、ですよね。

13時15分41秒 2008/12/12 14:33

稚拙な夢話だとは思いません。本当は大事なことであるのは確かです。
一方でもしもそれが軌道に乗りそうな気配が漂うだけで、すぐに問題点を棚上げして既得権を守るための現状肯定の口実にも利用されてしまうという問題はあります。
後、メディアはともかく経済のプロ諸氏の発言については区別がつき難いかもしれませんが、彼等なりの不安を煽らないための配慮を含んでいるケースも多いと思います。
少々気の毒な気もしますが彼等の立場上の葛藤が揺らめく様こそ昨今数少ないTVを見る楽しみ・・・

中村昭典 2008/12/12 16:20

佐川さん、いつもありがとうございます。
 
昨日テレビで麻生総理を見ていて感じたのですが、
こんな大変なときこそ、笑って、前向きな姿を見せてもらいたいと思います。
あの方、笑うと愛される顔されてると思うんですが(失礼!)
 
13時15分41秒さん、温かいコメントありがとうございます。
 
> 不安を煽らないための配慮を含んでいるケースも多い
 
そう思える人はいつもそうだし、そうでない人はいつもそうでない、というのが私の印象ですね。
問題点を指摘するのもプロに課せられた重要な役目ですから、批判=X、というつもりはありません。
ただ、批判だけでとどまらず、プロだからこそ持っている豊富な見識を、
ポジティブなアウトプットにつなげる工夫をもっとたくさんしてほしいなぁと思います。
で、テレビに出るときは、できるだけ笑顔でね。


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プロフィール

中村昭典

中村昭典

元リクルート・就職情報誌編集長。現在は大学でキャリア支援領域の教育研究者。
「一人でも多くの人に、働く楽しさを伝える」をテーマに、いろいろ試行錯誤する日々です。
趣味は海山畑で食材を調達すること、カフェで一人ボーっとしながら人間観察すること

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