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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

世界の甘党

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相変わらず子供体質であるに違いない。アルコール類が苦手である。ワインやカクテル類だと口当たりがよいので、妻の制止を振り切ってと言うと勢いがよいのだが、せいぜいお猪口一杯分程度でも口にしてしまうと、一時間くらい身動きできない程にダウンしてしまう。ましてやビールのように苦いだけの飲み物をうまいと思ったことはない。要するに甘党なのである。

和菓子・洋菓子何でもよいのだが、アメリカに駐在していた頃はそうはいかなかった。あっちのケーキは容赦なく、脳天にずしんとくるような甘さと量がある。隠し味だとか、ほんのりとした、とかといった概念とは全く無縁である。筋金入りの甘党と自負していたのだが、あのハンマーでぶん殴られるようなパワーにはとてもかなわない。もしかしてこれならばと思うケーキがあっても、実際に口にするときっと裏切られる。食べたいのに食べるのがないのであれば仕方がない。食べたいものは自分で作ればよいのである。住んでいたところは賃貸ではあっても、幸いにもキッチンにオーブンが備え付けてある。

というわけで、アメリカ滞在中に趣味は何かと聞かれたら、いっそのことケーキ作りと答えてしまおうかと本気で思っていたくらいに、せっせと励んだ。最初に手を出したのはチーズケーキで、その後スポンジ・ケーキやら、中華饅頭のアンマンやら、シュークリームも作った。自分だけで食べるのはもったいないので、図に乗ったついでに、あろうことか同じ日本からの駐在員仲間やその家族、果ては自宅に招いてくれた現地の人間にまで犠牲者(?)を拡大した。料理本は日本のものだったりアメリカのものだったりしたが、砂糖の量を自分の好みに合わて、レシピの半分近くで済ませたものだ。

ここで一つ疑問が湧いてくる。強烈に甘いものばかりを食べているアメリカ人に、和菓子をたべさせてみたらどうなるのだろう。ただ甘いだけではない、世の中にこんなにうまい菓子があるのだろうかと感涙にむせぶに違いない。

そこで時々日本に出張してくる、チョコレートを常に手放さないアメリカ人が関西にやってきた際に、有名な金つばを食べさせてみることにした。たまには伝統の和菓子をもったいなくも食べさせてやろうと思った次第である。ところが第一声は「Chewy!」であった。確かにチョコレートみたいに口に溶けるような代物ではないわな。次に甘すぎるという意外な感想が来た。どうして程よい甘さなのに、甘すぎるんだろう。味覚が壊れているに違いない。いや、食べ慣れないものはうまくないということなのだろうか。結果的に日米代表(?)が互いに相手の菓子を、甘すぎて食べられない、と文句を言ったので、この勝負は引き分けかな。

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