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コミュニケーション能力の定義

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社員の面接時に 「コミュニケーション能力とはどういう能力?」と聞くと、英語が話せるとか、相手の話をちゃんと聞けるとか、すぐ仲良くなれる・・・とかよく言う人が多くいる。非常に大事な能力という事は分かるのだが、定義を聞かれると中々難しいものかもしれない。少なくとも言語の活用度や人の話の理解度は、あくまでもコミュニケーションを良くする為の要素の一つであって、能力ではない。

コミュニケーション能力の定義

それは「相手に不快な思いをさせずに自分の思い通りに操る能力」である。操るという言葉が適切かというのは措いておいて、相手の心を自分の望む方向に動かす能力こそがコミュニケーションスキルだ。相手を力づくでも、騙すでもなく、正しい方法で双方がWin to Winになるよう状態をつくる力のことだと言える。

人間は誰しも、何をするにも自分にとって物事がポジティブな方向に進むことを願っているはずだ。では、何がそれを(ポジティブかネガティブか)決めるのかというと、一つ目は「自分自身の価値観」、二つ目には「環境」。環境=他人との関り合い とも言い換えられると思うのだが、ここでは自分を取り巻く「環境」が自分にとってプラスの関り方を(要は自分をサポートしてくれる)しているかどうかが重要なのだ。味方と敵の違いみたいなもので、分かりやすく言うと一緒に働いている人が自分をちゃんと理解して尊重してくれて好きでいてくれたら、基本的には仕事は楽しくなり幸せに近づくはずということ。関る全ての場面で、そのポジティブな状態を作ることができたら良いことになる。自分にとってプラスの「環境」=「関わる人」 をつくるには、相手が自分を理解して尊重して好きになるように「相手の心」を動かす必要がある。

コミュニケーションというと、どうしても「言葉」に着目しがちなのも良くある話。しかし、相手の心を動かすことがコミュニケーションの目的だとしたらそれは言葉に限らない。何年か前に非言語コミュニケーションについて書かれベストセラーになった、竹内 一郎著 “人は見た目が9割”。その中にあるアメリカで行われた実験結果でも「好き」という言葉を「嫌そう」な表情で言った場合、「好き」という言葉よりも「嫌そう」というメッセージを受け取る人の方が多いという結果が出ている。言葉以上に見た目の印象が大きいということを示している。このことからも見た目が重要であることが分かる。ほんのちょっとした見た目の違いが、その人を判断する重要な要素になる。理想としては視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚いわゆる五感 + 深層心理までをフルに考えてコミュニケーションが取れる人間が自分の上司であって欲しいものだ。脳明晰で優秀な人でも、言い方が悪いとか優しさがない・話しかけにくいような人が自分の上司だったとしたら、みんな上司の言うことに一々嫌な思いをして、いくら正しいことを言われていても決してその人の為に頑張ろうという気持ちにはならないからだ・・・。

以下はコミュニケーションを体系的に示した例である。

■理論性(Persuasion)
相手から自分の話したい内容や提案で納得を得る為に、相手に合わせた一定のストーリーを立てておく、また計画し(こと前の戦略)、やりとりの最中や終了後に相手からの評価を感じ取り、自己評価により今後の改善につなげるスキル。

■共感性(Empathy)
実際のやりとり(聞く、質問する、話す、またその雰囲気づくり)の開始から終了までに、相手の状況を判断しながら、予め筋道を立てていたストーリーを調整しつつ、相手と自分との心理的距離感を縮めるスキル。相手の不安を取り除いたり、その場で話の内容を調整、強化したりする行動を含む。

■信頼性(Reliability)
話を聞いてみよう、もしくは話をしてみようと相手が思う為に、共通してコミュニケーションシーンを左右するものを理解し、普段から心がけるべきもの。相手に与える印象をコントロールする方法だ
 ・ エチケット・・・身だしなみ、マナー、配慮、常識等
 ・ 準備・・・物理的準備、内容に関する精通等
 ・ 言語・・・言葉遣い、ワーディング、敬語等
 ・ 非言語・・・動作、表情、話し方、抑揚、間等

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