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今あらためて組織力が問われる時代に、”負け組をつくらない組織”の作り方を研究していきます。

販売平均単価を上げるには?

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「カスタマイズ」という言葉を様々な場面で耳にするようになった。パソコンのオーダー、携帯電話カバー、金融デリバティブ、サンドイッチ、住宅、車・バイク・・・ 本当に多岐にわたり顧客のニーズを多く組み込むこの方式が活用されている。これは販売側から顧客が求めるものを考えて提示するパッケージ提案販売に対して、顧客が積極的に欲しいものを考えて購入を検討するという顧客主導型の購買活動が増えてきているとも見れる。販売側は、顧客(マーケット)が何を求めているのかを研究することも可能となり、一種のマーケティングとしての役割も考えられると思う。

販売・営業の立場から売上を増やすという観点でこの「カスタマイズ」販売方式を考えると、方法は①販売数を増やす ②販売単価を上げる のいずれかの作戦になる。もちろん、両方を改善させるのがベストであるが、いわゆる薄利多売と言うのは販売機会を増やす為のコストがかさむ割には売上が中々上げにくいという傾向がある。従い、販売単価を上げるという方法を考えてみるのだが、これが現場の販売・営業職としては非常に難しく、同時に腕の見せ所になる。高い価格を納得させるだけの提案価値を顧客に伝える訳なのだから、決して簡単ではない。ただ、必ずしも「カスタマイズ」での販売は対面だけではなく、むしろインターネットなどで多く普及している。インターネットと言うのは、ユーザーが自らアクセスをしてクリックをして画面を進めるプロセスである為、何かの購入・見積作成時に「カスタマイズ」がある場合、顧客の意思でそのほとんどの選択はなされてオーダーは組み立てられていく。営業マンの熱意や詳しい説明で高いオプションを選択するのとは違う要素で、販売単価を上げる工夫をしなくてはいけないのが、インターネットでの「カスタマイズ」販売である。

オンラインビジネスを展開している会社のマーケティングとなると、それぞれの製品の購入割合、各種オプションの選択割合・・・などを事前にプランして売上と利益の目標値も決めているはずだ。その中で販売単価を上げる為には、より単価の高い製品やオプションを選択してもらうように導くことができれば良い。逆説的に言うならば、単価の低い製品やオプションを選択させないように導けば良いということになる。 よく”経営は捨てること”だと言われるが、それと同じような考え方がここでもできる。単価の安い製品・オプションの選択肢をなくすことができれば自然と選択肢は単価の高い方に流れる。一般的に人が感じる満足と不満足の境目は、期待値以上の結果を得るか否か、もしくは比較対象よりも良いか悪いかという軸で見ることができる。従い、比較対象を減らし、価格が高いか低いかの基準ラインを底上げすることができれば、平均単価が上がるはずである。

しかしながら、これは前提としてその販売メーカーや製品自体が魅力的であることが求められる。要は価格に見合う価値のある製品 にならなくては、そもそも誰も買ってくれないからである。価値を顧客に理解してもらう為に企業は努力をする。分かりやすいシンプルな選択肢とそれに見合う適正な性能と価格、これらを維持するための販売サイドの顧客志向。顧客満足度を重視した戦略が最終的にはビジネスとしても成功する一つの形だと言えるだろう。

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