2011年ジャスミン革命がサイバーデモ元年の幕開けとなるか?
チュニジアの政権崩壊「ジャスミン革命」にソーシャルメディアが寄与したことがニュースになっています。
オルタナブログではシロクマ日報の小林さんから詳報が展開されています。
チュニジアの「ジャスミン革命」は「ソーシャルメディア革命」と呼べるのか?:シロクマ日報:ITmedia オルタナティブ・ブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/akihito/2011/01/post-1be3.html
チュニジア政権崩壊におけるリアルタイムウェブとジャーナリズム:シロクマ日報:ITmedia オルタナティブ・ブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/akihito/2011/01/post-b0b9.html
世の中の流れとして、現実世界のデモ活動がインターネットを巻き込んで活用する形に変化していることはいなめないでしょう。それは学生運動の時代にフォークソングやガリ版のゲバ字ビラや立て看板が活用されたことと大差ないように思います。
最近、非実在青少年というキーワードで有名になった青少年健全育成条例への抗議活動が「ネットから現実へ」という形で実現したように感じられました。もちろん、ネットがなくとも漫画界が何らかの活動を起こした可能性は高いと思われますが、まずインターネットの世界での盛り上がりが先行したことから私にとっては「ネットから現実へ」のような形に見えたのではないでしょうか。
とはいえ、現実世界のデモ活動(行進や集会など)と比べればネット上では集団的な動きがあったわけではありませんでした。2ch等を見れば多数の人が懸念を示していましたし、Ustream等で番組を提供していた方もいます。
現実世界のデモ活動のように「集団の力」を感じる抗議行動として最大のものとしてはmixiの利用規約の変更に伴う一連の抗議活動が挙げられます。アクティビティ反対コミュニティは10万人に近い(最終的には超えたんでしょうか?)メンバーを集めました。複数アカウントが可能であり、実名SNSとは言いがたい状況ではありますが、匿名の通りすがりの集まりとは程遠いmixiでそのような運動が盛り上がったことは今後の「サイバーデモ」の展開においてターニングポイントとなるかもしれません。
これまでのサイバーでもは韓国から日本へのアタックのように匿名の人が散発的に行う形態が一般的でした。それらの活動で価値を持つのは「1アクセス」であると言えます。なぜならば、結果として引き起こされるのは対象Webサーバの閲覧障害だからです。(または大量書き込み)
しかしfacebookやtwitterのように実名を好むネット文化が発達してきたことにより、1アカウントの裏に1人の人間がいることを強調する活動が増加していくことでしょう。それらがニュースになったとすればmixiのアクティビティ反対コミュニティに10万人の人が集まった、というように伝えられていくはずです。とすれば、政治を動かしうる力を持っていくと思われます。
今後の懸念点もあります。1つには児童ポルノ規制のように実名だからこそ賛成や反対の立場表明が難しい事柄については半永久的に記録の残るインターネットでのデモ活動がしづらいことです。現実世界のデモですら、その活動内容によっては顔をサングラス等で隠しての参加者が見られますので、これはネットの世界でも同様の解決方法、すなわち匿名に頼るしかないのかもしれません。
もうひとつは国を超えた活動についてです。デモ活動がその国の政治家を動かすものであるとすれば、他国でいくらデモ活動が激化しようが、直接的な影響は及ぼさないことでしょう。(輸出入や移民等を通じた間接的な影響はあるかもしれません)しかしインターネットでは言葉の壁さえなくなればある国の活動が別の国に波及することが簡単に行われます。日本鬼子の活動は無事?海外から反応をもらえたところです。
2011年も始まってすぐという時期に国がなくなってしまうという事態となりました。ひょっとすると今年はサイバーデモ元年となるかもしれません。