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『己より優れた者を周りに集めたい者、ここでtweet』

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もちろん原文は『己より優れた者を周りに集めた者、ここに眠る』アンドリュー・カーネギーの墓碑に刻まれた文です。

“Here lies a man who was able to surround himself with men far cleverer than himself.”

こちらのカーネギーといえば鉄鋼王として知られたほうであり、「人生論」の人ではありません。

デール・カーネギーは優れた著作を残したことでも有名です。「人生論」はオルタナティブブログではけんじろうさんが愛読書として挙げています。

やる気がでない人、落ち込んでいる人に最適なこの3冊+マンガ (1)~「世に棲む日々」

やる気がでない人、落ち込んでいる人に最適なこの3冊+マンガ (2)~「坂の上の雲」「カーネギーの人生論 」

私も以前けんじろうさんに「カーネギーの本を読め」とおすすめされました。早速本を買って最後まで読み、著者プロフィールの段で「鉄鋼王じゃない人だったんだ」ということに気付いたという思い出もあります。

そんなカーネギー(鉄)の墓碑から思うことは、インターネットによりコミュニケーションの加速された現代で自分より優れた人を見つけることは難しいことではないということです。

まず肩書きなどのプロフィールや他の人の評判、アクセス数、ソーシャルブックマークなどにより優れていそうな人を探してくることができます。その上でその人がコラムやブログを書いていたら、それを見ることで本当に優れていそうかどうかを判別することもできます。

しかしそのようにして意中の人を発見することはできても、ブログのコメント欄や公開されたメールからいきなりコンタクトするのは難しいものがありました。その障壁を崩したのが「twitter」であると思います。現に林さんが「名刺交換はTwitterから」で書いておられますように

今回、講演をされた方やパネリストで参加された方、そして、懇親会に参加された方の多くはTwitterアカウントをもっており、名刺交換での最初の言葉では「Twitterを拝見させていただきています」という言葉で挨拶するケースが何度かありました。

ということが珍しいことではなくなってきています。

知り合いになるというハードルを下げる効果も強いものですが、知り合った後に緩やかな関係性を維持するという面もあります。ネットワークセキュリティワークショップin越後湯沢では一戸信哉准教授の指導の下でtwitterにテーマにした座談会が催されたのですが、そのご縁でまだfollowさせていただいています。

twitterに参加する思惑がすべて『己より優れた者を周りに集めたい』であるとは決して思いません。しかし何かの事件事象が発生した際に誰かすごく詳しいひとがいて、その人の意見がRTで拡散していくという場面はよく見られます。更に違う角度から意見を言える別の詳しい人がいたりすると、それまでの自分はまったく知識がなかったのに急に専門家になったような気持ちになれるものです。2chやスラドではこのようなことが以前からあったように思いますが、2chは板が分かれていますし、スラドは主な守備範囲が理系に偏りがちという点があります。強いて言えばニコニコ動画の雰囲気に近いものを感じます。

己より優れた者と出会い、まったく知らなかった知識に触れることを心地よく思う人はtwitterがとてもおもしろい空間であるように思うことでしょう。もしカーネギー(鉄)がこの世に生まれ変わったらlistsを見せて欲しいものです。

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