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「あの時代は熱かった」と語られることを目指して:2012年 日本へ5つの提言

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2011年の年末、NHKにて放映された「坂の上の雲」で描かれる、向上心に溢れ、人々の熱意に満ちた日露戦争当時の日本のその熱さに、心打たれた方も少なくなかったのではないでしょうか。

このエントリーでは、2012年が、この「坂の上の雲」に描かれた当時の日本に負けず劣らず、「熱い時代」であったと語り継がれるようになるために、どのようなことをすればよいか、5つのポイントに提言として取りまとめました。本内容が、2012年にこれから取り組む上で、みなさんの刺激になれば幸いです。

■5つの提言サマリー:

1.社外の人を巻き込み、多様性を極限まで活かせ

2.「勝率8割」でなく「勝率3%」のゲームにシフトし、失敗をガンガン積み重ねよ

3.家族・家庭・プライベートの悩みに、仲間や友人を巻き込み、集団知を投入せよ

4.ファクトベースで方向性を考え、「また(政府が)増税です」といった仮想敵を作り出すな

5.慣習を打破してSkypeなどのテクノロジーを使い倒し、空間・時間・人間関係の制約条件をなくせ

概念図にこれをまとめると、次のような構造となります:

5pointsforjpn2012_3

これらについて、以下1つずつ解説していきます。

提言1.社外の人を巻き込み、多様性を極限まで活かせ

現在、本業で取り組んでいるテーマや課題に、会社外から、幅広いバックグラウンドや専門性、年代の人たちを巻き込み、そこからアイデアをもらうということを推し進めることで、強烈な知的刺激と興奮がもたらされ、自分の価値を再認識し、新たな創造的アイデアを産み出すことができます。

そして、この多様性から生み出される刺激・興奮・自己認識・新たなアイデアといったものこそが、2012年の日本で、コアとなり得るエネルギー源として、何より強調したい点です。

例えば、この考えに基づき、某金融機関が新たに個人向けに開発を考えている決済関連サービスについて、そのビジネスとしての応用方法を考える、というブレスト会議を昨年開催しました。

そこでは、個人人脈などで多種多様な業界・専門性の人たちをお呼びして、議論を行ったのですが、終わった頃にはみんな、少年のように顔を紅潮させて、「面白かった〜」という風に、楽しげにしていました(下表は、参加者のアンケート結果抜粋)。

日本系企業のエンジニア 今まで全く交流がなかった職種の方たちと話が出来て、自分の世界の狭さを思い知った。
SEOの凄腕コンサルタント 金融に関しては、全く知識がなかったのですが、いろんな方々のアイデアを聞きながら、楽しく学べたし、自分のアイデアも自然と湧いてきました。気づきの多いとても充実した時間でした。
ネットマーケティングベンチャーのマーケティング担当役員 アイデアが自由に広がって楽しかった!
通常のMTGだと決定する作業が多いので、まず拡散させる喜びを感じました。
大手金融グループのリテール系社員 大変刺激的で楽しく議論ができてよかったです。
投信社員 非常に刺激になりました。楽しかったです。
日本系企業のエンジニア 普段の仕事で繋がりのある人以外と話をする機会はあまりないので、新鮮な体験でした。自分の会社の中だけにいると視野が狭くなると実感させられた。
エンターテイメント系企業の凄腕エンジニア なじみの薄い金融サービスがテーマということで、楽しみな反面やや不安な部分もありましたが、結果的にはとても有意義な経験をさせて頂きました。
某個人向け大手EC市場のマーケティング担当 バックグラウンドが違うと考える事が違って面白いなーと思いました。
大学生 新しい出会いがあり、新たな学びがあり、充実した時間を過ごすことができました。

こうした、多様性のある場に参加すると、なぜ楽しいのか?それには、以下のような要素があります。

理由1.互いの持っている視野を持ち寄ることで、世界観が圧倒的に拡がり、思考の刺激となる

例えば、「ケータイゲームの難易度は一日単位でどんどんデータをみながら修正される」とか、「個人向けに家計簿をつけてもらうというのがリテール金融でのリコメンデーションの王道だけど、そういうことができない人が、一番お金を管理しなきゃあ破綻する人であるというジレンマがある」とか、持ち寄っていくことで新たな世界が拡がる感覚が、思考への刺激となります。

理由2.自分で気づかなかった自分の凄さに気づく

とかく、自分の日頃の仕事環境には、自分と似たようなスキルセットや、専門性を持っている人が多いため、他の人から見て、それがどれだけ凄いことか、価値を発揮でいることであるのかがわからなくなります。差し詰め、新幹線に乗っている人同士から見たら、お互い止まって見える、ようなものですかね。

ですが、こうした異なるバックグラウンドの人たち同士の中に入ると、その専門性が際立ち、さらに場の議論にとても貢献します。例えば、自分が日々当たり前のように行なっている結婚式場への営業方法などを紹介すると、そのプロセスや工夫などに、他の業界の人が目を丸くして驚いてくれて、それによって初めて、自分が行なっていることの価値に気付く、といったことが起きます。

理由3.互いに変化を受け入れ、相互作用のダイナミックさを楽しめる

このような多様性の場では、上記に紹介したような相手が持ち寄ってくれた話、あるいはそれがきっかけとなったことにより、短時間のうちに、自分の考えがどんどん変化し、相手の変化も、どんどん変化していきます。
そして、この「互いに変化することを受け入れている」という感覚が、普段では感じられないような、人と人の相互作用、コラボレーションというものを、心底味わうことができるようになります。

○具体的にどうするべきか?

重要な課題、問題、テーマであればある程、今まで議論してきたメンバー構成を改め、なるべく多種多様な人たちに参加してもらうようにすべきです。

上記の例でいえば、この金融機関では、半年以上に渡って、技術的には提供可能な新しい金融ソリューションを、どのようにビジネスにできるのか、悶々と社内で議論し、調査し、議論し・・・という経験をしていました。

こうしたような状況は、多くの場面、多くのビジネスで、みなさんも直面しているのではないでしょうか。そうした場面でぜひ、多種多様な人たちを巻き込んで、ブレスト会などを開催してみてはいかがでしょうか。

提言2.「勝率8割のゲーム」から、「勝率3%のゲーム」へシフトする

「私たちは、歩くことによって道をつくる」(スペインの詩人、アントニオ・マカード)

これは、一言でいえば、「失敗しないように、失敗しないように、と頭で考えに考えて中々行動を起こさない」ということを止めて、「失敗して、失敗して、たまに成功するからとりあえずガンガン仕掛けていこう」という思考にチェンジしようという話です。

シリコンバレーでの成功事例を分析した「Little Bets」という書籍がありますが(日本語訳ままだ出ていません)、この本によると、シリコンバレーでのビジネスの仕掛けは、どんどん新しいことをトライしていき、そこで「何をやると上手くいかないか」「どのアイデアは当たらないか」というのを素早く見つけていき、最終的に成功にたどり着くという流れだそうです。100個のトライをガンガン進めていく中で、2〜3個のビジネスが成功し、成果に繋がるわけです。

このとき、1つ1つのトライを「外れたらどうしよう?」「当たるためには何を検討しなければならない」「前例を考えると・・・」など、行動に移さずにひたすら脳みそで考えてばかりいるのが、「勝率8割」のゲーム、言い換えれば1つ1つを必ず当てなければいけないと考え、アクションへの移行が遅遅とするケースです。そして、当たらなかったビジネスに対して、まるで犯罪者を扱うかのように避難や叱責を浴びせ、結果としてさらに次のアクションへ慎重になってしまう・・・そんな行動をやめましょうよというのが、2つ目の提言です。

なぜか?その理由は3つあります

理由1.変化が激しいから、いくら考えても成功確率を上げるには限度がある

例えば、Facebookが、昨年の今頃はまだまだ一部のユーザーだけが使っていたという状況だったのに、今では多くのビジネスマンが、情報交換やたわいもないやり取りに当たり前のように使っているという風に、最近は1年もするとマーケットを取り巻く環境はガラっと様変わりしてしまいます。
こうした環境では、昔と同じように「市場調査をやって」「じっくりと内部で検討を重ね」「テストマーケを行い」・・・というプロセスを取っても、外れるときは外れます。Facebookがこれほどまでに日本で一気に浸透するということを、確からしいこととしてプランに織り込むとかって、ほぼ不可能なわけです。
ちなみに、私の実体験でもありますが、更に悪質なパターンは、先が中々見えないから、仕掛けの1つ1つについて、躊躇するようになり、「議論ばかりして、何もアクションをとらない」という事態に陥ってしまうことです。

理由2.新しいものを創り上げるのに向いている

恐らく多くの方が賛同するのではないかな、と思うのが「新しいビジネスを創り上げ、高付加価値を付けていくこと」の重要性です。そして、この「新しいビジネス」というのは、言い換えれば今までの思考の枠組みになかったものであり、過去に類似するケースや、参考にできるデータがなければ無いほど、斬新であり、インパクトが大きくなる可能性があります。
そうすると、ある種のジレンマでもあるのですが、「このサービスはきっと当たります」ということが、説得力高く語れてしまうものであればある程、実は斬新さがなく、大した成功にならなかったり、過去のモデルの焼き直しになっており、新しい世界観をもたらすようなものでなかったりします。

ではどうするか?それは、今までに前例の無いもの、前例の無いことを、次々に仕掛けていって、その中で結果的に当たったものをピックアップしていき、伸ばしていくというプロセスが必要になってくるわけです。

理由3.相互作用を産み出すチャンスが圧倒的に増える

そして、先に上げた1つ目の提言「多様性を活かす」というポイントが、この方法では圧倒的にやりやすくなります。トライする数が少なく、「勝率8割を目指さなければ」という風になると、野球やサッカーなどのスポーツでもあるように、実績のある選手や熟練して顔見知りのメンバーの組み合わせにし、「相性が悪かった」といった不確定要因が試しにくくなります。

ですが、多くのトライをすることが前提となっており、様々なバリエーションや、これまでになかった要素を取り入れたいというマインドである場合、新しいメンバーの組み合わせをトライすることには、デメリットよりもメリットの方が多くなります。
トライする数が様々であるため、「この組み合わせだったら上手くいくよね」というような見通しをつけるための機会も増えますし、1人1人が多数のプロジェクトに関わることになるため、そのいずれかの場所で、「彼と組みたい」「彼女と仕事を進めてみたい」というようなことが、以前よりも増えるわけです。

○具体的にどうするべきか

個人の立場からいえば、どんどんやってみる、これに尽きるかと思います。
期間を短く設定し、アクションを何回繰り返すことができたかで進めたらいいと思います。規定されている会社のプロジェクトであれば、その中に実は小さなトライアルが3サイクル入っているという風にして、建前上の枠組みと、実質的な実行を入れ子にする、などです。あるいは、本業以外に会社外で取り組むプロジェクトなどを並行実施し、そこで短いサイクルで仕掛け続ける、などもありかと思います。

マネジメントの観点から言えば、プロジェクトの承認プロセスにおいて、必要以上の説明を求めず、「結果は分からないけれどやってみろ」という仕事を承認できるような工夫が必要です。
特に、長期計画の策定などで、古い世代が納得するような資料作成や計画立案に、若い活力の大半を浪費するようなことは回避するべく、最大限の知恵を絞って欲しいものです。

同時に、リーンスタートと呼ばれる方法のノウハウを学び、この3%のゲームに適応するのも、1つの手段です。詳細は別途、この記事の最後にリンクを置いてあるスライドにも紹介されていますが、ポイントを幾つか列挙すると、

・叱責ではなく学びの量を最大化するレビュー方法の獲得
・左脳だけでなく右脳を活用し、直観ベースで素早くプランを組み立てる方法
・ユーザーインタビュー・調査などを多用し、プロトタイピングを早める
・やりたいことについてのビジョンや本質だけを明確にする
・多様性を活かして、素早いアクションができるチーム体制をつくる

といった点となります。

提言3.家族・家庭・プライベートも集団知で取り組む

上記の1と2を実施していくと、活動はとてもエネルギッシュとなり、仕事に取り組めば取り組む程、さらに仕事がしたくなるし、人脈は広がるし、とかく家庭や家族、未婚者であれば恋人づくりなどが疎かになり、最終的にバランスが崩れ、全てのサイクルにブレーキがかかったり、崩壊しかけたりします。

これは、マッキンゼー出身の著名な人事コンサルタントである高橋俊介氏が「自分らしいキャリアのつくり方(PHP新書)」でも指摘している通り、「日本では、こうしたプライベートの問題について、集合知で取り組まず、個人任せできたため、仕事の仕方が激しく進化してきたのに比べ、プライベートへの対応方法は、昔からほとんど進歩していない」という、構造的な問題があります。

そこで、この提言での3つめのポイントは、プライベートに関する問題について、積極的に周囲に相談し、巻き込み、それが置き去りにならず、日頃知り合った素晴らしい人間関係を、プライベートへも活かしましょう、という点です。

これは、具体的には下記のステップ感です:

ステップ1.仕事やブレストでの巻き込みその他、日々自分が最も深く関わっている仕事上の友人に、自分の悩みをオープンに共有する

ステップ2.その問題について、徐々に同様の課題を抱えていたり、過去に同様の課題を抱えていた諸先輩(ともすれば20も30も年齢が離れている人)から、アドバイスや共感が得られるようになる

ステップ3.日々の仕事と同じように、プライベートについても3%ルールのようにアクションをしっかりと打ち続け、仕事での営みに比べてアクション量が少なくなりすぎていないかを、モニタリングする

実際には、こうした営みの中で、対応する課題や個人個人のステージ、人間関係により様々な問題があるかと思います。

私自身、このあたりは1と2のエンジンを2011年にものすごい勢いで回し続けたため、ついつい帰宅する時間や子育てへの参加、妻との会話が減ってしまい、大きな課題感が残る結果となりました。

ですが、こうした課題を友人たちと徐々に共有することで、課題を課題としてしっかり捉えたり、気持ちが楽になったり、改めて家族の大切さに気付かされたりと、学ぶ所が大きかったです。

1や2に比べて、具体的にどうすべきというところは、個人的にまだまだ見えていませんが、ぜひともこの部分を置き去りにせず、1と2のエンジンの回転と、いいハーモニーを奏でられるようにしたいところです。

提言4.ファクトベースで方向性を考える(仮想敵を造らない)

さて、以上のように1〜3を回すことで、精力的に様々な物事に取り組む状況が創りだされるとき、気を付けたいのが「仮想敵を造る」という行動パターンです。これは例えば、

「所得税が実質で来年から5%増税される」ということが報道されるときに、それとセットで「増税するなんて、与党は公約違反だ。これはそもそも、十分に正しい判断をせず、既得権益に与党が汲みしてしまっているか、発言力が小さいのが元凶だ」として、その不満のエネルギーを発散するために、特定の「悪者」を仕立てあげ、それで満足してしまう(その後、アクションを起こさない)

というようなものを指します。

この例でいけば、ご存知の通り日本では下記グラフにあるように、高齢化により、65歳以上の人1人あたりを支える労働者の数は、2010年で2.8人なのが、2055年までには1.3人に激減します。これだけ、全人口に占める働き手の割合が減っていくのであれば、マクロ的に見れば、税金が増えるというのは構造上、取り組まなければいけない大きな課題であることは明白です。

Hitoridata_2

ですが、それを捉えることなく「増税は、与党の怠慢であるから、その悪者に責任がある」という風に、短絡的に捉えてしまうと、その先の長期的なアクションや取り組み、考慮しなくてはいけない制約条件が、すっぽりと抜け落ちてしまいます。
そればかりか、「与党に対する不満をぶつける」といったようなことにばかりエネルギーを費やし、折角の活力が、生産的な行動に向けられなくなってしまうリスクすらあります。

そこで提言したいのが、まず世の中を取り巻く状況を、様々なデータを自分で集め、自分なりの観点で分析し、本当に取り組まなければならない課題はなんなのか?どのような構造的課題がそこに潜んでいるのか、などを捉えていくという姿勢です。

一方的な批判報道や、雑誌などでのゴシップ、風説などに振り回される時間があれば、ぜひともこうした営みに時間を割き、進むべき方向性を自分の頭で考えましょう、というのが、4つめの提言となります。

提言5.ドン引きレベルでテクノロジーを駆使する

そして、提言の5つ目としたいのが、この「テクノロジーの駆使」という項目です。

ここでのポイントは「テクノロジーを駆使したら時間とか距離とかを圧倒的に節約できるということは頭で分かっていても、実際にやるとなると、相当の労力がかかるし、衝突やら調整やらが必要になるから、思いの外やってない」という状況を打破して、ガンガンとテクノロジーを駆使していきましょうよ、という点です。

例えばなのですが、

「わざわざ物理的に集まらなくても、Skypeで音声会議をすれば事足りるし、移動の時間や場所の確保などが節約できる」
「簡単な動画ソフトで動画を作って送る方が、メールで長文を書くよりもニュアンスが伝わるし、手間もかからない」
「セミナーで思いついた内容は、手元のノートに書かずに、ポンポンとTwitterなどに上げていくと、アイデアの相互刺激になって、より有用になる」

といったことは、非常に単純で、効能もロジカルに説明可能です。
ですが、これらそれぞれを実際に仕事で実践している人の割合は、間違いなく5%にも満たないでしょう。

なぜか?

それは、大抵の新しいアクションを起こすときには、その関係者を説得したり、導入への説明をしたりと、様々なイニシャルの労力が発生し、同時に「やり方を変えるんですか?」というような、無言の空気感などといった障壁が存在するためです。

実際、これは導入をトライしてみると分かりますが、必ず色々面倒なことがつきまといます。

ですが、この提言で言いたいのは、「そんなことは当たり前。その導入コストを支払ってでも、重い腰を上げてでも、いいからガンガン、新しいテクノロジーを導入していけ!」というものです。

なぜか?

それは、こうしたテクノロジーを一旦入れてしまえば、飛躍的に「空間」「時間」「人間関係」の3つの制約条件を解消できるためです。

例を上げると例えば:

「空間」制約の解消例:ベトナムやブラジルといった国々に散らばった昔の同僚や仕事仲間とも、国内と同程度の割合で打ち合わせなどが実施可能で、ビジネスの幅を国際的に拡張できるようになる

「時間」制約の解消例:SNSやプロジェクト管理のASPツールなどを活用すれば、数十人に上るメンバーが五月雨式に仕事をしても、その全体像を、ログとして全てのメンバーが閲覧できるため、同時に働く必要がなくなる

「人間関係」制約の解消例:Facebookなどを使えば、仕事の特定のテーマに必要な専門家や、その時に取り組んでいるテーマにぴったりの相手を、「友だとの友達」といったラインなどで、簡単に知り合うことができる

といった状況になります。

このようなことは、多くのIT関連の記事や、一般に紹介されている様々な雑誌・ウェブなどで言われていることですが、先に挙げた障壁などを理由に、存外導入されていません。

なので、こうしたことを、わざわざ手間がかかってもチャレンジしましょう、「◯◯さんはテクノロジーに傾倒しすぎてる」と言われるくらいの度合いで、ガンガンと使って行きましょう、というのが5つ目の提言となります。

■おわりに

さて、いかがでしたでしょうか。ここに示した5つのポイントは、必ずしも全てを網羅しているとは思いません。

ですが、最もお伝えしたいのは、こうした営みを通して、この2012年が、後々

本当に熱気に満ちており、みんなが熱中し白熱し、楽しい時代だった

と羨ましがってもらえるような時代の幕開けになって欲しい、ということです。

あなたの2012年は、未来のあなたから見てどんな年にしたいですか?

それでは

【参考文献・ウェブサイトのご紹介】
それぞれの提言について、参考となる書籍・サイト等を下記の通りご紹介します:

「提言1.社外の人を巻き込み、多様性を極限まで活かせ」関連

「みんなの意見」は案外正しい(ジェームズ・スロウィッキー著):多様なメンバーを集めた議論が、どのように有用であるかを具体的に解説した良書です。「迎合した意見」と「多様性が発揮された意見」の違いなど、多様性を理解する上でのポイントが理解できます。
メディチ・インパクト (Harvard business school press) (フランス・ヨハンソン著):多様性により、どのようにして斬新なアイデアや、画期的なサービスなどが生み出されるのか、具体例を交えながら、そのポイントが解説されています。
YLOG記事「【詳しいやり方が分かる】ワールドカフェ実践マニュアル」 :ブレスト会を実施するときの、オススメの進行方向「ワールド・カフェ」について、具体的な進め方や、当日使うパワーポイントなどを紹介した記事です
YLOG記事「P.ドラッカーも勧める「振り返り会」とは?」 :多様性を、よりパーソナルで小さなグループにて経験し、活かすことができる「振り返り会」という方法について紹介した記事です

「提言2.『勝率8割のゲーム』から、『勝率3%のゲーム』へシフトする」関連

Little Bets (Peter Sims著):本文中でも紹介した、短いサイクルでどんどんアクションを起こし、そこから成功するモデルを創っていくという手法について、シリコンバレーの事例を中心として解説した良書です。和訳は、今のところありません。
SlideShare掲載「Crushing the Boulder」:「勝率3%のゲーム」の規範となる「リーンスタートアップ」という考え方について解説したコンテンツです

「提言3.「家族・家庭・プライベートも集団知で取り組む」関連

自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書) (高橋俊介 著):本文中でもご紹介した、高橋俊介氏の良書。キャリアの中で、仕事などに伴って発生するプライベートの課題への取り組み方の他、キャリアそのものについても、示唆に富む内容となっています。
2人が「最高のチーム」になる―― ワーキングカップルの人生戦略 (小室淑恵 著):働く二人について、どのように人生に取り組んでいけばいいかについて解説された本です。こうした知恵を、仲間同士で話し合いながら、実践していきたいところです。
非営利活動法人「Fathering Japan」:私の友人も活動をしている、いわゆる「イクメン(育児に頑張る働くパパ)」などの営みを推進している団体です。こうした場を通して、集合知を結集する方法も有効ではないでしょうか。

「提言4.ファクトベースで方向性を考える(仮想敵を造らない)」関連

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書) (谷岡 一郎 著):TVや新聞などで紹介されるデータ・グラフ・インタビュー結果などが、実施者の意志によって、いかに歪んだ結果にもなりうるかを指摘した一冊。この本を読むと、むやみにデータに振り回されなくなります。
意思決定のための「分析の技術」―最大の経営成果をあげる問題発見・解決の思考法 (戦略ブレーンBOOKS) (後 正武 著):著名な経営コンサルタントがまとめた、ファクト・データを分析するための基本的なアプローチが解説された名著です。
「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由 (出口治明 著):ライフネット生命社長の出口治明氏が、実際の仕事の中で、どのようにデータを取捨選択し、判断に使っていくのか、そのための習慣や手法、背景にある哲学を紹介しています。

「提言5.ドン引きレベルでテクノロジーを駆使する」関連

YLOG記事「アリストテレス化と「ソーシャル」」:新たなテクノロジなどを「とりあえず使ってみる」ことの重要性について、実例を交えながら紹介したエントリーです。

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