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『徳政令』と被災者間の公平性確保の難しい判断

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昨日配信されていた仮払い補償金などを受け取った被災者に対する生活保護の打ち切りのニュースは多くのサイトでランキング上位に食い込んでおり、注目の高さがうかがえました。

このニュースにおいては結局、受給者側としては

「保護を受けている立場で何とも言えない。お金がなくなれば面倒を見るという市の言葉を信じるしかない」

こうならざる得ない状態。

ちなみにこちらの記事では、こういう記載があり

生活保護は受給者に収入があれば減額や廃止の対象になる。厚労省は5月、補償金や義援金の受け取った総額が、生活用品などの生活再建費用などを上回った場合、その分を「収入」とみなす-などとする通知を各自治体に送った。

 南相馬市では、義援金や補償金が支給された世帯の対象者と面談。再建費用を差し引いた補償金・義援金の額が、6カ月分の生活保護費を上回るなどした約150世帯について、生活保護を打ち切った。

日本の制度がこういう場合においては、迅速・確実に機能していることにある意味驚きを覚えつつ、義援金・補償金を“収入”とみなすかどうかも実際の生活者の実情を踏まえると、非常に判断が難しくなると思われますが、これ以外にも事業者の借り入れ、個人の住宅ローンなどの二重債務問題も当事者、金融機関には大きな問題だと思われます。

5月の時点では全銀協の要望としてこんな報道がなされており、

昨日時点で「二重ローン」問題に対する政府案が出てきたようです。

これまで経験した事がないだけに、いろいろな判断が後から考えると失敗というケースもあるかもしれず、現場でこういう課題に立ち向かっている人たちの苦労は並大抵ではないと思います。

全銀協の要望を伝えるニュースでは

ただ、政府支援策を大幅に拡充すれば、国が事実上、債務を肩代わりすることになる。阪神大震災など過去の大災害時でもローンの買い取りなどの例はなく、「元本の減免まで踏み込めば(借金を棒引きにする)『徳政令』になってしまう」(財務省幹部)として、反対の声もある。

 被災者間の公平性をいかに確保するかも課題だ。自宅などを失った被災者の中には、自己資金だけで再建費用をまかなっていたケースもあり、ローンのある人だけを救済すれば、不公平感が生じるためだ。

こういう指摘がされています。公平性確保の難しさについてはこんなエントリを書かせていただきました。

自分の実家も10数年前に起きた地震の影響で家を建て替えをする被害を受けたことがあり、この報道での指摘はわかるのですけど、これをいい始めると今回の大震災の救済、支援活動って何もやれなくなってしまうのじゃないの?という疑問が素人ながらに感じてしまいます。

昨年人気だったハーバード白熱教室でも、政治哲学を学んでいくプロセスで難しい選択を迫られる設問がありましたけど、今回の震災対応においてはまさに現場でこの難しい選択が常に求められるいるだよな、、、と思いつつ。

脊髄反射じゃないけどスグに反応すべき事と、じっくり見極が必要な課題も沢山あるはずで、元テレビ朝日報道局報道制作部『朝まで生テレビ!』ブレーンの純丘氏このエントリを読みながら、やはり自分もあの日、あの時、誰が何を言ったか、司会者やコメンテーターを含め忘れないよ!と思うのでした。

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