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立花隆さん、本当に団塊の世代が完全にリタイアすると、日本全体が大変なことになるのでしょうか?

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小林さんも取り上げていらっしゃる立花隆さんへのインタビュー記事、わたしの個人的な思い込みで思案の足りないところや、思い違いがあるかもしれませんが書いてみたいと思います。

Business Media 誠のほうに、作家の立花隆さんへのインタビュー記事が掲載されていました。

戦前・戦中・団塊の3世代が確かに戦後復興期を支えてそれ自体はすばらしいことだと思いますし、そのチャレンジ精神も認めます。

ただ、今の若い世代が抱える環境を考えると、ここでの発言を読んでいてちょっとがっかりというかどうもしっくり来ない感じを持ちました。

高度成長期からの機械化、効率化、ITやその他の技術進歩から彼らが選択できたような年功序列、終身雇用の時代は終わっています。もしかすると彼ら自身の手で終わらせたとも言えるのかもしれませんが…

これはあくまで一例としてなのですが、現在非正規で働く人たちは正規雇用者と比べ、結婚や出産率が半分程度になっているという調査結果が発表されたようです。

雇用形態の多様化は私たちが20代の頃から急速に広がりを見せてきて、上記のような結果になるのでは?という指摘は当然あったと思うのですが、このような非正規雇用者が居てくれたからこそ、戦前・戦中・団塊の3世代へ高い年功序列に応じた給料を支払えたとも考えられないでしょうか?

個々人が優秀だからと言ってしまえばそれまでですが、定年退職後の高齢者がそれこそ若者たちよりも高額な収入を得ているケースや、生活資金の余裕ある層においては定年後の仕事(提供サービス)を市場価格よりも低い価格でビジネス展開することで市場を圧迫しているケースなど、少し乱暴な表現をしてしまうと戦前・戦中・団塊の3世代が気がつけばイイとこ取りしてる感を感じている人ってわたしのほかにも居るような気がします。

記事中にこんな記載があるのですが、

支える団塊の世代
 私は最近、立教大学のセカンドステージコースで、中高年の方に教えることもしていますが、彼らのほうがはるかにチャレンジ精神がありますよ。とくに団塊の世代は頑張っています。彼らは子供のころから競争、競争でもまれ続けてきたから老いてもチャレンジ精神を失わない。

――団塊の世代は元気だと

 立花 彼らのエネルギーが日本をここまで牽引(けんいん)してきましたが、私はこれからの日本は、しばらくは彼らのエネルギーを頼りにせざるを得ないとみています。

 出版界はいま大不況ですが、これまでの出版界を支えてきたのは中高年でした。ところが今の若い人は本を読まない。教育レベルが下がり、本は読まない。しかもチャレンジ精神もなくなれば、日本はどんどん衰退します。

 団塊の世代が完全にリタイアすればさらに拍車がかかり、日本全体が大変なことになると思います。

――世代間の引き継ぎができていない

 立花 内閣府特命の少子化担当大臣なども何もしていないに等しい。科学技術や文化の問題だけでなく、福祉や年金などこれからあらゆる問題を少子高齢化の人口減問題が直撃します。

ちょっと意地悪な書き方をすると、日本が大変になってそれを引き受けるのは50代以下の現役世代なんだから、それこそ早く完全リタイアして実権をこっちに渡してくれって思っている層も少なからず居ると思うのはわたしだけでしょうか…

P.S.

いつも夜中に書いて定時更新で記事アップしているのですが、小林さんの記事から中篇がアップされていることを知ってざっと眺めていたら、今度は人材枯渇という観点で同年代である小泉前首相を含む、2世、3世議員や世襲についての問題提起もされているので、慌てて追記しました

昔の自民党はいつでも次の総理候補が2、3人はいた。いまは首をすげかえようにも次の候補がいない。あの(小泉元総理の)構造改革だって、一時的に経済回復しただけで、失ったものも多かった。

最近の歴代総理や大臣など政治家の多くは2世、3世ばかり。ゼロから努力してせり上がってきた人たちではない。地盤、看板、カバンの三拍子そろった世間知らずで、苦労知らずの2世、3世に100年に1度の危機に直面する日本を救うことができますか。

多分前編のほうからのチャレンジ精神の欠如からこの話に展開していると思うのですが、立花隆氏は1940(昭和15)年生まれで、小泉 純一郎氏もご存知のように世襲議員で1942年〈昭和17年〉生まれなで立花氏とそれほど年は変わらない人です。

この記事読んで、人のせいにするな…とお叱りを受けるかもしれませんが、やはり現在状況を作ったという意味で、立花氏が自分よりも若い世代への批判や問題提起も影響力はあると思います。

ただ、そういう批判は明治から大正時代においてもある指摘であり、この辺については、新渡戸稲造の「自警」などは、ほほ~~っと思いながら読んだのですが、

立花氏のような重鎮には自分達の世代が何をやってきて今の日本の状況があるのかの総括などをしていただけると、読む側としては大変参考になる記事になるのでは?と思った次第です。

最後に小林さんが書かれている、同じ立花氏のインタビュー記事について書かれたエントリへのリンクを張っておきます。

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