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Web1.0とWeb2.0の間を行ったり来たりしながら半歩先のWebを考えます。

Web2.0時代のビジネス

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del.icio.usというソーシャルブックマークサービスがある。ソーシャルブックマークサービスと言うのは、日本で言うところのはてなブックマークの様なサービスだ。

そして、このdel.icio.usは世界中のギーク達が利用し、多くの類似サービスが生まれた原因になった。このサービスの強みは、機能性以上にそこに集まったユーザの特性と、APIというセミオープンな戦略スタイルにある。

前述のとおり、このサービスを利用しているのは世界中のギーク達だ。いわゆる市民プログラマーの中でも飛びぬけて技術力や表現力が高い人々だ。そして、彼らはdel.icio.usが提供する既定のサービスだけでは飽き足らず、APIを利用して次々とdel.icio.usを補完・拡充するサービスを開発した。

リンク: Quick Online Tips: Absolutely Del.icio.us - Complete Tool Collection.

このリンクの先には、del.icio.usAPIを利用して作られた数々の市民プログラマーによるサービスがリスティングされているが、一度ご覧頂くとその数に驚く事だろう。

さて、重要なのは、del.icio.usがまさにWeb2.0的なアプローチでここまでの広がりを得ていると言うことだ。

実はこのサービスを運営されている方、今ではこのサービスに絞って生活を送っているようなのだが、立ち上げてからしばらくの間、金融系のお仕事をする傍ら、趣味的にサービスを運営されていた、市民プログラマー(と、あえてCitizen的な言葉を使ってみる)だ。

今も多くの企業が内製する事の美学的な発想で自社のWebビジネスを多大なコストをかけて練りに練って、わけがわからなくなってしまったプランを元に作っているだろう。

こうした現状に対し、del.icio.usはあるひとつの解を提供している。それは、「オープンな戦略が労力以上の効果をもたらす」と言うことだ。

Web2.0の世界では、インターネットがインフラ的に振る舞い、サービス同士が簡単に相互接続し、新しい付加価値、新しい発見を作り出す。

まさにdel.icio.usはこうした戦略をたった一人のプログラマーで実現したのだ。

こうしたスタンスや戦略が今後確実に必要になると痛感すると共に、自分自身の仕事を見てみると、まだまだWeb1.5時代なのだと痛感したりするのであった。

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