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"入れ歯 クラウド"が登場したDreamforce@サンフランシスコ(写真あり)

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Dreamforceのイベントの副題に "the cloud computing event of the year" とついているほど毎年"クラウド"を意識しているのが Salesforce.com のイベントです。

先月の Oracle OpenWorld の次にやってきた大規模イベントは、この Dreamforce Microsoft Professional Developer Conference (=PDC'09)です。ちなみに、Dreamforceの基調講演が少し前に終了したので、簡単にレポートを。。。
(PDC'09もすでに非常に多くの詳細記事/レポートが掲載され注目です)
http://www.atmarkit.co.jp/news/200911/18/azure.html

まずは、来場者は19,000名(スライド上は 18,000名ですが)と発表され、年を重ねるごとに増え続けています。勢いを感じます、正直。「ソフトウエアは不要」を意味するマークをあちらこちらで見ることができる会場で始まった基調講演は、「時代はクラウドコンピューティングへ移行している」、「アプリケーションはもっとソーシャルアプリケーションとなりエンタープライズコミュニケーションが重要」というのが簡単なまとめの言葉でしょうか。
前半は日本で先日開催されたCloudforce Japanのシナリオに近く、クラウドコンピューティングをリードするベンダとしてAmazon.com, facebook, twitter, Microsoft Windows Azure, Google App Engine, Force.com などをあげています。ほかのクラウドコンピューティングベンダをしっかりと位置づけしている点が評価できます。確かにこれらベンダが時代をリードしているのは間違いないです。冒頭登場したのはサンフランシスコ市長の Gavin Newsom氏、インターンシップで連携している教育機関のJay Banfield氏などで、おなじみSalesforce.comの1%活動を紹介しました。

そして、まずは "Service Cloud 2" の話題で Kraig Swensrud 氏が登壇し、デモンストレーションを交えて紹介。電話(IP電話)と連携し、社内外の様々なナレッジを取り込んだ CRMの様子がわかりやすいです。さりげなくその場でアプリケーションをカスタマイズしている様子も見せています。ナレッジには facebookの情報やTwitterの情報まで含まれています。

つづいて、"Sales Cloud 2"の話題へと移ります。"The World's Leading Sales Appliactions"ということで、すでにCRMアプリケーションとして確固たる地位を築いていることを紹介した後、新しいバージョンがもっている様々な機能を、George Hu氏がスムーズなデモンストレーションとともに伝えます。新バージョンには150もの機能強化が行われているようです。SaaSモデルですから、バージョンアップなどのコストやそれに伴うリスクは、他のCRMアプリケーションと比較して極小化されるでしょう。新バージョンは Social Applicationsへと大きく変化をしています(そういえば、私自身、日本オラクル時代にも同じ言葉を使ってこのサンフランシスコの同じ会場でデモンストレーションした経験あります)。GoogleやYouTube、Facebook、Twitterに見られるようなコミュニケーションスタイルを新しいバージョンには取り込んでいます。Content Library などを使用したデモンストレーションがつづきます。
(しゃべりながら、さりげなくiPhoneをライブデモしたりと、非常に幅広くスムーズで、かつテクノロジーが最新です、これはデモンストレーションの重要な部分です)
"Sales Cloud 2"の事例として、NBC Universal の John Sabino氏が登壇をし「Salesforce.com で 325%のセールスパイプラインが増えた」とコメントをしています。(なるほど、これは本当なのでしょうね…)

そして、本日の一番の発表が「入れ歯」です。その名前は、"chatter"
facebookやTwitterと呼ばれるリアルタイムコミュニケーションを中心とする波が押し寄せ、facebookではContentsとPoepleとApplicationsを非常に良く連携されていると評価します。しかしながら、これをエンタープライズ用途、つまり企業でしっかりと使えるようにすることが大切です。そのために今回発表されたのが、"Salesforce chatter"です。早い話しが、facebook や Twitterのような機能をSaelsforce.comに最初っから組み込む、という話しです。機能をイメージするアイコンが"入れ歯"なのがちょっと日本人には向かないかなぁ、と思うところですがコンセプトは"Collaboration Cloud"となっています。ちょっとだけのデモンストレーションをゆっくりと、Paker Harris氏が見せます。競合は Sharepointなのでしょう…(画面上ではそういう話題ばかり…)。最後に TwitterのJason Goldmanが登場し、企業におけるSalesforce.comとTwitterの重要性を説明しました。※chatter の提供は 2010年。

Salesforceは完全にクラウドコンピューティングに向かっていますね。
また新しいこれからのプレイヤーである「Amazon.com, Salesforce, Google App Engine, Microsoft Windows Azure, facebook, twitter」を高く評価しています。
日米の見せ方の違いとしては、日本はforce.comを中心としたPaaSのウェイトが大きいものの、本国ではService Cloud2, Sales Cloud2, Custom Cloud2, そして今回発表した chatterなど「よりCRMアプリケーションを使いやすくする」、「コミュニケーションやコラボレーションを中心としたビジネスアプリケーションへ」という方向性が見えています。そして、その流れを確信できるのがクラウドコンピューティングと、facebookやtwitterを代表としたプレイヤーでしょう。その流れを肌で感じ、取り込むことができるかどうかが重要なようです。

※余談ですが、スケジューラの新機能が"Cloud Scheduler"になってたりするのはやや勢いがありすぎかと(笑)、それと、Salesforce chatter もあって、facebookやtwitterもあって、そんでもって、Google waveもあって、mixiもあって…ってなっちゃう気がします。

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これが「入れ歯」、はい、salesforce chatterです。


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ずいぶんと待たされたレジストレーション、その後の基調講演会場はおおよそ 7,000名規模でしょうか。


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