オラクルがクラウドコンピューティングを語る日@Oracle Database Summit(写真あり)
日本オラクルがクラウドコンピューティングというキーワードを使ってセミナをするのはきわめて珍しい。というか最近はそうでもなくなってきている。。。(ITmedia のページにもクラウドコンピューティングとオラクルによる記事が豊富になってきた)
そんな中、今日 8月25日(火)に Oracle Database Summit が行われた。とても大規模なイベントとまではいかないものの、クラウドコンピューティングであっても日本オラクルの勢いを感じさせるイベントとなった。そんな中で注目すべきは、
●基調講演(今回はパネルディスカッションと基調講演ひとつ)をライブにビデオ配信している
●「クラウドコンピューティング」という名前を使った日本オラクルのはじめてのセミナ
●Amazon EC2 によるパブリッククラウドの存在を評価している
●エンドユーザが登壇している
点などがあげられる。(もちろん、他の多くのセッションも含め注目点は多数あるが...)
まずは、基調講演などのライブ映像配信。日本オラクル社内の何名かの有志による展開ではあるが、しっかりと基調講演の内容を手にすることができる。使っているサービスは USTREAM。手軽に多数に映像をストリーミング配信できる仕組みである。さらには同時に、Twitterによって講演の内容も届けられている。期待としては同時にアーカイブおよび関連コンテンツを事前に設定しておくなどの工夫が必要とは思うが、これで会場に行く必要がなくなる物事実である。(だとすると、人が集まるイベントとは何か、ということにもなってしまう...)。実際に、USTREAM のTotal View は 134。それほどまだ浸透していない仕組みにしては検討していると思う。ただし、このストリーミング配信に誘導すべきか、あるいは会場に誘導すべきか、これはマーケティング手法の中でも分かれるところなのかもしれない。実際に、ストリーミング配信による参加者はアンケートの対象外でもあり、日本オラクル側からはアプローチできない対象となる。
続いて、「クラウドコンピューティング」を語る、という点。というよりも、実際はコスト削減や最適化を企業がどのように進めるか、という話に終始している。しかし、これは重要である。なぜかというと、「クラウドコンピューティング」にユーザが魅力を感じるのは、コスト削減など情報システムの最適化のひとつの選択肢だからである。ここを基調講演ではうまくまとめている。つまり、オラクルは、パブリッククラウドでもプライベートクラウドでもどちらでも良いという内容である。クラウドコンピューティングでは新しい技術も登場してきているが、企業の中であろうと外であろうと同じものが手に入るか?、同じスキルでアプリケーションがデザインできるか?、同じ運用管理手法が通用するか?、企業内と同じようにセキュリティレベルを担保できるか?、という点である。その点を基調講演の中では例として、Amazon EC2上のOracleデータベースの運用管理画面を見せながら「企業内のプライベートクラウドでも、一般的に有名なパブリックプラウドでも同じである」と説いている。できれば、プライベートクラウド環境下での管理手法なども同じであることを同時に見せてほしかったが、オラクルの主張はよく理解できる内容であった。Amazon EC2によるOracleの活用もオラクルにとって、ビジネスモデルは従来と変わらないため、その存在を評価できる。実際にはTwitterをはじめ、Amazon EC2 は開発用途や検証用途を超え、すでに世界中で大規模なサイトで本番運用に使われている。米国にはいくつか、Oracleで運用している実績も存在している。
そして、最後、エンドユーザが登壇している点も見逃せなかった。
下記の写真はそのライブストリーミング配信の様子。そして、プライベートクラウドでもパブリッククラウドでもオラクルテクノロジーは共通であるという主張を代表するスライドである。