事業グローバル化における戦略と人はどうあるべきか? そのヒントとなるべき考察と事例集

未来志向: 未来は与えられるのではなく、作り出すもの

»

戦略プランナーにとって、事業計画策定する都合上、業界の未来を所与のものであり、静的なものとして計画を立てる傾向があります。もちろん業界や市場の未来とは、与えられるものではありません。Dr. Peter Drucker氏は、未来を予測する最良の方法は、(自身で目指すべき)未来を作り出すことである("The best way to predict the future is to create it")と喝破しました。これは未来に対する受身の姿勢を、前向きに、かつ主体的に捉えた名言であります。

氏が述べたように、未来とは決まったものではなく、ダイナミックに動いているものです。目標や戦略計画に影響する様々な要因が存在するとはいえ、未来とはいまだ個人や企業の手の内にあるでしょう。未来は自身の手で変えることができると同時に、他のプレイヤーの手にでも変わる、相互依存的なものです。

未来を創りだした事例でいえば、AppleのiPhoneがあがります。iPhoneは、サードパーティーが自身のソフトウェアを開発し、販売できる新しいソフトウェア市場を創出しました。おそらく元々のiPhoneのシナリオとは、ソフトウェアデベロッパーを待つ姿勢ではありません。積極的にデベロッパーが参加できるプラットフォームを用意することで、自身のあるべき市場を創りだしたことです。ゲーム開発者には、App Store経由で"Software Development Kit"を配布し、全世界の開発者がこぞって参加し、開発したApplicationを販売しています。今では任天堂などとのゲームメーカーとも競合しつつあります。まさしく未来を自身で創出した事例です。

かならずしも市場リーダーがあるべき未来像を創出できるわけではありません。例えば1970年代、米国コカコーラ社が、既存のコークをNew Coke(ニューコーク)に刷新したことで、消費者から大クレームを受けました。これはPepsi Challenge(ペプシの挑戦)として、ペプシコーラーの味の旨みを前面に押し出したプロモーションへの対抗施策となります。その後、コカコーラ社は、New Coke と Classic Cokeの二本立ての製品ラインにし、既存のロイヤル顧客に配慮しました。

企業サイズからポジション、競合環境などの影響要因に関わらず、未来を自分自身の視点から捉えることが必要となります。最初に問うべきは、将来の業界がどうなるのかではなく、いかにして自社の目指すべき未来を創りだすか、そのための自社にとってのあるべき未来は何か、です。未来像とは、与えられるものではなく、ダイナミックであり、いつでも自身の手で創る余地があります。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する