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読めばベタに分かる、タイトルどおりのブログ

自家用車を持たなくて済む地域と済まない地域。

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しばらくエントリーを休載する、と言っておきながら、いきなりパートタイムで復活です。すみません、こんな気まぐれがしばらく続く、と思いますが。

テクネコ加藤さんのエントリーで「自家用車をやめてみました」とのこと。

諸般の事情もあり(それは秘密)、コメントしてみよう、とつらつら書き始めると、長くなってきたので、エントリー、という形をとらせてもらいました。

加藤さんが書かれてましたが、

>いろいろ考えて手放したとは言え、9年も乗っていると多少の愛着はありました。
>最後にお店を出る時の気分は、すっきり一区切りしたような、別れるのが寂しいような、ちょっと複雑な気分でした。

とのこと。

確かに。車を手放す際にはどうしても寂しい気がありますね。
自分の場合、何度か乗り換えをしましたが、営業の方に持って帰られるにしても自分が乗って帰るにしてもどこか後ろ髪引かれるような感じでした。

自分の少しほろ苦い経験はさておき。

加藤さんが書かれていたとおり、今の時代、頻繁な利用家族の事情「これを持っておきたい」という所有欲さえ無ければ、自家用車を持たなくても良い場所ができてきたように思います。東京近郊ではまず間違いなくそうではないでしょうか。

例えば東京近郊の多くのニッポンレンタカーの営業所が24時間営業(東京85軒、神奈川24軒、千葉10軒、埼玉22軒等)になっており、またその多くの営業所が駅前に設置されているため、どうしても必要になった時間に借りる、ということが可能になってきています。

(ニッポンレンタカーの24時間営業の営業所検索ページ:http://vip.mapion.co.jp/custom/nrent/index.html

展開規模はニッポンレンタカーの比ではありませんが、日産レンタカーも同様のサービスを行っています。

また多くのレンタカー会社が自分達のサービス競争を行う中、その利用拡大を目指して旅行サイトと提携し、長時間利用プランを安価に行うようなものも出てきているので、自分の利用計画と共に必要なタイプの車両を手配する、ということも自由に行えるようになってきました。

(旅行サイトタビータレンタカーページ:http://www2.tocoo.jp/?file=rentcar/main

(旅行サイトJ-yadoレンタカーページ:http://www.j-yado.com/rentacar/

タクシーに関しては東京地区では値上げされましたがその代わり、東京地区ではどんな時間でも幹線道路にさえ出ていれば必ず一台は空車に出会える、と自分は過去の経験上知っています。

レンタカーがこれ程までに便利に供給できるようになってきたのは、幸か不幸か自動車販売の実績上の問題もあるのだ、と思います。個人的な消費が冷え込む中、一方で大口で購入いただけるレンタカー会社の方に買って頂くことで販売台数を確保する、そのためにはそれなりの競争力のある価格で販売する、イコールレンタカー事業のサービス向上に転嫁できる・・・とまた「レンタカーって便利だな」という人が増えてくるので、実は自動車販売業界としては堂々巡りなのかもしれませんが・・・。

タクシーに関しては、多くの人があちらこちらで言われているように、良くも悪くも数年前の規制緩和の影響があるのだ、と思います。

といった「車が無くても生活に困らない」地域もあれば、かつて自分が営業を行っていた岡山のとある地域のように、そもそも電車が走ってない、走っていても少ない本数、早い終電、開けた街は10キロも20キロも離れている、通勤場所が工業団地でそこにはバスも通っていない、といった社会環境では逆に自家用車でしか頼り様の無い所があります。約十年前の話ですが、大阪に友人の結婚式で出て、調子に乗って普通列車で帰っていたら、接続できる電車が待っているあと一駅、というところで終電が終わってしまい、真夜中に一駅分(でもこれが県境のため、相当な距離)歩いていてもタクシーがつかまらず、当然、一駅分歩いた時には接続駅(三石駅、と言うんですが・・・)からの終電が終わっており、本来はお休みしていたのかもしれませんが、駅前にあった小さなタクシーの営業所の電気が点いていたのでお休みのところ起こして送ってもらったことがありました(料金は当時1万ウン千円だったなぁ・・・。その節はありがとうございました)。

テクネコ加藤さんのエントリーにコメントされていたBJホンダさんが書かれていたように、新しい世代に向けた道路設計をする中で、何のために高速道路を作るのか(作ればその地域全体が豊かになるものでもないでしょう)、ITSインフラが本当に実現しなくてはいけないのはどういうことなのか、自家用車が社会悪ではなく公共交通機関ではなし得ない代替品として存在し続けざるを得ない地域での交通事情は果たしてどうあるべきか、ということが、昨今の道路特定財源をどうするか議論の中で何にも出てきてないような気がしていて、個人的には残念に思っています。

ある意味、自動車販売のあり方も、地域特性、というものに応じて変わるべきものなのだと思っています。あくまで個人的な私見ですが。

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