人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

学校の「勉強」が出来すぎてしまった人の悲劇

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いつもクラスで一番、学年で一番、受検もストレートで合格。超難関大学を難なく卒業。

周囲からも「頭いいね」「お勉強できるね」と言われて、とても学校の「勉強」ができたタイプの中に、社会に出てから苦労する人がいる。

学校と違って、仕事には唯一の答えはないし、答えを自分で見つけなければならないし、答えを見つけるために周囲に教えてもらったり、皆で試行錯誤したりして行かなければならないし。

偏差値的に測れないこと、答えはAです!と言い切れないことばかりがある仕事の中で、「難なく難関大学を卒業してきた」という人がぶち当たる壁があると聞く。

たとえば、先輩に教えてもらうことができない、教えてくれる上司や先輩の前で素直になれない。とか。

たとえば、何かの成果を出せなかった時、自分の能力ではなく、「この仕事の"タチ"が悪い」「筋の悪い仕事にあたってしまった」「これ、クライアントのせい」と、自分以外の何かのせいにしてしまう。とか。

たとえば、「この会社の仕事、私には合わないです」と言って、辞めてしまう。とか。


こういう話を聴くと、「ああ、Fixed Mindsetだなぁ」と思ってしまう。

人間には、能力観というものがあるという。どちらかの能力観を持っているそうだ。

これは、スタンフォード大学のキャロル・ドゥエックさんという心理学者が提唱している考え方である。


●Fixed Mindset(固定的能力観):能力は固定で、変わらないと考えている能力観。

●Growth Mindset(拡張的能力観):能力は可変で、努力次第でいくらでも伸びると考える能力観。

最初からお勉強ができてしまった人は、努力したという記憶が希薄かもしれない。そうすると、学校を出るところまでは、それでも好成績でよいのだろうけれど、社会に出て苦労するんだと思う。

成績がイマイチであっても、いつも頑張ってなんとか及第点を取ってきたような人は、「頑張れば何とかなる」と思っていたりすると思っていて、なおかつ、努力もそれなりにするので、かえって、どんな仕事でも意外に乗り越えてしまったりするのだろう。

ドゥエックさんの本には、褒め方にも工夫が必要だといったことが述べられている。

親が子供の成績を褒める場合を例に挙げてみる。

「100点とって凄いね」「今回も100点だったね」と結果を中心に褒めると、
「私は100点を取れるような能力があるんだ」といった意識を持ってしまう。

プロセスに目を向けるとどうなるだろう?

「大好きなゲームを休んで、テレビも見ないで、一生懸命本を読んだり、勉強したりして、その結果が100点につながったんだね」

こんな風に100点という結果に至るプロセスにフォーカスした褒め方をすると、子どもは、
「自分の努力が100点という結果になったのだ」と思い、「努力する過程」の意味や意義を感じるらしい。

・・・来週から新入社員がやってくる。

指導する側は、新入社員たちをできるだけGrowth Mindsetに育てたいはずだ。

そのためには、指導者側も「結果」だけでなく「プロセス」に目を向けたフィードバックをすることが肝要。

それと、以前、「人材教育」のインタビュー記事で読んだのだけれど、
組織とかチームにも「どちらかの能力観が広がっている」のだそう。

もし、厄介な問題に見舞われた時、

●チームワークで乗り越えよう!とみんなが考えたら、その組織は、Growth Mindsetが広まっていると考えられ、

●この問題を解決してくれるヒーローが現れないかなー、と誰かに解決しもらいたいと考えていたら、その組織は、
Fixed Mindsetが蔓延している可能性があるんだそう。

あなたの組織はどちらですか?

あなた自身はどちらの能力観を持っていますか?


さあ、プレミアムフライデーです。早く帰って、ビールでも飲みましょう。

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「やればできる」の本もよいですが、キャロル・ドゥエックさんの教えを受けたことがあるという上田信行さんの「プレイフルシンキング」は感動する本です。

この本で、「Can I do it?」ではなく、「How can I do it?」で考える!ことの大切さを学びました。

  

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