人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

時短勤務だというだけで「学習機会」を損失している

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ここ数年、育休から復帰してしばらく時短勤務で働く方(大半が女性)が増えている。

時短制度が充実してきた、とか、それが当たり前になってきた、とか、何はともあれ、とにかく、子育てしながら働くための様々な仕組みとか制度とか雰囲気(空気)などが整ってきた証であろう。それ自体は大変よいことだ。

企業の研修は、9:00-17:00とか9:30-17:30とか、そんな時間帯に開催される。もちろん、2-3時間くらいの短時間セミナーもあるが、たとえば「新任管理職研修」といった役割に特化したものだったり、「ロジカルシンキング」といったスキルアップに関するものだったりすると、1日単位で行うことのほうが今でも多い。

こういう研修に、時短勤務の方も参加されるわけだが、人事部などの事務局から「一人だけ時短勤務者がいるので、1時間遅く参加し、1時間早めに退室しますが、構いませんか?」とか「そういう人にとっても影響が出ない進行をしてください」と言われたりすることもまた増えた。

そんなリクエストに際しては、できるだけグループの人数を調整したり(一人抜けてもワークなどが成立するようにする、など)、演習の途中で退室時間がこないように時間配分を考えたり、いろいろな工夫をする。

とはいえ、とはいえ。時短ということによって、最初も最後もわからないわけで、なんとなく消化不良になる感は否めない、と思う。

でも、こうやって研修に参加できているだけまだよいのかもしれない。もしかすると、時短勤務だというだけで、研修に参加できない人もいるかもしれない。企業側がNGを出しているわけではなく、自身がエントリーしない、といったような・・。

そんなわけで、時短勤務というだけで「学習機会」を損失している可能性があるよね、と懸念したある企業では、最近、研修を「10時₋16時」で開催することとなった。

昨年、「女性も多い職場ですし、時短勤務の方も気兼ねなく、十分学習できるようにするには、最初から研修時間を短くしてしまうのがいいいんじゃないかと思うのですが、どうでしょう?」と相談を受けた。

「それはいい考えです!」

「同じ内容でできますか?」

「はい、研修の外に少し事前課題を出してもよいですか?集まってすべきことに集中すれば、研修の時間を縮めてもほぼ同じような学習はできますよ」

・・・というわけで、9時半₋18時の研修を10時₋16時に変更してみたのだった。2.5h縮めるので、結構な削減なのだが、やろうと思えばできる。

後日、先方がとったアンケートのコメントを見せていただいた。「時短勤務者」だけではなく、そのほかの方にも評判がよかった。

「研修後に残務を片づけても早く帰れるので嬉しい」といったような内容だった。

研修というと、勤務時間いっぱいいっぱいに設定する企業も多いのだけれど、こういう考え方もあるんじゃないかと思う。

10時開始、16時終了。もし、勤務時間が9時₋17:30であれば、前後で2.5時間の余白が生まれる。ここで、メール読むとか、ちょっとした打ち合わせをするといった対応も可能である。

たとえば、18時まで研修をして、そこから、残務処理していると、退社時刻が20時を過ぎるというケースもたくさんあったようだ。

時短勤務者の方にも学習機会を!という発想からスタートしたこの「短時間研修」の試み。

他社でも取り入れてみたらいいのにな、と思っている。

いや、これからあちこちで提案してみよう。

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いろんな本があります。

  

Comment(1)

コメント

たま

その通りだと思います。加えて、早めに事前課題と事前課題の所用時間の目安も示しておけば、病気治療中で時短の人も自分の負担を調整しながら準備できます。

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