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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「ドタキャンより困ることは無断キャンセル」というのは飲食店に限らない。

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トレタのブログで「飲食店が『ドタキャン』されるより困ることは?」というエントリーがあり、ふむふむ、と読みました。

ドタキャンより一層困るのは「無断キャンセル」。つまり、「連絡なしのキャンセル」ということです。

まず驚いたのは、飲食店に予約していて連絡なしで、行かない人がいるってことですが、まあ突然交通事故に遭ったとか、自分がインフルエンザでどうにもならないで、意識もうろうで予約していたことも忘れたということもあるでしょうから、十把一絡げに言えないけれど、とはいえ、無断というのは、飲食店も困るよねぇー、だって、その席をリリースしていいのか、それとも待っていたいいのか、その判断をどこでするか、分からないわけで。

・・・で、ですね、これ読んで、思ったんですが、セミナーなんかもそうなんですよね。

ドタキャンが多いのはやはり「無料セミナー」です。

販促目的や何かの記念で「無料セミナー」を開催することがあります。「無料」というと、ハードルが低いので、とりあえず「申し込んでおく」ということはままあると思います。
そして、当日、「あ、やっぱりだめだ」と行けなくなる、申し込んでいたことすら忘れてしまうなど。

開催側も歩留まり8割かなー、今日は雨だから6割かもー、などと予想はしますが、飲食店と同じでドタキャンより困るのが、「連絡なしキャンセル」です。
いらっしゃるのかいらっしゃらないのか、ずっと分からないから席を用意しておく。

何が困るって、最近のセミナーは、双方向に進める、参加型で設計することが多いので、チーム編成なんかもあらかじめ予定しておくわけですね。

たとえば、今日は、4人1組で対話の時間を設ける。エントリー数が24だから6グループ作ろう。
席は、できるだけ、自由に、同じ会社から来られた方には、別のチームに入っていただくようにしよう・・・と。

開場して続々やって来られ、席は埋まるのですが、キャンセル連絡もまた続々入ってきます。

1チームつぶして、5チームに、などぎりぎりで調整します。

そして、最後まで連絡はない、けれど、遅れて来られるかも、と思い、席をそのままにします。

この時、4人1組だったり、2人しかいない島があったり、3人だったりまちまちになります。

2人チームが2つできていれば、マージしちゃいますが、3人だと、まだ来られるかもしれないし、とそのままにします。

・・でそんなわけで、スタートし、自己紹介なども互いにしていただき、座も温まってきて、でもやはり来られないらしい、と見込んで、
どうするか。

4人の対話に意味があると思い設計していると、2人チームがあったら、互いの学びが少なくなるので、1人ずつわけて、4人チームに入っていただき、
5人チームを新たに作ったりします。

ちゃんと来場されている方、そして、すでに自己紹介などもして人間関係が出来た後でばらして、席の移動をお願いすることにもなります。
折角学ぼうとウォームアップしたのに、ここでまた新たなチームで人間関係の作り直しになります。

・・・「無料セミナー」と言えども、学びの場所なので、連絡なしのキャンセルは、主催側への影響という問題だけではなく(これは、主催者が見込んでおけばよいのでまあ構わない話ですが)、参加者の学習効果に影響してしまうのですよね。

折角ちゃんと来られた方が、連絡なし欠席者のために、なんどか席を移動することになったりせざるを得ない。

だから、来るか来ないかは、連絡していただきたいなぁと思うのです。

「無料セミナー」は、つい「とりあえず申し込む」ということをしちゃいますが、無料だから連絡なく会場に行かなくていいというものでもなく、どんなものので、事務局にメール一本、電話一本、したいものです。

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無料セミナー以外では、一社向けの研修でもたまにあります。人事の方が「電話かけたり」「上司に確認したり」で奔走している場面をよく見かけます。
そして、結局、「どうも来ないようだ」と分かると、人事の方が前日までに考えておいたチーム編成をまたその場で練り直したりします。
当然、すでに「Ready」状態になる学習者も、「どうなるのかな?」と不安げだったりもします。
結果的にチーム編成をまた変更したり。教室レイアウト自体を見直したり。

学習という場でもレストランと同じことが起こります。
レストランの場合は、お店が困る、ということが中心かと思いますが(その他、入店できなかったお客さんがいたかもしれませんが)
研修とかセミナーは、すでに受講態勢にいらっしゃる参加者に一番大きなインパクトを与えます。

せめて連絡はしてくださいね♪ (企業の人事の方もほんと、大変なんです)



※私のブログは、あくまでも個人の考えを表明しているもので、勤務先の公式見解もしくはコメントではありません。

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