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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

やる気のない人は、最初からやる気がなかったわけでもなく、二度とやる気が湧かないわけでもない。

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「やる気ない人」というのがいるとして、そういう人が周囲から言われることは、

●言われたことしかしない
●言われたことの内最低限しかしない
●言われたことすらしない
●言われたら反抗する

・・・などで、要はなにごとにつけ「する」よりは「しない」方向に頑張ってしまうのが「やる気ない人」の特徴だったりする。

長らく「やる気ない人」に見えている人が最初からそうだったかというとそうでもなく、今からもう変わらないのかと言えばそれもまたそんなことない、ということを忘れちゃいけないと思う。

最初はやる気あったのに、やる気がなくなってくる場合、考えられることの一つが、

「どうせ言っても無駄」
「どうせやっても無駄」
「どうせ考えても無駄」

という無気力感。

色々提案してみた。
やりたいことを言ってみた。
様々な企画を提示してみた。

その都度、上司に全否定された。
上司は、ブラックホールのように受け止めたまま、上にも上げず、なんら反応もしない。
・・・いろんな「無気力」の体験が積み重なり、どうせ変わらないなら、余計なエネルギーを使うのはやめよう、

と省エネモードになっていく。

あるある!

これを「学習性無力感」という。無力感を学習しちゃうのですな。


で、そういう風に「やる気なくなった」人はもう永遠にやる気ないかというとそうでもなく、

ボスが代わって、「なんでも聞くから言って」といい、それは眉唾だぞ、と最初は半信半疑でも、そのボスが本気で動き、本気で矢面に立ち、本気で何かを変えようとしていることがわかれば、部下だってだんだんと「これは、できるかも」「言ったらやらせてくれるかも」などと感じるようになり、そして、少しずつ、枯渇していたやる気がよみがえってきて、気づけば、

「こうしたらどうですか?」
「こうはいかがですか?」

と提案するような人になってくることもある。

「やる気」なんざ、本人の意識次第だ。
上司や周囲に影響されないのが大人のやることだ。

などと、能天気な上司は言っちゃったりするけれど、そんなことなくて、周囲のちょっとした働きかけや姿勢に影響を受け、やる気再燃、ということもままあるのであった。

・・・

周囲にやる気のない(と思われる)人がいたならば、彼・彼女をそうさせた原因があるんじゃないか?と疑ってみることも必要かも。

・・・・・・・・・・・・

あと、周囲のやる気ない人の原因を作っているのが、案外、自分だったりして、という客観視も時には大事かもしれない。

人は、やる気に関して、被害者意識は持ちやすいけれど、加害者自覚は持ちにくいものだから。

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