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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

リスペクトされれば、「リスペクトされている人」らしい振る舞いをするものだと思う

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新入社員研修、先週からスタートしており、ブログを書く時間がとれず、ご無沙汰です。

さて。

新入社員というのは、何かと目のカタキにされるものです。

「自主性がない」「主体的でない」「積極的ではない」「自分で考えない」「自分から動かない」といったようなことを1つや2つは言っているんじゃないかと思います。誰もが。



でも、ですね。

新入社員研修で、グループワークがたくさんあるプログラムを担当しているんですが、ワークの度にリーダー役(ファシリテーターというか進行役というか)を決めていただいていまして、その際、「はい、では、私が今回はやります!」と毎度自主的に決まっていくのですね。

中堅の「リーダーシップ研修」などある程度のキャリアのあるメンバの研修のほうが、「じゃあ、あみだくじで決めましょう」などと言ったり、中には、「では、じゃんけんして・・・負けた人から」なんていう始末。

「リーダーシップ研修」の「リーダー役」になるのに、百歩譲ってじゃんけんはいいとしても、「負けた人から」って・・・w。

新入社員の場合、じゃんけんでリーダーを決めたり、あみだくじを書き始めたりなどしません。まずもって皆無です。

自分から手を挙げる、自分でやってみるという態度でいる人がほとんどです。それなのに、「自主的ではない」「自分から動かない」と先輩(旧人)には言われてしまうのですよね。

むむぅー。

新入社員が「不足している部分」「未熟なところ」があるとしたら、それは、「知識がない」「経験がない」ことに起因しているのであって、学ぶ姿勢とか溶け込もうとする意欲の問題ではないような気がします。いや、気がするどころか、たいていの場合は、知識と経験の問題です。

だから、知識やスキルを増やし、経験をつめるよう支援していくのが先輩の役目ではないかと思います。



それから新入社員に限らず、経験の浅い誰かと接する際、大事なのは「あれもできない、だめだなぁ」と上から目線になることではなく、相手を「リスペクト」することだと思っています。リスペクトして、きちんと接するようにしていたら、新入社員も「リスペクトされている人にふさわしい振る舞い」をするようになるものです。

たとえば、私は新入社員研修において、新入社員にも「敬語」を使います。そうやって接していれば、おのずと相手も敬語を学ぶのです。それを「敬語を使わないとだめだよー。ほら、もう一度言ってみて」と”ため口”をこちらが聞いていたら、手本にもなっていないし、なんだか偉そうです。そういう振る舞いはなんとなくまずいというか、お尻がむずむずしてしまう。

新入社員にあれこれ注文をつけたい場合、「それを言う私はやっているのか」を自問自答したほうがよいのですよね。



ところで

同僚で後輩の横山哲也が、面白いコラムを書いています。

「新人について言いたい人」に言いたい。

後半に登場する数々の人物は、いずれも私も知っている相手なので、懐かしく、笑ってしまいました。

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