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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

NHKプロフェッショナル「仕事の流儀」に登場した及川卓也さん。そして、IT技術者がフィーチャーされたことについての感慨

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NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(1月23日放送、1月27日再放送)でGoogleの及川卓也さんが取り上げられました。「挑まなければ、得られない IT技術者 及川卓也

Twitterでは、IT業界の方と数多くつながっているわたくし、23日も昨日も今朝もTL上では、この「プロフェッショナル」での及川さんのことをツイートしている方をたくさん見かけました。

何よりも印象に残ったツイートは、「プロフェッショナルでITエンジニアが扱われている!」というものです。

本当にこの点に関して、とてもうれしく感無量な気持ちがいたします。

だから、及川さんがすごい!ということもさることながら、とにかく「ITエンジニア」がフィーチャーされたという部分で多くの方がうれしい、素敵!と反応したようにも感じました。本当にIT業界ってもっと注目されていいと思うし、世の中を変えていく大切な仕事(のひとつ)なので、エンジニアがフィーチャーされる場面、もっともっと増えればよいのに、と思います。
(DEC出身者の間でも「うれしい!及川さんが登場するなんて感激」という声が多く、やはり、昔の仲間の活躍を見ることで、誇らしい気持ちになれるのですね)

で、番組の話。

及川卓也さんの若かりし頃からのあれこれを見て、「ああ、わかるわかる」と共感した方も少なくなかったに違いありません。

及川さんは、DEC時代から名前はよく知っていました。私より数年後輩のはずですが(2-3年後に入社?)、私が20代のころ、彼はすでに社内で有名人だったのです。DECには20年以上前から社内SNSのような「VAXNotes」という掲示板システムがあり、社員が好きなこと(技術的なことや日常に感じたことなど)を言っていましたが、そこにもよく登場していましたし。(だから、私が一方的に知っている、という存在です。笑)

番組でも触れられていましたが、及川さんが20代のころ(つまり、DECに在籍していた時ですね)、「チームなんていらない」と思っていたし、あちこちと衝突したけれど、のちにあることがきっかけになって、だんだんチームの力を信じるようになったと。 自分に実力(たとえば技術力)がある人ならだれもが一度は陥るポイントだと思います。

でも、上司から教えを受け、同僚とぶつかり、自分が懸命に考え抜いて、だんだん、人は成長し、大勢とともに仕事をしていくコツを体得するのでしょう。

当たり前を、否定する」というメッセージがありました。
同じリスクなら、世界を変えるリスクを」という言葉も響きました。

「こういうもんだよね、だいたいこんな感じでいんじゃない」とついつい思いがちになりますが、「こういうもんだ、と思い込んでいないか」と自問自答したり、話し合ったり、あるいは、「何をやっても多かれ少なかれリスキーなら、挑戦してみようよ」という姿勢で仕事に臨んだり、と、業界問わず、技術職でなくても、通じる考え方ですね。

掲げた理想は、下げない」・・。

これが最も響いた言葉でした。

「こうしたい」と先にビジョンを持つ。艱難辛苦に遭遇すると、「もうちょっと下げても楽な道を」とか「衝突するくらいなら無難に」とつい思いたくなります。

でも、「掲げた理想」をそのままキープし、そこに「どうやったら到達できるのか」を考えるのは、わくわくする挑戦ですし、そこに到達できたときの喜びもひとしおだと思います。

以前読んだ本(このブログでも紹介したかも知れません)、上田信行さん著『プレイフルシンキング』(宣伝会議)では、「Can I do it?」と考えるより、「How can I do it?」と考えようよ、と書いてありました。

「どうやったらできるか」を考えるほうが、仕事を楽しめるよ、という訳です。

その時、「掲げた理想は下げない」が生きてくるのだと思います。

ところで、番組の冒頭で、「風変りなエンジニア」集団という紹介のされ方をしていたGoogleのスーパーエンジニアの方たちのムード。「円周率が趣味」とか「服装が変わっている」とか・・。

私がいたころのDECの雰囲気にとても似ていて、全く違和感がありませんでした。DECでもよく見かけた光景として、

「エンジニア同士が延々と技術について議論している」
「エンジニアが他者の知っている技術で、自分は知らないものがあるとハゲシク悔しがっている」
「なんでそういう風になっているか?という仕組みなど根本部分にこだわる」

なんてものがありまして、超文系の私など、「ああ、とんでもない会社に入ってしまった。会話についていけないばかりか、ノリにもついていけない」と思ったものでした。

配属された教育部門でも妙な先輩がたくさんいらっしゃって、そこでも、「ありゃー」と驚きましたが、これは、また明日にでも書こうと思います。

技術にハゲシクこだわるエンジニアに囲まれてスタートした社会人生活。その後、周囲はさほど「風変り」ではなくなってきましたが、あの強烈な体験は、その後の私にかなり影響していて、「変な人(いい意味で)」に対する耐性はばっちりです。愛すべき「変な人(いい意味で)」。


話は戻しますが、「プロフェッショナル」冒頭で、及川さんの座席近くに「タコのぬいぐるみ」が置いてあるシーンがあり、彼が「なぜか集まるんですよね」とコメントしていました。なぜ「タコ」なのかが触れられていませんでしたが、案外大事だったのではないかと思います。

これは、「tako」というユーザ名に由来するそうです。Takuya Oikawaの頭文字をとって、「tako」。

このあたりのいきさつは、このブログに書いてあります、と及川さんに教えていただきました。
→ http://d.hatena.ne.jp/takoratta/20081020/1224485284

この番組を見た小学生、中学生、高校生、そして大学生が、「あ、IT技術者っていいな」と憧れて、挑戦する人がより増えてくれたら、とても嬉しいことです。

===お詫びして訂正===

『13歳のハローワーク』には、及川さんが取り上げられたとのことです。ITも扱われているのですね。大変失礼しました。(該当箇所、削除いたしました)

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