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人手不足でSI事業は消滅する!?

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子ども35年連続減 14歳以下1605万人、人口比12.6%

というニュースが以前、日経新聞に掲載されていました。

どんどん少子化が進み、人手不足が進んでいくことになります。SI産業にとって、生産労働人口減少は、どのような影響が出るのでしょうか。まずは、生産労働人口減少の現実から見てみましょう。

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出典:総務省 情報通信白書

生産労働人口とは、いわゆる働く人の数を表しています。2010年〜2030年のわずか20年程度で1,300万人も減少します。現在の生産労働人口の15%も失われることになります。これは、毎年政令指定都市がなくなるぐらいインパクトがあることなのです。今後は働く人口が急激に減っていくことを覚悟しなくてはいけません。さてこれを、直近のデータで業種別に正社員、非正社員の切り口で見てみるどうなっているのでしょうか。

従業員が「不足」している上位10業種.png

出典:帝国データバンク

2015年〜2016 年の業界別人材不足数のデータでみると情報サービス業の正社員は、放送業に次いで2番目に人材不足になっています。情報サービス業は、就職内定のハードルが比較的高いのですが、それでも、もうすでに人手不足が顕在化しています。ここ近年では、非正規社員の確保が難しく、24時間営業を停止や、従業員不足で店舗数を減らす飲食チェーン店などが出始めています。この波は、だんだん正社員にも及んできます。給与が安く、体力的にキツイ仕事から正社員が確保できない状況になっていくでしょう。

ではSI業界では将来どのくらい足りなくなるのでしょうか。

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出典:経済産業省

経済産業省のデータでは、2020年には、36万人も不足すると予測されています。現在の3倍以上も人手が足りなくなる試算です。これは景気変動や外的要因が多少あるにせよ、生産労働人口は、大量の移民を受け入れない限りは、極めて高い予測と思われます。

SI業界は、7Kと呼ばれるほど労働環境が良くない業界なので、他の業界と人員獲得競争に負ける可能性が大いにありますし、また同じIT業界内でも、webサービス企業や事業会社のITサービス部門ともエンジニアの争奪戦を繰り広げなくてはなりません。Webサービス企業や事業会社は自社サービスということもあり、劣悪な労働環境は少なく、採用の競合としては、Webサービス企業や事業会社は強敵となるでしょう。

ではSI企業は、今後の人材不足の波に対しどのように対処すべきなのでしょうか。

一つは、労働力を海外に求めることです。

これはオフショアで単純に開発を海外で行うのではなく、開発拠点を海外に移し、優秀な人材をグローバルに調達するということを行わなくてはいけません。サイボウズは、ベトナムに大規模な開発拠点を置いています。もちろん開発コストを下げるためでもありますが、最大な目的は海外の優秀な人材の確保です。海外人材調達に関しては長い時間ノウハウをためなければ、簡単に成功できるものではありませんので、早期に拠点を構え現地の信頼と商売の方法を確立することが必要です。

二つめは、従業員満足度向上と採用、教育です。

従業員満足度は、従業員の働く環境やモチベーションに配慮するのはもちろん、企業トップのビジョンが明確であることです。会社がどのような方向へ進むのか、どのような使命をもって存在しているのか、が明確でそれに同意していて働きやすい環境であれば、人は集まってきます。そして、採用と教育です。経営陣をはじめ組織全体が採用にフルコミットしている状況が必要です。またその態度が現場の採用担当や、採用に関わる人まで行き届いていることが重要です。

また、中途採用も新卒採用も含めて、採用した従業員に対する教育とフォローが必要です。新卒採用も中途採用も案件にアサインするとそれ以降は現場で教育、ということで放置していることや、中途社員は、即戦力ということでフォローせず、すぐに成果を求めるなどがよく見受けられます。常駐や案件に何年も縛り付け、デスマーチを経験させて1人前みたいな考え方も現場ではまだまだ存在します。このようなことを続けていけば、人はどんどん離れていくでしょう。

従業員の確保はますます激化していきます。労働集約的事業であるSI企業は、人月単価でビジネスで、売上成長が人の頭数で決まってしまいます。人材不足が直接成長の鈍化につながり、そして成長しない企業には良い人が集まらず、ますます人手不足で成長しないという、負のスパイラルに陥るでしょう。

負のスパイラルに陥らないためにもトップ自ら、「人材」でなく「人財」として採用や教育、社内環境整備に取り組む会社が生き残っていくと思われます。



「SIビジネスの再生のシナリオをどう描けば良いのか」

これまでと同じやり方では、収益を維持・拡大することは難しくなるでしょう。しかし、工夫次第では、SIを魅力的なビジネスに再生させることができます。

その戦略とシナリオを一冊の本にまとめました。

「システムインテグレーション再生の戦略」

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  • 歴史的事実や数字的裏付けに基づき現状を整理し、その具体的な対策を示すこと。
  • 身の丈に合った事例を紹介し、具体的なビジネスのイメージを描きやすくすること。
  • 新規事業を立ち上げるための課題や成功させるための実践的なノウハウを解説すること。

また、本書に掲載している全60枚の図表は、ロイヤリティ・フリーのパワーポイントでダウンロードできます。経営会議や企画書の資料として、ご使用下さい。

こんな方に読んでいただきたい内容です。

SIビジネスに関わる方々で、

  • 経営者や管理者、事業責任者
  • 新規事業開発の責任者や担当者
  • お客様に新たな提案を仕掛けようとしている営業
  • 人材育成の責任者や担当者
  • 新しいビジネスのマーケティングやプロモーション関係者
  • プロジェクトのリーダーやマネージャー
  • 経営戦略や事業戦略を学んでいる方

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