オルタナティブ・ブログ > あなたが持つカウンセリングのイメージは間違っている!! …可能性が高いですよ >

カウンセリングによくある誤解や質問、また、カウンセリングとはどういうものなのかなどについて執筆します。カウンセリングルームと契約したい、または相談室を作りたいと考えている、もしくは既に契約しているけど実はよく分かっていない企業の方だけでなく、一般の方にも幅広く見ていただけたら幸いです。

結局、カウンセリングって何が出来るの?

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 大まかにカウンセリングと言いますと、主に心理的な支援を要する相談者の心理状態を観察、分析し、相談者や関係者に助言、指導などの援助を行うことを指すと思われます(参考:公認心理師法案)。

 ところが、一言にカウンセリングと言っても、私が知っているものから知らないものまで様々あります。 もちろん、心理カウンセリングに限った中での話です。
 効果の方も得意不得意、長所短所、ピンからキリまであり、中には「それって本当に心理カウンセリング?」と疑わざるを得ないようなものまでカウンセリングを謳っていたりもします。

 正直、あまり知らないものや怪しいものを取り上げて、変なところから突っ込みが入るのも嫌なので、とりあえずよく使うものを2つ紹介しつつ、それらがどんな効果をもたらすか、どんなことに利用できるのかを副次的な効果も含めて書いていけたらと思っています。

 さて、REBT認知療法という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
 このブログではちょいちょい出てくる単語なのですが、テレビ番組などで認知療法を取り扱う機会がたまにある程度で、恐らくカウンセリングに関わっていない限りは、ほとんど聞いたことがないのではないでしょうか。

 REBTと認知療法は、ともにカウンセリングで使用される心理療法であり、認知を取り扱うという共通点があります。
 カウンセリング技法の中でも自分自身に対して使うセルフヘルプに向いており、日常的にストレスを減らすことに長けているだけでなく、うつなどへの治療効果も認められています。
(※うつに対するカウンセリングで診療報酬が付くのは、日本では認知療法・認知行動療法のみです)

 REBTは1955年に創始者アルバート・エリスによってRTとして生み出され、RET、REBTと改名されてきた療法で、日本では人生哲学感情心理療法と(日本人生哲学感情心理学会的には)呼ばれています。
 他に、論理療法、理性感情行動療法など様々訳されていますが、この辺もいろいろ面倒な大人たちのあれやこれが絡むので、基本REBTと記述します。 同様に、本の著者によって創始年もまちまちだったりしますが、とりあえずこの辺りではあるんだと思います。

 中心となるのはABC理論で、A(出来事)→C(結果としての感情、それに伴う行動など)ではなく、A→B(信念、認知)→Cであるという仮説に基づいています。
 Aの「出来事」を変えることは不可能であったり(過去など)困難を伴います。
 Cの「感情」は、無理やり変えようと思っても、なかなか思う通りには変化しなかったり、変わったと思い込もうとすると思わぬ無理がかかっていたりするものです。

001.png ところが、Cの「結果としての感情」がネガティブでエスカレートしている場合、Bの「信念、認知」には「ねばならない」を語尾とする断定の認知が含まれており、無意識にその断定を基準としてAの「出来事」を判定した結果、ネガティブな感情がエスカレートしていることが分かります。
(※ここで言う断定は、普段皆さんが使う断定とは若干意味合いが異なると思います。 気になる方はこちらをどうぞ)

 この断定は九分九厘、現実的でも、論理的でも、実利的でもありません

002.png 現実的でも、論理的でも、実利的でもないのに、その考え方に固執して自分自身のネガティブな感情をエスカレートさせるのではなく、柔軟で現実的で根拠のある建設的な考え方を受け入れることで、感情を穏やかにするというのがREBTの基本理論です。

 認知療法(CT)は1950~60年代頃、アーロン・ベックによって創始されました。
 代表的な技法に認知再構成法(コラム法)というものがあり、意識下に表出する考え(自動思考)によりネガティブな感情を持った場合に、その癖(認知の歪み)を修正することで感情を穏やかにすることを目指します。

003.png 認知の歪みは以下のように推論の認知を含む何種類かに分けられ、覚えようと思うとABC理論に比べて若干面倒な気がするかもしれません。 が、それぞれが独立というわけではなく重なることが往々にしてあり、実は何をしているかさえ押さえていれば、すべてをきっちりと覚えている必要はなかったりします。(※念のため書きますが、覚えていた方がよりいいです)

 また、意識下に表出した思考を取り扱うため、手順書を片手に行うのであれば、こちらの方が手軽で分かりやすいかもしれません。 そのため、コンピュータなどでシステム化しやすいのも、認知療法の良さと言えるでしょう。

004.png どちらも、無理に感情をねじ曲げたり、根拠のない気のそらし方をするのではなく、不必要にたかぶったネガティブな感情を、正しく現実をとらえることで、普通に戻してやろうというものです。
 例えるなら、スピードを出し過ぎて上り坂でジャンプして車体を傷める車と、制限速度で上り坂は上り坂として道なりに走る車の違いのような感じでしょうか。
(※ちなみに、根拠にこだわらず視点を変える方法も、その方法ならではの良さがあります。 要は使い方ですね)

 次回、ちょっと詳しく対比します。


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