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テキストベースのリアルタイムコラボレーションツール co-meeting は確かにスゴかった

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前の記事の続きです。リモートワークのツールを色々試している、という話で co-meeting を使ってみようかと思っていると書きました。さっそく昨日、会社の同僚とでお試しでミーティングをしようとしていたところ、ちょうど同じ日の夜にハンズオンセミナーがあるということで、さっそく参加してみました(結局同僚とのチャットは成立せず、ハンズオンのほうで色々機能を知りました)ハンズオンセミナーはシステムの特徴を生かし、 co-meeting で行われたのですが、これがたいへん勉強になり面白かったので本日は co-meeting 推しの記事を書くことにしました。

まあ、じっさいおおまかな機能そのものはおそらくテキスト会議システムと聞いて想像されるようなものが一通り揃っています。会議室を作る、ユーザをグループ分けする、OpenIDでのログイン、テキスト装飾、発言にいいね!をつける、発言をツリー状に重ねていく、ファイルの添付などなど。少し特徴的なのは、議事録のような共通のテキストスペースがあってそこを見たり編集したりしながら会話が出来るところでしょうか。このツールが会議を強く意識していることが分かります。

しかし、いちばん大きな特徴はLive Typingですね。これは他人が入力している途中、まだIME上でも未確定なテキスト文字列が相手にもリアルタイムで見えてるという機能です。機能概要を見ていたのでこの機能があること自体は知っていたんですが、実際に使ってみると思いのほか使いやすい。確定前の言葉が見えてしまうのってさすがにどうなんだろう、と思ったんですが、基本的にリアルな会話でも言いかけた言葉は相手に聞こえちゃっているわけですから、確定前の言葉が見えていてもそんな問題でもなさそうです。文章をつづっていく上での癖みたいなものは、書かれたテキストだけではなくそれを書いていく過程にも宿るというのが分かって面白かった。カーソルの位置も共有されているので、その人が文章を書いた後にどこかに文字を挿入しようとしているな、とかもわかります。ぼくは一文を確定させた後、前に戻って細かい語句を直すことが多いですが、その行動自体ぼくのテキストチャットのクセ、として受け取られることでしょう。ちなみに、この文字が書きかけの状態でもそこにレスポンスが書けるのも面白い。これもまた言いかけた言葉を引き取って会話を進めていくというリアルの追体験と言って良いでしょうね。

また、発言自体は Twitter で言う1ツイート単位で送信できる(文字数制限はなし)のですが、それに対する返信は1ツイートの中に割り込ませることが出来ることを知りました。ハンズオンでは、最初に講師役の方がテーマを箇条書きで書き込み、その1発言の中の箇条書きに割り込む形で返信を付けていく、というやり方で話を進めて行っていました。このへん、とにかくテキストベースで行われることで喪われるリアルタイム性を極力とりかえそうとしている印象です。もちろん会話の完全な置き換えにはなりようがありませんが、かわりにリアルタイムチャットならではの感覚が産まれていて、こちらはこちらで意味がありそう。上述のテキスト入力の癖が見える、なんてのもその一つかと思います。実際のところ定量的に会議の進行に効果的なのかという面では確実なことは言えませんが、参加者にとってコミュニケーションが進みそうだな、という感覚を刺激されるというのはツールとしては大成功でしょう。

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ハンズオン自体は co-meeting の事例や、そもそも使っているツールの良し悪しなどをディスカッションしたりと、話題自体が大変面白かったのも良かったですね。こういうツールはライバルが増えれば大雑把な機能はそれなりに似てくる。あとは「どう使ってるの?」というところから細部のつくりが自分たちと相性が良いものを探すのが重要になってくるのかなと思うので、実際に活用しているユーザがどういう視点でこのツールを眺めているかを知るのは、とても参考になりました。もちろん co-meeting のメンバーの方がどういうところからこれを作ったのか、というのもこのツールの方向性を理解するのに役に立ちました。前の記事では、 co-meeting は会議向でテーマのない日常的コミュニケーションには向いてないのかな?と書いてたんですが、そういうなんでもありのミーティングを作って、そこにつねにみんながつぶやきを流しっぱなしにする、というやり方で代用は出来そうだと分かりました(実際にそういう事例があるようです)。となるとひとつのツールですむわけで、社内に広げるハードルがぐっと下がった印象です。

(前回も書きましたが)うちの会社は文書はすべてECMに集約されているので、この手のコミュニケーションツールのログもそちらに自動的に入るようにしたいというのがあって、そういったエクスポートのAPIにも期待しています!と伝えておきました(あと、同じところで開発されているCrowyがの更新が最近なくて寂しいです!とも) いまは iPhone アプリを作っているようです。日常的コミュニケーションのツールとして使うにはそういったデバイスからの気軽な投稿もできるほうがいいのでこれも期待しています(ぼく自身は iPhone はもってないですが)。

以上、ステマじゃないよ、ビジマだよ!(びじぶる……) いや、そもそもマじゃない。でも、キャッシュバックは全方位的に受け付けてますからね。よろしく!

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