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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

メガSNSの足下を抜け!ニュータイプのSNSが勢力図を塗り替える。

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■ メガSNS全盛に翳り

日本国内においてFacebookのアクティブユーザー数が激減しているというニュースが流れている。実際のところはPCからモバイルへのシフトを勘定に入れていないためでは?という気がしないでもないが、発展途上国ではユーザー数を伸ばすFacebookも、先進国では飽和状態から減少気味、少なくとも失速気味へと傾向が変わったのは間違いないようだ。

実名制はいいとしても、全世代に行き渡ってしまったがゆえに、背徳&退廃的な刺激を求める若者にとっては窮屈な空間にFacebookはなってしまった。急成長と引き換えにFacebookは学生だけという排他性を捨て去り、結果としてクールさを失いつつある。
Twitterもまた、マネタイズを急ぐあまりに存在意義を一般ユーザー同士のリアルタイムコミュニケーションプラットフォームという立ち位置から、メディアプラットフォームへの舵の転換を行い、複雑さへの罠に陥っている。

■ 新興SNSの台頭

このような状況のなか、PathやPheedのような若者にフォーカスし、さらに最初からモバイルでの利用を前提とした新しいSNSが勢力を伸ばしつつある。Pathは親しい友人や家族など、リアル交友関係の限度数とされる150人までの小さなコミュニティを作らせることで、Facebookが直面する”肥大化したネットワークへの堕落”というリスクを避けようとしている。また、Pheedは過激なトンマナで中高年の出入りを拒絶しつつ、マネタイズの機会をユーザーに与えることで積極的な参加を促す。

また、Lady GAGAのLittlemonsters.comで有名になったBackplaneは、セレブやハイブランドのファンコミュニティをベースに、モチベーションの高いユーザーを囲い込む戦略で順調に成長し始めている。彼らの模倣者として、EntragoというSNS企業も登場し、R&Bの人気歌手クリス・ブラウンを擁して、Tumblrを思わせる派手なUIのマルチメディア配信型のSNSをスタートさせた。
さらに古参のNing.comも、ミュージシャン専用のSNS構築サービスを開始するなど、この領域は急速に熱い市場へと育ち始めている。


■ ソーシャルxモバイルxビジュアル

こうしてみると、新興SNSは若者ウケするコンテンツとUIをゲットすることに集中し、それを軸に成長の足がかりを得ようとしているようで、基本的に非常に近しい戦略で動いている。
全方位的にユーザーを集めるのではなく、あくまで若年層にターゲットを絞っているのが大きな特徴だし、写真をより効果的に使うUIを取り入れ、最初からモバイルで使われることを前提として設計されている。
つまり、ソーシャルサービスを、モバイルで提供し、効果的なビジュアルを用意するという黄金律を守っている企業ばかりだ。

■ ニッチな関心空間を束ねていくのがニュータイプ

僕がスタートさせたRevolverは、Ningと同じく、誰でも簡単にSNSを構築できるプラットフォームを目指している。現在は特定の分野で、最初からある程度のユーザーを集めることができる影響力の持ち主にのみ提供しているが、近いうちには世界中の人が、それぞれの興味・関心をベースに小さなコミュニティを作り、運営できるようになる。
世界中に無数にあるニッチ・インタレストグラフを束ねる、巨大なソーシャルインタレストネットワークを作り上げる。

世界のSNSは、Facebookが完全に抑えたと思われたが、実のところ巨大さがあだになって、ほころびがありとあらゆるところに見え始めている。
前述のようなライバルとともに、改めて群雄割拠の時代を作り、やがては三国志よろしく天下を三分するネットワークサービスへとRevolverを成長させる。そんなチャンスがついに見え始めた。

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