iPhoneバッシング?にもの申す
少し前にはiPhone 3Gを盛り上げに盛り上げた日本のマスコミの中には、今度はそのiPhoneバッシングに手を染めようとしているらしい。昨日のフジサンンケイビジネスアイの記事が最たるもので、日本でiPhone 3Gの売上ペースが落ちていることを指して、日本のケータイとの戦いに既に敗れたかのような論調を示している。
反対に、同じ日に公開されたTechcrunchではiPhone 3Gが世界的には非常に好調であり、発売後わずか2ヶ月で600万台を売り切っていることを明らかにしている。
また、昨日欧州出張から帰国されたばかりのエル・カミノ・リアルの木寺社長の弁によれば「ヨーロッパではタッチパネル型携帯電話が非常に普及している」「サムスン、ノキア、そしてiPhone」が非常に多く、特に女性ユーザーを見ると「3人に1人が白のiPhone」を使っているという。
もちろん、日本のネット環境や、そもそものモバイルインターネットの普及度・成熟度を考えると、欧米よりは遥かに進んでいることは事実であり、それがiPhoneが持つ新奇性を薄め、衝撃を和らげていることは疑いのない事実だ。しかし、何度も言うが、iPhone 3Gの世界的な成功は明らかで、その模倣者もまた大きな成功を求めて続々と登場してきている。GoogleのAndroidはいまのところまだこれといった成果を見せてはいないが、iPhoneのモバイルSafariと同じWebkitエンジンを使った高速ブラウザであるChromeをモバイル対応して、投入してくることは間違いがなく、それらのAndroid携帯電話は、iPhoneと同じジャンルのスマートフォンとしての姿を露にしてくるだろう。
つまり、iPhoneとiPhoneクローンが日本に入り込んでくるに従って、日本の独自仕様のケータイ市場は徐々に浸食される。そうすると、既に台数的には飽和している日本の市場の端末プレイヤーは売れ行きをのばせないから、海外進出を考えるか撤退を余儀なくされるか、二者択一に追い込まれる。今は(僕も含めて)iPhoneと従来型のケータイの二台持ちを強いられているiPhoneユーザーも、いずれはiPhone一台でおおよそのことができるようになるから、二者択一はますます現実のものとなる。
日本のケータイは季刊発行の雑誌のようなもので、非常に短いサイクルで入れ替わるがiPhone 3Gのようなスマートフォンは1年以上売れ続けるし、その間にさまざまなソフト購入やOSのバージョンアップによって機能の改善が図られる。全く異なるマーケティング戦略の元に動いているのである。
だから世界の事情と商品特性、そして長期的な市場の動きを見ていかないと、すっかり価値を見誤ることになるだろう。
僕たちのスタンスはまるで変わらない。3-4年の間に、日本のケータイのプレイヤーの多くはiPhoneやAndroidがもたらす新しいモバイルインターネットに対応を迫られ、日本のケータイの生態系は大きく変わることになるだろう。
++ MODIPHI for iPhoneの機能向上を進めている。たとえば記事の更新時間が表示されていない点については、
来週当たりに少しバージョンアップを行い改善するつもりだし、それ以外にも少々面白い工夫を加える
方針でいる。
また、iPhone上での新サービスも用意しており、α版を今月中旬に公開する予定です。
ぜひお楽しみに。
国内のiPhoneプラットフォーム市場をおおいに盛り上げていきたいと思う。