feedpath閉鎖は残念だが、フィードアグリゲーションサービスはこれからが本番
モディファイが法人化されてから3ヶ月経過した。ようやく会社としてのシステムがスムースに機能し始めた気がする。
僕たちは12月決算なので4月は2008年度第二四半期(2Q, 2008)のスタート月になる。それでも、世の中的には新入生や新入社員が街に溢れ、さまざまな出会いや別れ、そしてたいていの企業は4月が期首になるから、僕たちも引きずられて、とても新鮮な気分になる。
さて。
既に多くの方がご存知のように、オンラインフィードリーダー feedpath が今月末に閉鎖されるとアナウンスされた。リーダーとして惜しむ声もあるが、多くはBlogエディタが無くなってしまうことを残念だという意見のようだ。 実際僕もそうで、このSpeed FeedはfeedpathのBlogエディタで投稿している。(正確に言うと、modiphi Feedエディタで書いたものを転記している)思うのだけど、やっぱり唯一無二みたいなサービスを作ることは大事だな。feedpathはフィードリー ダーとしては生き残ることができなかったけれど、Blogエディタは他に比べるものがないのだから、是非残してもらいたいと思う、実際。
そもそも、Blogエディタの情報デザインは僕が設計したもので、当時愛用していたクライアント型Blogエディタのectoのエイドリアンにいろいろと教えてもらいながら、ectoの良さをWebブラウザ上に置き換えることによって創りだしたもの。
そのUIに命を吹き込んだのがサイボウズのエンジニアのH君で、さまざまなBlogやSNSのAPIを解析しながら実際に動くアプリへと仕上げてくれた。わずか2ヶ月程であれだけのモノができたことは驚嘆に値する。
ところで、Blogエディタの本質は、一種のAPIアグリゲーションであり、コンテンツアグリゲーションサービスだ。Blogエ ディタの管理画面には、複数のBlogとmixiとGREEのエントリーが収まっていて、いつでも検索できるし引用できる。まさしく、複数の異なるサービ スと連携し、同期し、コンテンツを管理できる、優れたWeb2.0的なマッシュアップツールなのである。
BlogエディタとFeedエディタは二つで一つのアプリだし、その先にさまざまな利用方法が期待できる。最近流行のFriendFeedとも共通項が多い。
4月末までまだ時間があるので、サーバの台数を少なくするとか、コスト削減した上で、Blogエディタを単独で残すプランを フィードパス社が選択することを望む。独自のテクノロジー、世界に通じるアグリゲーションプラットフォーム化への道をできれば捨ててほしくない。マネタイ ズは難しいかもしれないが、そんなこといったらTwitterだってFriendFeedだって同じことだ。
RSSやマイクロフォーマット、各種のAPIなどのWebサービスを使ったコンテンツアグリゲーションビジネス、あるいはデータ ベース事業、もしくはクラウドサービスは、ほんとにこれから花開く次世代のネットビジネスだ。今その可能性をあきらめるのは、あまりに惜しい、と思う。
ちなみに、僕が率いるモディファイでは、来月 これまでで最大、二回目のmodiphi.comメジャーバージョンアップを行なう。もしかすると、数日間サービスの停止を余儀なくされるかもしれない。 ネットサービスでそれだけの停止期間というのはユーザーに相当の迷惑をかけることだし、致命的かもしれないが、僕たちとしてはフィードアグリゲーションと オンデマンドのデータベースサービス事業を推進するためにどうしても必要なことだ。
Web上に分散するさまざまなコンテンツを効率的に収集し集約して、構造的なデータ(RSS2.0 + マイクロフォーマット
+
タグ)に変換する。同時に、そのデータを利用するために必要なアプリケーションやメディアをカンタンに構築するためのプラットフォームも提供する。それが
僕たちの目指すビジネスだ。フィードをベースとしたミニクラウド=筋斗雲になる。
これからが本番だ、たしかに思ったよりもWeb2.0とセマンティックWebの間の溝は深く広かったが、必ず HTMLからXMLへの変化、構造的な新しいWebへの進化は起こる。これからが本番であって、いまあきらめてはならない、と思う。