2008年のネット業界に関する考察(個人的メモ)
あけましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いします。
さて。
2008年から2010年は、Web2.0の衝撃が、いよいよ具体的に一般家庭を含む、実社会にまで届く、ジェットコースターのような3年間になるだろう、と思う。
そこで、ネット業界(とその影響を強く受けるレイヤーのリアルビジネス)に、2008年に何が起こるのか、去年を振り返りながら考えてみたい。
Web2.0という言葉が一般化したのは2006年。しかし、2007年になって、よりいっそうWeb上の変化が大きく顕現化したように思う。僕たちが『Web2.0BOOK
』に書いたのは、Webが生まれてから2005年末までの激しいインターネット業界の変遷の歴史だったが、2006年から2007年の2年の変化は、さらに大きく過激な進化を示したのではないか。
ざっとみるだけでも
・セカンドライフに触発されたベンチャー群による、メタバースの復活
・Google OpenSocial vs Facebook vs MySpaceのSNS戦争勃発
・新聞業界に起きた、Paper or Net ? そして有料か無料か、の究極の選択
・AmazonのSimpleDB、Facebook Platform、OpenSocialなどにみられる分散型、オープン型のWebサービス&APIの公開加速
・Widget、Gadget、ブログパーツ(原則みんな同じだけど)の大流行
・創業と同時に国際化できるサービスが頭角
・エコIT、グリーンITへの投資活発化
などなど。
思うに、分散型、細小化、多様化、国際化はおおまかにいって同じ意味で、結局のところ クラウド・コンピューティングによるアプリ&サービス開発がこれからのネット業界の最大のトレンドになる。(グリーンITは、そのクラウド・コンピュー ティングの省電力化を意味することになろう)
そして、その上で展開される各種サービス自体が、一つのアプリの顔を維持することよりも、ありとあらゆる媒体、機器に対して分散化したコンテンツを配給できるようになるしかないのではないか。
Web2.0のキーワードの一つに、Webこそプラットフォーム、という言葉があるが、それが単なるレトリックではなく、テクノロジーとして正確な意味を持ち始めていることは、非常にエキサイティングな出来事だ。
WebOSとは、つい2006年には、デスクトップ上にOSを再現する、AjaxかFLASHによるブラウザ上の疑似OSサービスのことであった。ところ
が、2008年1月現在では、Webそのものを使って、Web上のさまざまなライブラリなどを使ってアプリケーションを開発することやその実行環境を支え
る分散型の大規模コンピュータネットワークのことを指しはじめている。
前者はWebデスクトップといいなおすべきかもしれない。そして、後者をWebOSと呼ぶとき、その実行環境のことをさらに最近ではクラウド(雲) と表現するようになっているわけだ。その意味では、現在の定義のWebOSは、イコールクラウド・コンピューティングともいえるかもしれない。このよう に、定義の変遷はどんどん早いテンポで行なわれている、のである。
さて、僕自身は上述のような早い変化の中にあって、あたかもサーファーが次の波の動きを読んで、どんなふうに乗っていこうかを考えているような状態だ。どんなサービスを市場に投入するか、それを考えるために今、時代を読もうと必死に頭を使っている。
というわけで、自分たちのスタンスを書いておくと:・僕たちはモディファイというベンチャーをスタートする。
・モディファイはMODIPHIと名づけたテクノロジーをマネタイズする。
・MODIPHIとは、Webサービスの固まりであり、さまざまな形式のコンテンツの入力を受けてRSSとJSON Pで出力する一種の分散型のデータベースだ。
・このデータベースを使ったサービスを開発し、提供する事業を行う。
・iPhoneおよびAndroid 環境にフィットすること、および英語でのサービス提供を必須条件とする。
テクノロジー自体は時代の動きに沿っていると思うので、あとはサービス自体の最適化を考えていかないとならない、考える。
特に、モバイルへの取り組みは、現在のmodiphi.comのモバイル化(もうやっているけど)というようなものではなく、過去を切り離した新しいサービス開発を行なわないとならないと思っている。
MODIPHI as DB
というわけで、激動の3年間がいよいよ始まる。恐ろしくもあり、楽しみでもある。