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外部の内部は外部?ー『生物と無生物のあいだ』から

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『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一著 講談社現代新書)が売れているらしい。僕も最近読んだのだが、いろいろとインスパイアしてくれるところ多い。人体というか生物の営みってITぽいんだよ。



例えば、細胞は細胞内で合成したタンパク質を外部へと吐き出す必要があるんだけど、むやみやたらと細胞内の状態を外部にさらすのはあまりにも危険だ。ちょうどイントラネットはファイアウォールで守られていて、社外からの接触を遮断するようなものだ。

じゃあどうするかというと、細胞は細胞膜で中を守っているわけだけど、風船に外から指を突っ込むと内部に向かって指の形に陥没するね。もしその陥没した状態で、指をうまく抜き、指してあった口をうまく縫うことができれば、風船の内部に小さな風船が逆向きにできることになる。しかも、その小さな風船の中にあるのはそれまで内部にあった空気ではなく、指によって押し込まれた外部の空気だ。



細胞では、こういう小さな風船が瞬時に作られて、さらに細胞内を球体となって移動する。これと小胞体という。小胞体は細胞内における『外部』になる。そこに細胞内で作られたタンパク質が入り込み、そして最終的にまた小胞体が細胞の内壁にくっついてから再度口を開けることによって、そのタンパク質が細胞の外に出る、という仕組みになっている。



ややこしいけど、これって、まるで外部APIみたいだと思いませんか?あるいはVPNによる外部からのアクセスみたいだ。

というか、よくできた仕組みって、なにかと共通項があるというか、応用できる原則的な何かが必ずあるんだな、とつくづく感じました。


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