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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

インターネットを覆いかぶそうとするモンスターが跋扈する

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インターネットが成立して、さまざまな利用方法が生まれ、そしてその中でデファクトとしてインターネット全体を覆い隠したのがWeb、ワールドワイドウェブというシステムだ。

そしてそのWebの上にさらにかぶさるように薄く広がることに成功したのがGoogleである。Googleはその優れた検索エンジンでWebの細部に隠れた情報を引き出すためのデファクトスタンダードになり、そして、そのあとはポータルを押さえてWebそのものを使うための事実上の入口になった。元々Webを使うためにはURLのタイプが必要だったが今はその必要はない、ブラウザの検索窓あるいは(FFならば)本来URLを打ち込むべき窓にでもクエリを(まるでゲートを開くための呪文のように)入力すれば、好きなWebサイト、あるいはそのサイト内の必要なページへとたどり着くことができる。URL(ドメイン)は、そのうち一般ユーザーからすれば死語になるかもしれない。


Googleは検索エンジンだけではWebのすべてを覆い隠すことができないことを知ると、検索エンジン技術の応用だけではなく、卓越したインターフェイス技術を用いてさまざまなアプリケーションを開発し、穴を埋め始めているわけだ。


それに対抗するようにFacebookやMySpaceらもまた、自分たちの世界(SNS)の上に必要なアプリや情報をすべて載せることによってユーザーとWebの間に入る、つまりWebを覆ってしまおうとしている。

クローズドな限定的な世界であっても、すべてのネットユーザーにIDを持たせることができれば、それはクローズではない。人間に寄生するエイリアンが地球に入り込んだとしても、全員が寄生されればそれはイコール人間そのものになる(例としては適当ではないかもしれないが)。


つまり、現在のWebは、Web自体を覆ってしまい、ユーザーとWebの直接的な関係の間に割って入ろう、という大それた試みを本気で考えているモンスター達の戦いの場になっているのだ。AOLや昔のMSNがWebに敗れて、インターネットは自由な世界になったはずだったが、今度はもっと深刻な状況になっているのではないか・・・。Webそのものが浸食されて、特定の誰かに管理された世界になっていくのではないか?
Appleが描いた「1984」的世界は、Microsoftではなく、Googleや意外な挑戦者によってWebの上であっさり実現してしまうのではないか。




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