Speed Feed:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) Speed Feed

RSS/Atom feedが織りなす新しいネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。


やらなくてはならないことがオーバーフローしているので、いまのうちに今年最後のエントリをする。

2006年は、Web2.0という大きな変革が実体を伴ってきた年だったと思う。IT業界、特にネット業界に身を置くひとにとっては忘れ得ぬ一年になったのではないだろうか。

僕にとっても同じだ。公私ともに大きな変化が訪れ、自分自身の決断以外のところで、流されたり、振り回されたりもしたが、年間を通じて思索より行動を求められた一年だった気がする。そこで、一年を時間軸に沿って追ってみた、あくまで個人的なレベルで。

オルタナティブブロガーとして、2007年の展望などについては、年をまたいでエントリしようと思う。

2006.01
feedpathを立ち上げたことは僕にとってとても大きな出来事だった。
日立(BOXER)を辞めてサイボウズに移ったのは、RSS/Atom Feedをベースとした新しいWebのゲートウェイを作るためだった。紆余曲折はあったものの、1月30日に公開にこぎ着けたfeedpathは、単なるRSSリーダーではなく、そのゲートウェイ実現への第一歩、基礎的なサービスとして設計した。Web型のRSSリーダーはその後多くのポータルや企業が発表したが、僕にとってはfeedpathはRSSリーダーではない、いまだに・・・。

2006.03
Web2.0BOOK』(インプレス・ジャパン刊)を発売した。2005年10月あたりから企画を温め始め、2006年正月の数日間で書き上げた、日本初のWeb2.0をタイトルに冠した書籍だ。インプレスの編集者である安藤さん及び共著者の後藤さんとともに、いままでのWebの流れをなるべく正確に追い、オライリーの解釈にとらわれること無く、いまのWebの進化と歴史、トレンドを淡々と書き上げることに専念したことによって、数年間は古びることのない内容になったと思う。Web2.0がなんであるか、というよりも、Webとはなにか、ネットサービスはどうなっていくのか、ということを記せたと思う。実際、非常に多くの方に読んでいただけたし、カンファレンスなどでの講演を依頼されることも多くなった。
その後『図解Web2.0BOOK』『文系のためのWeb2.0入門』『Web2.0のビジネスルール』『Web2.0が面白いほどわかる本』 と、立て続けにWeb2.0本をリリースしたが、とにかく『Web2.0BOOK』が僕の2006年を大きく変えたと言っても過言ではない一冊になった。


2006.04
旧ブログエンジン株式会社をサイボウズが買収し、その結果feedpathプロジェクトを組み込むことによってフィードパス株式会社が誕生した。
もともとブログエンジンというアプリケーション自体が、僕が日立時代にネットエイジの佐藤僚さん(代表取締役副社長)に依頼し、僕の要求仕様に基づいて開発していただいたもの。日立を離れることによって手放したものが、神のいたずらか再び手元に戻ってきたのには本当に驚いた。(ブログエンジンはいまだにフィードパス株式会社の主要収益源になっている)
そのような背景もあり、僕はフィードパス株式会社の取締役兼COOの肩書きを得ることになった。

2006.05
feedpathにBlogエディタを追加した。Blogエディタは複数のBlogやSNSのID/PWDを一元的に管理し、記事投稿をカンタンに行うことができる、日本で初めての本格的Web型のBlogオーサリングツールだ。もともと僕の構想ではFeedそのものを作成管理する、Feedエディタであるべきだったのだが、このときは時間がなかったためにBlogエディタだけを先にリリースした。feedpathがRSSリーダーではなく、情報の受信|検索|発信|共有の統合アプリとして、Webの新しいゲートウェイを目指すものであるということを、わずかながら示せたと思う。

2006.07
7月14日にTHE NEXT WEB 2006と題して、MSの塚本執行役やAsk.jpの塩川CEOなどの多彩なゲストをお呼びして、Web2.0的サービスの展望を語るカンファレンスを行った。そして、その当日の午前中に記者会見を行い、feedpathのB2Bバージョン(コードネーム WOLF)の開発開始 と、Blogエディタをmicroformats対応にしたことを発表した。
特にBlogエディタのmicroformats化は、この時点ではhCalendarとhReviewの二つだけとしても、Webをキレイにしていく、データベースとして役立つよう整理していくために、一般のブロガーにも使っていただける世界初かもしれない本格的なmicroformatsライターとして、本当に有意義なナイストライだったと自負している。

ただ、この日を境として、僕を取り巻く環境が大きく変わり始めることになった・・・。

2006.10
10月26日、RSS/Atom Feedの利用促進とフィードビジネスの市場拡大を目指すFBS(Feed Business Syndication)の第5回目のカンファレンスを行った。初めての有料化に加えて、カンファレンスの運営をインプレスR&Dに委託して、主幹メンバーはコンテンツの充実に集中するという、FBSの活動上のもっとも大きな変革を決断してのことである。
インプレスR&Dの井芹社長はフィードビジネスに大きな理解があり、またとないパートナーを得たと思う。


2006.11
グロービズの小林さんが主催するNILSに初めて参加。
多くの経営者たち(その多くは僕より遥かに若い)に触れ、おおいに刺激される。


2006.12
そして、今月。
僕は大きな決断をした。
12月28日をもって、僕はサイボウズを離れる。同時に、フィードパス株式会社の取締役も辞する。来年からは別の途を歩むことになる。
フィードパスのメンバーには本当に申し訳ないと思っている。
気持ちよく送り出してくれたサイボウズの青野さんにはつくづく感謝している。

また、feedpathは、僕の掌中の珠だった。今後の発展に携われないことについては残念ではあるが、それでもこの選択を行なったことに後悔はない。サイボウズの更なる飛躍と、フィードパスの大成功を心から祈りつつ、自分自身の新しい途を模索していきたい。


2007......
2007年は、いまから既に、相当多忙な一年になることが予想される。
とりあえず、Web2.0系のセミナー、カンファレンスへの参加は既に5月まで予定されているし、4月からは某大学のオープンカレッジで講師をさせていただくことになる。2月には多分台湾でWeb2.0を語ることになりそうだ。
著作活動も、これまでとは少し角度の違う内容の本をリリースすると思う。Web2.0とはなにか、というような話はもう終わり、Web2.0時代に何をするか、何を考えるか、ということが問われる時期になった、ということだろう。

そういうさまざまな活動を行いながら、今年こそは、本当に自分がやりたいこと、つまり冒頭に述べた『RSS/Atom Feedをベースとした新しいWebのゲートウェイ』作りを目指していこうと考えている。多くのひとの理解と支援をいただきながら・・・・。



長文におつき合いいただき、ありがとうございました。
皆様、来年も宜しくお願いいたします。



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コメント
tecgnosis 2006/12/22 09:33

!!!
個人的にはweb2.0=今年の小川さんの動向だったように思います。著書はもちろんのこと、ウエブ上にプレゼンスを残すという思想、デザインやスタイルへの考え方…
梅田さんとはちがうスタイルでウエブの深みを見せてくれたというか…、フレンドリーなところが好きです。
一区切りですね。小川さんの行くところ、これから先もどこへでもついて行きますよ。

mame 2006/12/22 13:41

会社からの要望で別タスクをおこなっている最中に、
こういう結果になってしまったことは非常に残念です。
プロジェクトの進め方においてはいろいろありましたが、
和解できずに進んでしまったこと本当に申し訳なく思っています。
すみませんでした。
feedpathは小川さんそのものだったと思うし、
発想、サービスに対する情熱、愛着のすさまじさ、
本当に勉強になりました。
更なる活躍を期待しています。ありがとうございました。

manabux 2006/12/22 14:47

小川さん、短い間でしたが同じ会社で働けたことをうれしく思います。
昨年から今年にかけて、小川さんをはじめ多くのweb2.0的な方々との出会いで
自分のモヤモヤした気持ちに整理がつき、この世界に飛び込むことができました。
ありがとうございました。
数ヶ国語に堪能な小川さんのこと、世界中をフィールドに活躍されると思います。
今後ともよろしくお願いします。

オコゼ 2006/12/25 12:46

小川ちゃん
お疲れ様でした。

便利なツールありがとうございました。


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小川 浩

小川 浩

株式会社モディファイ CEO。
著書に「Web2.0Book」「仕事で使える!Twitter超入門」「ソーシャルメディアマーケティング」「ソーシャルメディア維新」など




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