マンガ・パワー
今回はちょっと宣伝。
編集歴15年にして、今回初めてマンガ制作に挑戦した。
優れた情報でシステムを守れ!
―― あなたのシステムは狙われている ――
http://www.hotfix.jp/advert/manga.html
作ったのは、弊社が販売するWindowsセキュリティ情報サービス「HotFix Report」のWeb向け販促広告である。ちょっとしたつてがあり、「どんなタッチも描けます」とのことだったので、興味もあってお願いしてみた。ストーリーはあまりに安直なれど、我ながら初めてにしては、できばえは上々だと思っている(ぜひ上記リンクからご一読を)。
一応、企業ユーザー向けの商品でもあり、マンガで広告を制作することに対しては、社内にも一部反対があった。「マンガという表現手法が製品の方向性と合致しているのか?」といった意見だ。一昔前に比べれば、だいぶ考え方は変わってきたとはいえ、業務時間中にマンガを読むというのは、多くの会社でいまなおはばかられる行為だろう。
しかし今回制作に踏み切ったのは、単なる興味本位だけではない。
文字メディアと付き合い始めて15年。文字の良さは多々あるものの、どうしても文字では伝えにくいもの、振り向いてもらいにくい場面がある。
特に技術分野の商品は、一様に複雑であるとともに、競合との差別化は微妙であったりして、特徴をひと言で説明することが困難であるケースが少なくない。羊頭狗肉的に相手をだましうちにするというのでなく、本当に良いものだと自信を持ってアピールしたいとして、こうした商品では、特徴を説明するための前提がたくさん必要だ。このため、話し手ががんばればがんばるほど、聞き手は眠くなるという構造がある。この情報過多の時代にあって、あくびの出るような退屈な情報に最後までつきあってもらうのは並大抵のことではない。普通は、話の途中で帰ってしまうか、居眠りを始めてしまうだろう。文字メディアは、このパターンに最も陥りやすいメディアだろうと思う。
詳しい説明は、後で文字で正確に行うとして、まずは眠気をガマンして説明につきあってもらうためのウォームアップが必要だ。これには文字よりも、瞬間的に内容を把握しやすいビジュアルが適している、と考えた。
気になって制作途中でいろんな人に見せてみた。反応はさまざまだが、一人の例外もなく、とりあえずは興味を持って最後まで読んでもらえた。これは非常に重要なことだ。
馴れないこともあって制作コストはかなりかかったが、文字メディアではリーチできない層にもリーチできるのではと期待している。
P.S.
今回知ったのですが、マンガの吹き出し文字のフォントって、漢字はゴシック体で、カナは明朝体なんですね。こういう組み合わせも15年で初めての経験でした。