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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

赤鉛筆の書き心地に忘れていた感覚を思い出す

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1985年に新卒で就職してもうすぐ40年になりますが、その間あまり手で文字を書いた記憶がありません。もう少し年代を区切ると、多分最初の5年くらいは比較的手書きで文章を書いていた記憶がありますが、私が当時勤めていた今でいう(外資の)IT企業で日本国内の事例としてはかなり早い段階ではありましたが1人1台のPCが支給されるようになった35年くらい前からは殆ど手書きで文章を書くことが無くなっていた気がします。

ただ、そもそも元々英文学部とかでもない私なんですが、実は何故か高校のころからタイプライターは叩いていたので就職した直後から何かしらの文章の手書き原稿の清書を所属先の数十人に1台くらいの割りでしか配布されていなかったPCでやっていた記憶があります。書式はともかく文字をひたすら打ち込む作業で全くキーボードを見ずにブラインドタッチで突き進む英文科とかの出身ではない新入社員という奴だったお蔭で随分と不気味がられたのですが、それ以外の部分は全然ダメなアホでした。でもそういう部分であればお役に立ててたんじゃないかなとか昔を思い出すことがある歳になってしまいました。

仕事上、勿論メモ書きは一杯してきましたが

全く手書きで文字を書かなくなっているわけではありません。ただ、一定量以上、たとえば原稿用紙1枚分の文章を手書きで書くとか言うのは、もう何十年もやっていないかもしれません。もちろん文字は書いています。ちょこちょこ書いています。でもある程度まとめた文章って書かなくなりました。特にここ10年くらいは仕事上のメモ書きは単なるメモ帳から始まってOneNoteとかGoogle Keepとかを使うようになってしまって手書きではしなくなってきています。特にここ10年近くは仕事上殆ど外出していたこともあり、下手にメモをするノートやメモ帳を外出先でなくすと非常にまずいとか色々な理由もあって、少なくとも仕事上のメモは全部キーボードから打ち込むようになってしまいました。

とは言え何か書く事はあります。でもそれが清書となるケースは皆無で、そうなると自分が書き込んだ何かがどれであるか、そして目の前にあるのはコピーなのか触った原本なのかがはっきり分かった方が良い事ばかりになり、自分の好みの問題もあって、記憶の限り20年くらい前から赤くて太いボールペンばかり使うようになりました。

でも今や仕事上では殆ど手では文字を書きません。
文字を書かないので筆記用具も殆ど持ち歩いていません。

例えば万年筆とか見てるのは大好きなんですけれど、使わないよねと思い直してお店やカタログで見るだけで終わってしまいます。
例えば毛筆はそもそも下手くそなので使っておらず、きれいな花や風景を見ながら一句とか風流なことは私には不可能です。
例えばすごく書きやすそうな紙を使っているノートとか良いなぁと思うんですが、使わないよねと思いなおして手に取ったのを棚に戻して終わってしまいます。

ちょっと寂しいんですけれどね。

家では勿論ちょこちょこメモ書きすることはあるんですが

それでも使い続けていた筆記用具が赤の1.2とか1.5の太いボールペンです。これは今でも水性油性取り混ぜて何本か持っていて、メモ書きとかに使っています。赤の理由は過去にマーケティング・コミュニケーションの仕事を担当していた時期にナレーションや読み物の原稿の校正を散々やっていた頃の名残なんですが、なんだかその頃から黒の筆記用具は殆ど使わなくなっていて、メインは赤なんですが、それ以外に青系の水性ボールペンとかもよく使っていました。

でも基本はボールペンで、稀にサインペンです。

最後に鉛筆を持ち歩いたのは数年前の国家試験

よくよく考えると確か小学校ではシャープペンシルはNGだったと思うのですが、使っても良くなった中学以降は鉛筆はもはや何らかのテストでマークシートを塗るとき以外には殆ど使った記憶がありません。一番最近だと... あ、ここで大学入学試験とか言いたくなったのですが、社会人になってからもなんどか試験のために鉛筆を持ち歩いたのを思い出しました。一番最近だと5年位前に受けた電気通信の工事担任者試験。更にその5年くらい前に第一級陸上特殊無線技士試験の試験を受けたんですが、このときは確実に鉛筆と消しゴムを筆箱に入れて試験会場に持って行ってました。

でも、過去10年位の間で、それ以外で鉛筆をその場で必要な筆記用具として使った記憶がありません。

あえていうと、家に中で何かメモルときに手近に鉛筆があれば使ったくらい。でも、その時でも別に単に書くだけの「道具」という意識しかなかったと思います。何しろ鉛筆を使った記憶自体がちゃんと残ってないですから。

赤鉛筆との再会

そんなとき、ふと、上にちょっとメモ書きをしようと手を伸ばしたらそこにあったのが赤鉛筆。別になんか凄いものとかではなく、子供が昔使っていた色鉛筆セットから抜いたとかでもなく、ごく普通の赤鉛筆です。赤ペン先生とか言い出すと昭和の香りに包まれるわけですが、まさにその世界にある赤鉛筆です。

で、別に大したことやってません。不在配達連絡票に手配した再配達の日時を書いただけです。
ただそれだけなんですが...

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当たり前ですが、それが何だよと言う話だとは思います。そこに書かれている文字はいつもの下手くそな私の字だし、書いてる文字自体も単なるメモだし、紙自体も再配達に来てもらったら単に捨てるだけです。
でも、なんだかちょっと眺めてしまいました。

「線の強弱とかカスレ具合とか、なんか味があるなー」

まさにThe ANALOGな赤鉛筆の文字。
どうせ大した事を書くわけではないんですけれど、いつでもすぐに手に届くところにおいておこうかとちょっと思い始めてます。

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