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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

「どこでもPCを使う」はどうかと思うけれど「どこでならPCを使う」ってのは難しい線引き

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自分自身の今の環境は日常的にPCを持ち歩く事が必要とされていません。仕事上も個人的な話の上でも。ただ、10年くらい前の数年間当時の重い15インチディスプレイの付いたノートPCを常に持ち歩いて移動する先々で仕事をしていた時期があったりしていましたから、たとえば最近で言うところのノマドなワークスタイル自体も理解できます。あ、あくまでも仕事をする場所が頻繁に移動する先々であるという話ですが。

因みに私がそんな状況であった頃は街中の店で電源が確保できるところなど稀で、どうしようも無いときにはお店の人に御願いしてコンセントを使わせていただいたコトもありましたが、それを許してもらえるのも滅多に無いという、バッテリーの持ちが仕事の時間の長さを決めるような時代でした。でも、それとは別にですね・・・

 

竹内さんの顧客を大事にする姿勢-「PCをバッグから出しただけで注意するレストラン」と「お茶のサービスで心まで満たされるカフェ」を読んでふと思ったこと。

曲がりなりにも無線通信業界の末席に連なる今の私として、オルタナティブブロガーの竹内さんのこのエントリーを見て、とりあえずいろんな事を考えてしまいました。たとえばケータイなどの無線のサービスが提供するのは(本質的には)どこでも自由に誰かとコミュニケーションを取れる手段の提供、というところがあります。もちろん電波を使いますから電波が届かないところでは使えませんし、必要にして十分な強度で通信が実現できていないと不安定だったり遅かったりするのは致し方ない。もちろんそれを何とかするべく各事業者がそれぞれ努力するわけですが、とりあえず誰にも変える事が出来ない物理法則にしたがって飛び交う電波を媒介にしたコミュニケーションできる環境をサービスしてるわけです。

当然そうなると、中にはここでそういうものを使うのってなんだかなぁと思う人がいる場所に進出することがあるわけで、たとえばお店の中と言う環境である場合、そのお店としてそういうコトを好ましく思うかどうかという基準でそれぞれ動くよね、というところに考えつくわけです。たとえばお店としてのレギュレーションはお店自身が決める事であるという事。そこって結構大事じゃないかと思うんです。

 

落ち着いてコーヒーを飲みたいのに横でカチャカチャとキーボードと格闘している人がいると、正直嫌になる

たとえばWiFiが使えると表示しているカフェであれば、そこでPCを使う人がいて当然だよねということで、それほど気にはしません。最初から判っていることですから。でも、そうじゃない普通の喫茶店で一心不乱にPCのキーボードと格闘している人を見かける事があります。メールなのか何なのかよく判りませんが。

で、もちろん何らかの理由があってそこでPCを使う理由があるのだろうし、もちろん私も必要であれば当然そうするし、そうしないと諸々困る事情があれば仕方ないよねと思える部分はあるのですが、それでも何だかなぁと思う事が無いかと言うと嘘になります。更にそこで電話で誰かと話を始めたりすると「黙れ」と書いたメモをそっとキーボードの上に置きたくなったりもしますが、大人なのでそういう暴挙は頭の中のシミュレーションだけに留め、肩をすくめて早々に退散したりします。

別に周りの空気を読めとは言いませんが、キーボードの音は聞きたくないと思う人がそこにいるかもしれないということを自分に置き換えて考える事は悪い事じゃないとは思うんです。

 

因みに私は食事をするところで堂々とPCを広げるってのはどうよと思う人です

ランチで混み合う時間じゃないなら多めに見てもらえると思うのは人情。でも、そこで堂々とPCを広げて仕事を始めている姿って、う~んと思うところがあります。更にはこういう業態の店だったら大丈夫という判断も自分の勝手な都合と判断であって、自分以外の人が同じように思ってるかどうかってのはまた別の話だと思うんです。そして勿論お店が持つ自分の店に対するポリシーの話が巻きついてくる。そのポリシーを掲示するかも含めてポリシー。でも注意書きの多い店ってのは面倒くさそうで行きたくないですが。

因みにファミリーレストランはそもそもファミリーでも気楽にこれるレストランであるわけで、そこにお店側が既定する一定のレギュレーションが有っても全然不思議だとは思わないんです。私の場合。もちろんそこでWiFi使えますとかの掲示があればPCを使う事を半ば公認してるといえるかもしれませんが、無線通信事業者が頑張ってサービスしているネットワークのお陰で普通にPCを繋いで使える環境があるんだし、お茶は飲めるし、テーブルは広いし等など・・・ 

嘗て自分が常にノートPCを持ち歩いていたときにも少なからずそういう環境で使っていましたから、その行動原理はよく判ります。でもねぇ・・・ ってところで気後れするところが当時もあったし、いまでもどうしても引っかかります。

そういえばファストフードの店であっても氷抜きコーラ1杯で数時間居座る人もいますし、カフェチェーン店の席を幾つもまとめて占拠して何か仕事上の会議をされてる方たちを見ることもありますし、それこそファミレスで資料をひたすら作成している風な人を見かけることもあります。そんなもんです。よってもって、それぞれに対して、お店として他のお客さまとの兼ね合いも考慮したうえで「こうして欲しい」あるいは「これは御遠慮ください」という話が出ても全然不思議じゃないのが昨今の風景だと思います。

 

まずは大人になってみる

それぞれの場所がどういうところであり、自分がそこをどう利用するべきかってのはやっぱり大人として判断するべきだと思います。立場や経験などによって大きく左右されるものではありますが、その場所が一体何のためにある場所なのかという事を少しだけでも意識することが、結果的に自分自身にとって快適な場所として利用できる一歩だと思うんです。

別に小難しい事を言う気も無いし、多分唯一無二の正解は無いとも思うんですが、でも状況に沿った落とし処ってのは自ずと見つかるような気はします。

 

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