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ネットを選挙で活用しようよ論の裏の認証の問題

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総選挙が終わり、今後選挙活動へのネットの活用を謳ったマニュフェストが法制度を含めてどのように形になってゆくのか・・・という議論も出つつある状況のなか、一部で話題になったサンケイ新聞社会部のTwitterでの一連の動き。賛否両論あるようなのですが、今後のネットを使った動きを見る上でいくつか重要なコトが隠されている気がします。

 

SankeiShakaibu

Twitterです。当初、これは本物かどうかという議論も出たようなのですが、よくよく見るとiza!上に産経新聞社会部 衆院選で「ツイッター」開設中というリリースがあり、本物認定。以前ワタシが書いた総選挙にあわせてTwitterに新聞社がバナー広告を出す日が来たで取り上げた、単なるバナー広告掲載の場というモノの更に先を行く、Twitterを有る意味積極的に発言する場として利用したケースとなったわけです。

今までも報道媒体社として見出しレベルで情報を流す媒体としてのTwitterの活用例というのは枚挙に暇が無いわけですが、いわゆる「中の人」がリアルタイムでその時点の情報をつぶやくというカタチが報道機関として、少なくとも日本の報道機関としてワタシが目にしたのは初めてです。

いや、正直な話、コレ自体はとても面白いものです。

 

因みに、そこでの発言について云々言う気はありませんが

ひとつの報道機関としての立ち位置がベースにあっての発言ですから、それが公正中立であるかどうか、とか、誰に利する発言なんだ、とかについて云々言う気はありません。少なくとも報道機関自身は何かしらの意思と一定の論拠に基づいて起きていることを報道するのが使命だと(少なくともワタシは)思っているので、どこの報道機関がどんな記事や論説を展開しようが、それはそれである、という風に理解するようにしています。

もちろん、自分の心情や信条に対して対立する立場を取る報道機関も事実存在している訳ですが、それはそれ。むしろ全ての報道機関が同じ意見に向いてしまうことのほうが恐ろしいですし。

もちろん、件のTwitterのアカウントでのつぶやきについて、その内容だけではなく言い回しなどについて色々な発言がTwitter上でも流れたようなのですが、ココで大事なのはそれがケシカラン!ではなく、そういう形もあるんだねぇと一旦許容することではないかと、個人的には思っています。

相手の存在を認めること。最初からケシカランと排除してはいけないこと。これが大事。少なくともワタシにとっては・・・ですけどね。

 

で、論点をもう一度最初に戻すと、問題はこれが本物かどうかという議論

今回の一件は産経新聞社の関連するWebサイトに事前に告知が出ていたこともあり、本物として理解することが出来るわけです。(iza!自体が詐称サイトであれば論外ですが)

それに対して、世の中一般に広まるサイトで、やはり本物、あるいは本人なのかどうかを疑われるサイトやTwitterなどのアカウントというのは数多存在するわけで、それらの中から自分が求める情報が存在するのはどこかをキチンと探すのが第一歩。次に、そこで入手できる、あるいは触れることができる情報を自分でどのように咀嚼するか。

一般的に誰しも自分にとって心地よい情報を選び勝ちなのは仕方ないこと。でも、常に違う立場の違う意見を眺めつつ、自分の立ち位置を確認することというのはとても大事だし、止めてはいけないと思うのです。やっぱり。

ただ、どこまで行っても、何かの手段でそれが誰か、何者かを確認しないと仕方が無い。カタリ、詐称の類をやろうと思えばいくらでも出来る世界。それはもちろん良くない事なのだけれど、ではそれを誰が保障するのかというのはまったく別の次元の問題。その認証する人、あるいは団体自身を誰が担保するのか、など、下手すると堂々巡りになるわけで・・・

ワタシにとっても、こんなことを改めて考えるきっかけになった、一連の動きでした。

 

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