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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

社長がよく見逃す会社の大切な要素

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おはようございます。

手袋なしで歩くと手がかじかむ程度に冷えています。風はほとんどありません。
途上に期待していた朝焼けは色づかずスルーされた感があります。

今朝は、昨日の辻口さんとの会話の中からインスパイアされた中から記述させてもらいます。辻口さんについては、以前「聞き方」セミナーで本ブログにご紹介させてもらったこともあります。

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■「その人らしい」「その人らしくない」「その会社らしい」「その会社らしくない」

とかく自社については意識がいくのは競合他社に対する自社の「強みや弱み」ばかりです。

SWOT分析のようなツールを使って自分たちのポジションを活した戦略を立てようとします。強みや弱みでの勝負はゼロサムゲーム、パイの奪い合いをそもそもの戦場としがちです。

一方、物事には「強みや弱み」以外の要素もあります。

いわゆるその会社のその会社たるゆえん、つまり「らしさ」です。「その人らしい」とか、「その人らしくない」と言うように、会社にも、「その会社らしい」とか「その会社らしくない」というような表現があるはずです。

「トヨタらしい」「トヨタらしくない」。
「ソニーらしい」「ソニーらしくない」。
ちょっと広げて、「日本人らしい」「日本人らしくない」。

裏に何かのコンセプトがありますよね。DNAのように連綿と引き継がれている何かが。それを自分たちの会社についても見つけたいと思っているのです。

「e-Janらしい」「e-Janらしくない」

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■お店の立地が悪いことを「隠れ家的」と表現すれば弱みも「らしさ」になる

例えば、人通りの少ない、立地の悪いところにあるお店があったとします。

そこの店主は何とかその弱みを克服しようとします。駅前でビラを配ったり特売をしたり。ところが、なかなか人を呼び込むのに苦戦したりします。

そこで店主はそのお店の「味付け」を考えるとします。そして、「隠れ家的」お店と表現してみたのです。

すると、立地の悪さはメリットに早変わり。それはそのお店の雰囲気を一発で表現するものになりうるわけです。「隠れ家」を求める人たちが、値段ではなく、そのお店の雰囲気を味わいにやってくるようになったのです。

それを辻口さんは会社の「らしさ」と呼んでいます。

「強みや弱み」ではない「らしさ」。

これが定義できれば、その後は自分たちの「らしさ」を磨き込んでいけばいいのです。不要な競争に巻き込まれることも少なく、伸び伸びとビジネスができるはずです。それでいてファンとなるお客様がついてくれます。いわゆる「隠れ家的」お店になれるのです。

「らしさ」に目を向けない、あるいは気付いてさえいない経営者が多いと言います。

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■会社の「らしさ」とは料理で言うと「味わい」のようなもの。

同じ材料を使っても、材料の投入順が違えば料理は「味わい」が変わります。求める「味わい」を目指して料理人は確信をもって材料を投入します。レシピを確立していきます。

ところが、自分たちの会社の「味わい」については、なかなかわかりづらいです。

会社は一品モノですし、それぞれに環境が異なります。料理のように比較的短時間で仕上がるものではないので、同じものが再現しづらいということもあります。さらに、ビジネスを立ち上げる際は、生き残りをかけて無我夢中です。投入する材料の順番などには考えも及ばずに、無我夢中にもがいてきて、「今」があったりします。

言葉で表した「理念」や「こだわり」とも違うのでしょう。いつの間にか出来上がっている会社の「味わい」、つまり「その会社らしさ」です。これが厳然と存在している要素なのです。

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■会社は注連縄(しめなわ)のように時系列的に創り上げられていく

「その会社らしさ」は、リーダーの考えや行動がベースになります。

ところが、後に加わる人たちの持ちこむ特性や能力によって大きく変わっていくものでもあります。これは料理と同じです。同じキャベツから始まっても、ロールキャベツを作るのか、とんかつの横に添える千切りを作るのかで違いますよね。

共感して力を発揮してくれる人たちによって、全体力がどんどんと強化されていきます。そして、この注連縄(しめなわ)のようなものが会社の根本であると。当然のことながら、加わる矢印の大きさやタイミングによって、「強みや弱み」も合わせて加わります。

つまり、会社の「らしさ」はリーダーではなく、共感者で決まるのです。リーダーがどう取り繕っても「らしさ」は隠せないのです。

イメージを絵にしてみました。

Photo_3_25_7_05_03

外から見ると、注連縄全体で何らかの「らしさ」を醸し出しているというわけです。

「e-Janらしさ」って何だろう。

今、会社で力を発揮してくれる人数が増えてきています。自分たちの「らしさ」を是非とも見つけだして定義したいものだと考えています。

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※20110325 0925: 次を変更しました。漢字間違いです。 締め縄 → 注連縄(しめなわ)

※20110325 1040: 目指す → 求める 変更しました。

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