iPhoneは失敗、多数のAndroid機が台頭、中国の市場パターン
おはようございます。
夏空と30度超えの真夏日の日々がやってきました。梅雨から決別した夏のパワーが凄いです。
今朝は、遅ればせながら方波見さん主催の『オルナタ勝手にAndroidオフ!』に参加した記録を。方波見さんの記録はこちら、妹尾さんの記録はこちら。妹尾さんからは当日のニュースとして、日刊自動車新聞の記事をいただきました。カーナビもAndroid OSを採用しつつありますね。
そして、お席が隣になって、今回のエントリーの材料として中国のことをいろいろとお教えいただいた、中尾さんに感謝です。中尾さんは安徽省にて起業され、安徽開源軟件有限公司という会社の総経理(社長)さんです。上海でAndroidの会という勉強会を開催されています。
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■China UnicomによるiPhone 3G販売は失敗した
中国第2位のモバイル通信プロバイダ、中国聯通(China Unicom)は、2009年7月にiPhoneの中国における3年の独占契約をAppleと結び、10月より販売を開始しました。
ところが、鳴り物入りのiPhone 3GSは、発売後4日間で5000台しか売れず、中国市場においてiPhoneは失敗したとのレッテルが貼られました。売れなかった理由には、Wi-Fi機能が禁止されていたことと、価格設定の高さにあったと言います。
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■Wi-Fi禁止の理由ふたつ
Wi-Fiが禁止されていた理由はふたつあるといいます。
http://mobalife.blog39.fc2.com/blog-entry-512.html
ひとつめは、WAPI(Wired Authentication and Privacy Infrastructure)という中国独自の標準無線規格の搭載が政府によって義務づけられているようです。iPhoneにはその搭載が間に合わないこと、あるいは対応をしないというApple社の考えからか、3G回線対応のみでのデビューとなりました。
ふたつめは、中国政府が3G回線を持っているキャリア、特に最大手の中国移動(China Mobile)のビジネスを守るために、あえてWi-Fiでの通信を禁止する動きにあるようです。Wi-Fiを使われると当然のことながら、長電話を無料で利用されてしまったりと、3G回線通信料を圧迫する懸念もあるからです。
ソフトバンクがiPhoneによる3G回線の圧迫からWi-Fiに移行を促している日本の事情とはずいぶん違いますね。
なお、2010年3月に"China Unicom is working with Apple to finally launch a Wi-Fi version of the iPhone, according to The Wall Street Journal."とあるように、iPhoneのWi-Fi版は準備中とのことです。巻き返しを図りに行きますね。iPhone 4で実現するのでしょうか。
http://news.cnet.com/8301-1035_3-10465335-94.html
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■iPhoneは高価格商品
中国でのiPhoneの販売価格は730~1020ドル(WSJ調べ)となっており、他の雑多なスマートフォンやiPhoneのコピー商品が100~400ドルであることから、高額です。さらに、通信料金も3G回線でしか使えないため、利用するにもかなりの費用負担が大きいです。つまり、高額商品となってしまったのです。
結果的には、一部の富裕層がiPhoneを利用するというパターンになり、多数のAndroid機に参入のチャンスを与えています。それなので、会合に集まったような多数のAndroid機が市場を賑わしています。
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■中国の携帯事情
人口13億人のうち、携帯電話を保有しているのは7.5億人です。そして3G回線が1400万人しかいません。つまり、殆どのユーザーは2G回線で携帯電話を使っています。
電話が固定電話というフェーズを通過しないで、一挙に携帯電話へと到達した発展途上国でのパターンは中国でも健在のようです。実際に中国電信(China Telecom)の売上げでも、固定電話は本格普及を前に、2億回線前ですでに頭打ちになってきています。
2010年3月22日、通信キャリア大手の中国電信は、今年2月の固定電話の新規加入数が前月比で46%減の103万件になったことを明らかにした。2月末現在の加入総数は1億8563万件。ブロードバンドの加入数は前月比1%減の78万件。総数は5503万件に拡大した。
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=40795
つまり、3G回線への移行は、各種Android機を中心としたスマートフォンを中心に進んでいくことが見えてきています。Android OSを独自改修してGmailやGoogle Mapなどの連携機能を落とした、OPhoneというiPhoneコピーモデルも大いに普及しています。中国独自のガラパゴス規格でも、その市場が大陸なので、一大ガラパゴス勢力になるわけです。
日本で中心的だった3G通話専用端末は明らかにバイパスされます。通信インフラですら、3.9GであるTD-LTEを、携帯電話世界最大手の中国移動通信集団(China Mobile)が推進しており、10月にも稼働が開始される言われています。一挙にスマートフォン+3.9Gという市場が生まれる可能性も高いです。
ソフトバンクはウィルコムから継承する次世代PHS(XGP)事業の運用システムとして、ドコモの推進するLTEではなく、チャイナモバイルのTD-LTEを検討しており(日経新聞 4/27)、数における世界標準に合わせるのですから、なかなかしたたかな戦略だと思います。
http://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/323/Default.aspx
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■当日の変わり端末
場所は「土心(どしん)」というお店でした。なぜだか2時間飲み放題メニューなのに、7時半から11時頃までいて、同じ価格。何とも良心的でした。が、飲み過ぎました。端末の写真をいくつかとりましたので、ご参考まで。OPhoneもそうでしたが、タッチパネルがどれも感圧式で、使い勝手は、残念ながら大いに阻害されていました。
・iPadのコピーモデル
★FlyTouchというロゴの後にAndroid OSのマークが。
・HTCのデザインが秀逸なモデル
★裏(左)と横(右)。下部がせり上がっていて、これが手にフィットします。こういった発想もいいです!
・23台の集合写真
以上、金曜日のご報告でした!
※20100719 21:25 中尾さんの持ってきてくれたFlyTouchについて、以下リンクを追加しました。
・国美電器ブランドAndroidタブレット 「Fly Touch」初期利用レポート
・国美電器ブランドAndroidタブレット 「Fly Touch」開封レポート