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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

Mooreの法則は「1年で2倍」であり、「18ヶ月で2倍」は間違いです

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★皆さ~ん、Mooreの法則は「1年で2倍」ですよ~。「18ヶ月で2倍」ではありませ~ん!

★自分も信じていたMooreの法則についての間違いを正していただきました。朝メールに次の一文を書いたところ、翌日に間違いをご指摘していただいたのです。

【朝メール】20080511より__

これは大局的に観ると、Mooreの法則により高性能化が進んだ端末を、Guilderの法則により、さらに高速化した通信環境が、サポートするという現象です。ちなみに、Mooreの法則とは、半導体の集積度が約十八ヶ月で二倍になる経験則、Guilderの法則とは通信の世界で光ファイバーの帯域が六ヶ月で二倍になるという提唱則です。

つまり、端末はものすごい勢いで高密度化したのですが、それをさらに上回るスピードで通信速度が高速化していて、複数の端末をばらばらに持っていてもなんら不自由がないという世界がきたということです。マルチ端末環境、一挙に姿が現れてきました。

★次がその翌日にいただいた、いつも経営的・技術的にいろいろとアドバイスをくれている人生の先輩からの文面です。

【朝メール】20080512より__

  Mooreの法則は「半導体の集積度は1年で2倍になる」です。英語では Annual Doubling Law とも呼ばれています。

  日本では「18ヶ月」という誤解がいつの間にか出来上がってしまいました。これは誰かが「18ヶ月でCPU性能は2倍になる」という(Mooreとは関係ない)別の法則と混同したために起こってしまったことです。

  最近では学者たちですら又聞きWebを見て原稿を書いたりしていますので「18ヶ月」が日本だけで信じられています。原典を見ようとしない又聞き学者が増えている証拠ですね。

  以下の Gordon Moore の論文には6年間で128倍(1年で2倍より少し多い)グラフが描かれています

 "Comming More Components on to integrated circuit" Electronics, Volume 38, Number 8, April 19th, 1965

 "Progress in Digital Integrated Electronics", 1975 IEEE Text speech

 これらの paper は Intel Musium のページで参照できます。URLは以下のとおりです。

 http://www.intel.com/museum/archives/history_docs/mooreslaw.htm

★お恥ずかしい話です。念のためにサイトでささっと調べてから書いたのですが、参照したのが広く間違った伝説が信じられていた世界のものでした。正しい情報をご参考までに。

>>その後の続編です。Mooreの法則の「18ヶ月で2倍」はやはり間違い(2)

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