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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

つまんないことでいがみ合っているなぁ。もっと優雅にいこうよ。

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★資金繰りのどん底からほんの少し解放された頃のエッセーです。

【朝メール】20051216より__

===ほぼ毎朝エッセー===
□□優雅なバランス

水槽で実現できている生態系を眺めていると、その優雅なバランスにはいつも新鮮な驚きを感じます。

・塩素を浄化させた水を水槽内に満たします。
・水槽内には植物を配置します。
・植物の育成のためには充分な光の照射が必要です。
・水質は枯れ木から発生する酢酸で弱酸性に安定しています。
・水槽内には魚や海老がいます。微量な餌をあげます。
・水をポンプで巡回させます。
・水が通過するタンクの濾過材にはバクテリアが定着します。
・バクテリアは魚の発生させる排泄物などを分解します。
・排泄物の中のアンモニアは硝酸塩という形に変わります。
・それはコケや植物の生育に必要な窒素という形で養分になります。
・充分な光を照射することで魚の出す二酸化炭素と硝酸塩と水とは
・植物やコケの育つ材料になります。そして酸素が排出されます。
・酸素は動く生物の細胞中のミトコンドリアでエネルギーに替わります。
・生育したコケは海老や貝やコケを食べる魚の餌になります。
・海老は小さいうちは魚の餌にもなります。
・魚は死ぬと海老にたかられて餌になっています。

そんなバランスが一度完成すると、あとは数週間に一度水の一部を替えてやるだけで水槽の中は安定を保ち続けます。

観察していると魚同士でけんかしたり、海老が餌を取り合ったり、細かいストレスはあちらこちらで発生しています。思わず思ってしまいます。

「おいおい、せっかく工夫してバランスとってあげているのに…、
  お前ら、つまんないことでいがみ合っているなぁ。
  充分に餌はあるんだし、、、
  もっと、この環境自体を楽しんでくれよ~!」

トータルとしては優雅なバランスが取れているのです。なにせバランスを取るために色々と工夫をしているのですから。

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Stressというのはもともとは歪みという意味ですから、『思いを歪めて現実と合わせる』ということです。あるいは『現実を歪めて思いと合わせる』のかも知れません。その歪みが体の中で不快シグナルとして感じられます。

ストレスを感じるメカニズムは単純です。『思い』と『現実』が一致しないときにストレスを感じます。『思い』は実体のない光速で移動できるようなものです。夢とか憧れとかワクワクとか欲とか妬みとか、そういう感情に根ざしたものです。脳幹レベルの原始的な脳からの欲求も含まれるので、魚や海老も同じ感情をもっているでしょう。

一方『現実』は物理的な実体の中で発生している事象に根ざしています。『現実』をポジティブに解釈するテクニックは様々と存在しますが、『思い』と比較すれば、それはとても重く、なかなか追いつけない時空的ギャップとともに存在するものです。それなので大なり小なり『思い』と『現実』が会わない歪み、つまりストレスはそこらじゅうにあります。

『思い』と『現実』は近いと気持ちよく感じ、遠いとストレスを感じます。そういう意味では、ストレスは必ずしも悪いものではなく、その距離のギャップを感じさせるための感覚と捉えてもいいはずです。

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さて、我々の世界に戻ってみます。じっくりと考えてみると、知ると知らずとにかかわらず、毎日の生活において我々は膨大な数の人々と関係していることに改めて驚きます。その人々とは、好き嫌いに関係なく、いい悪いに関係なく、馬が合う合わないに関係なく、深い浅いに関係なく、知人かどうかに関係なく、相互に影響しあって生きています。そして、相互の影響の中で相互にストレスも発生させています。それぞれが感情に根ざした『思い』を持ちながら、その総和である『現実』を見ているのだから当然です。

宇宙人なり神様なりが存在するのであれば、我々の世界は水槽のように見えているのはないでしょうか。きっとこう言って嘆いているかも知れません。

「おいおい、せっかく工夫してバランスとってあげているのに…、
  お前ら、つまんないことでいがみ合っているなぁ。
  充分に餌はあるんだし、、、
  もっと、この環境自体を楽しんでくれよ~!」

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・今ここで息をしていること、
・眠いといって布団からでることができないこと、
・難しい考え事をしていること、
・夜明け前の空を見上げて月をみてその丸さに驚くこと、
・プログラムのバグを追いかけていること、
・数字が出ないことにイライラしていること、
・お客様の問題に対処していること、
・資料作りに頭を悩ませていること、
・注文書が来たと喜んでいること、
・発注が遅れていると悩んでいること、
・机の上が乱雑になってしまっていること、、、

これらは全て、大きな視点では優雅なバランスの中で発生していることです。そしてそれぞれに感じるストレスは、その度合いによって『思い』に対して『現実』がどれくらい遠いかを知ることができる感覚なのですから五感の仲間ですね。だからストレスを感じたら、熱いとか酸っぱいとかうるさいとか眩しいとか臭いとか、そんな感覚の一つとして捉えて、自分のとる行動を決める、こんなふうに捉えるのがいいと思っています。

優雅なバランスは存在しています。それを信じることができればストレスに飲み込まれることはないでしょう。

★窮したときでも優雅に生き延びられます。

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