オルタナティブ・ブログ > インフラコモンズ今泉の多方面ブログ >

株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

東芝が社会インフラシステム関連ビジネスの海外展開を強化

»

いくつかのメディアが報じていますが、東芝が、新興国をはじめとするグローバル市場で社会インフラ関連ビジネスを積極的に事業展開するため、2つの社内カンパニーと1つの事業統括部を統合し、新しい社内カンパニー「社会インフラシステム社」を設立することを発表しました。

プレスリリースによると、T&D(Transmission&Distribution:送変電および配電)事業、鉄道システム事業、太陽光発電システム事業、二次電池、産業用モータ・インバータ事業などを所管する「電力流通・産業システム社」と、水ソリューション事業や道路システム事業などを手がける「社会システム社」、および社長直轄組織で、全社の車載関連ビジネスを取りまとめる「自動車システム事業統括部」を統合するとのことです。

これによって、新「社会インフラシステム社」の海外売上比率を現在の2割から、2013年度には5割にまで拡大することを見込んでいます。

この背景としては、同社のこれまでの成長の柱であった半導体と原子力のうち、原子力については世界各国で見直し気運が高まっていることがあるため、海外における収益源を強化する意図があるものと思われます。

送変電および配電、鉄道システム(信号等)、太陽光発電、同社が独自に開発した二次電池SCiBなどは、海外では米国のGEやドイツのシーメンスも参入を図っている「スマートシティ」市場において、いわば売れ筋になりうる商品です。また、自動車システム事業統括部が持っている充電系を含む電気自動車用技術もまた、GE、シーメンス、中国メーカーなどがしのぎを削っている分野であり、世界的な成長が見込めます。
これらの製品を海外で効率よく売るには、海外窓口を一本化して、セールスを強化した方がよいという判断があったものと思われます。

東芝全体では海外売上高比率はすでに54%に達しています(2010年3月期)。国内ではほとんどの分野で成長が見込めないことから、また、原子力がやや不透明になっていることもあるため、今後も安定的な成長を果たすためには海外で売れる柱をもう1つ増やす必要があります。

政府が推進するパッケージ型インフラ輸出政策と整合性を取る意味でも、水を含むこれら社会インフラ系製品は、社として「ひとまとめ」であった方が外国政府に対して売りやすいはずです。例えば、インドのデリー・ムンバイ間産業大動脈構想ですでに動いているスマートシティ系実証実験では、三菱重工などにより、そのような「ひとまとめ」でよく機能する技術の有用性が試されています。

新興国では都市関連を含むインフラ整備はまだまだこれからであり、中長期的な市場の拡大が見込まれます。

Comment(0)