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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

学習曲線のS字カーブとイノベーションの普及を表すS字カーブは似ているので、相互に深い関係があるだろうというメモ

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最近気づきました。まず、学習曲線。

Thelearningcurve

こちらから引用させていただきました。

そして、イノベーションの普及の累積度合を表したS字カーブ。

Adoptioncurve

こちらから引用させていただきました。こちらの方は縦軸のスケールが違うので、上下に長いS字ですが、スケールを変えれば両者はまぁ同じですね。これらはサンプルです…。こうした類似についてTwitterでちょろっとつぶやいたところ中村昭典さんから反応をいただいてうれしかったです。

そもそも「イノベーションの普及」を書いたロジャーズは、「イノベーションは、そのイノベーションに関する学習行為を含む」というような意味のことを書いていて、ある意味、フラクタルですが、イノベーションと学習とは切り離せないという考えを提示しています。

また、少し考えてみても、iPhoneが出てきた時には、みんなが情報を収集し、いち早く買う人は買い、色んな操作方法を試し、それをブログなんかで書き、書かれたものを大勢が読む…というような形で、「社会的な学習」が行われました。

そうした社会的な学習の結果として、より多くの人がiPhoneのすばらしさに気づくようになったわけです。そしてまた、後から買った人たちも、先輩たちがたどったのと同じような経路で学習を積み重ねて、立派なiPhoneユーザーになっていきました。

iPhoneがイノベーションであることに間違いはありません。そのイノベーションをみんなで学ぶことによって、広範な普及が起こったわけです(シェア云々の野暮なことは持ち出さないように)。

仮に、そうした社会的な学習がないとしたら、つまり、一群のイノベーターによるパイオニア的な操作の学習がなく、その学習成果が記事やブログに書かれることもなく、従って、多くの人がiPhoneのイノベーティブな点に気づくこともなく…という連鎖に入ってしまうと、iPhoneは普及しなかったと思います。

すなわち、iPhoneの普及にはユーザーおよび潜在ユーザーによる社会的な学習が大きく関わっている。上のS字カーブで言えば、社会的な学習のカーブがぐーっと立ち上がる状況において、より多くの消費者へのiPhone普及も進んだ。結局この2つのS字カーブは、1つの物事の別な側面を見ているだけなのかなという気もしてきます。

その延長で、Twitterを考えてみると、Twitterにおいても社会的な学習がいま盛んに行われています。色んな人が色んな使い方を発見し、工夫し、その結果を報告しています。おそらくTwitterも、イノベーション普及のS字カーブのように、これからぐーっと普及していき、最終的には社会インフラ化するのでしょうね。

追記:

Twitterに関して補足しておくと、Twitterでは学んだことをすぐに試してみることができるのが非常に大きなポイントですね。例えば、ハッシュタグについて学んだ後で、自分のツイートにハッシュタグをまぜて試すことができます。人が作ったハッシュタグを試した上で、自分がオリジナルなハッシュタグを作り、それの効果を試すことができます。こうした「試行」によって学習はより深まりますね。

そうしたちょっとした学習、ちょっとした試行の集積が現在のTwitter(ユーザーから見たTwitter)を形づくっていると言えます。Twitterは、ある意味では、活用方法に関する学習と試行のための実験場です。 → 従って、どんどん実験して、どんどん学習すると、どんどん先に進める的なところがあります。

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