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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

メモ:池田信夫blog「匿名ウェブの終焉」

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池田信夫氏が「匿名ウェブの終焉」という投稿を上げています。

私は、匿名のコミュニティや匿名のブログが必ずしも「質の低い言説」ばかりであるとは思いませんが、それでも商売の視点から見ると、匿名コミュニティおよび匿名ブログは、付加価値を生成しにくい構造を持っており、「損だよなぁ」と思うことがしばしばあります。

こちらにも書きましたが、価値の高い情報には、書き手の同定可能性が不可欠です
書き手が同定できるからこそ、その人を名指しで広告が入ったり、別種の報酬が入ったりする余地が生まれます。

書き手の同定ができない場合、その書き手が送り出すテキストは、GoogleのAdWordsなどがアルゴリズムによって抽出する対象にならざるを得ず、市場競争の図式で言えば、無数に競合がいるなかからたまたま見出されたワンノブゼムみたいな存在になってしまいます。競合が多いということは、価格が限りなくゼロ円に下がるということなのです。ここにおいて価格を決めるのは、人ではなくて、アルゴリズムの方です。

ただ、きょうびの差別化は、人による差別化が基本であって、人が企業の付加価値を作ります。例えば、ZOZOTOWNの経営者の方のように。Googleの優れたアルゴリズムも、つまるところは人です。
そのような時代において、あえてネット空間で匿名を選ぶということは、すごーく損なことです。

ただし、上にリンクしている投稿でも書いたように、実名である必要はなくて、ハンドルでも何でもよく、いざという時はメールか何かで連絡がついて、商売の話ができるということと、その人が受け持つ価値領域に関するプロフィール情報が少し出ているぐらいで十分なのですが。あとは、自分の価値領域を戦略的に定めて、そこに集中的に自分の資源(時間とお金と努力)を投入していくことも必要になりますね…。

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