マーケティングコンサルティング会社「サイコス」CEOの大航海ブログ

設立からわずか4年でダノンを抜いたギリシャヨーグルトブランド「チョバーニ」、 マーケティング成功の5つのポイント

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ギリシャヨーグルトを食べたことがあるだろうか。濃厚でクリーミーな今までとは全く異なるとてもおいしいヨーグルトだ。米国では近年大ブームを起こし、買われてゆくヨーグルトの4つに1つがギリシャヨーグルトだという。ギリシャという名前がついているが、地中海辺り全般で昔から作られて来た。日本にもブームの波は押し寄せ、9月から森永乳業が国内で初めて「濃密ギリシャヨーグルトPARTHENO(パルテノ)」を製造販売している。

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このブームの火付け役はダノンやジェネラルミルズ等の大企業ではない。たった1人のトルコ人だ。ハムディ・ウルカヤが英語とビジネスを勉強するために米国に渡ったのは1995年。トルコの実家では酪農を営んでおり、牛乳とチーズを作っていたが、ウルカヤ氏は酪農には全く興味が無かった。数年後遊びに訪れたウルカヤ氏の父親は米国のチーズの質の悪さに驚き、ウルカヤ氏に自分で作れといったという。その時は反対したが、2002年にはフェタチーズを作りニューヨークのグルメショップ等に卸すようになっていた。そんな折、クラフトが100年物の古いヨーグルト工場を売りに出したという話を聞き、まさか買うとは思わずに見に行った。ヨーグルトが大好物のウルカヤ氏は常日頃米国のヨーグルトはおいしくないと思っていたからだ。しかし、工場に足を踏み入れた瞬間ビジョンが見えたという。そしてそのビジョンを忠実に叶えてきた。

ウルカヤ氏がAgro Farmaを設立したのが2005年、試行錯誤の上彼が作り出したヨーグルトブランド「チョバーニ」(ギリシャ語で「羊飼い」を意味する)を売り始めたのが2007年だ。そしてわずか4年で大手ダノンを抜き、米国ヨーグルト市場の10%以上を占めるようになった。たった4年でゼロから年商700万ドル企業に成長したのだ。しかも、作っているのはヨーグルト!昔ながらの銀行からお金を借りて工場を買い、人を雇って製品を作るというやつでだ。クラフトがかつて最後の数十人を解雇して閉鎖した工場には約220万ドルがつぎ込まれ、今や600人の従業員が従事している。

この成功の秘訣はどこにあるのか。

米国でのヨーグルトというのはある意味健康食品としてのイメージが強かったのに対し、欧州ではギリシャヨーグルトは贅沢なデザートという位置づけだった。この2点をうまい具合に結びつけ、おいしいのに健康に良いというイメージ付けに「チョバーニ」は成功した。
自然な材料だけを使用し、保存料や人工香料などを一切使用してない、生の果物を使用、普通のヨーグルトよりたんぱく質が2倍等多くの謳い文句がついている。
そしてどこからともなくやってきたギリシャヨーグルトは、あっという間に米国市場を占拠してしまった。その間指を銜えて見ていただけのダノンやジェネラルミルズもここに来て独自のギリシャヨーグルトの販売を始めた。

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ダノンにおいては、マーケティングVPとして米国人よりもヨーグルトに慣れ親しんでいるスペイン出身のセルジオ・フステル氏を起用。「ヨーグルトで育てられた」と言うフステル氏だが、どこまで追いつけるのだろうか。

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「チョバーニ」のプレーンタイプは170gで100キロカロリー。そして食べた感想は、「濃厚!ヨーグルトというより、甘くないレアチーズケーキのよう」。ダノンのギリシャヨーグルトブランドである「オイコス」、値段は「チョバーニ」と同じだが量はやや少なめの150gだ。カロリーは80キロカロリー。こちらは「チョバーニ」よりも更に濃厚なのだが、好みは分かれる。

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しかし、この味でこのカロリーとはファンが急増するのもわかる。おいしいヨーグルトを作りたくてギリシャヨーグルトを作った「チョバーニ」と市場の回復を狙って作られたダノンやジェネラルミルズのギリシャヨーグルト。消費者の目にはどう映り、今後どのように展開していくのか。

あるメディアでインタビューにウルカヤ氏は以下の5つを心がけたそうだ。マーケティング成功のポイントともいえる。

  1. 製品をシンプルにすること。成すべきことを知り、それを誰よりも上手にやること。
  2. ビジネスのコアに投資すること。Agro Farmaの場合はヨーグルト工場。我が社の背骨であり、そう扱っている。
  3. 営業する際、誰もだますことはできないと思え。これだけ情報が出回っている世の中、本物でなければ、いくら広告がうまくても売ることはできない。ただいい物を作ること。
  4. 利益に焦点を合わせること。私は未だに家族経営の小さな会社のようにビジネスをしている。現金がなければ生産性を上げることもイノベーティブになることも難しいから。
  5. 他の人の見本になること。従業員に休日出勤してもらいたい場合は、自分も出勤すること。

数々の大手が「チョバーニ」を買収しようとウルカヤ氏に声をかけて来た。しかしそれを全て断って来たとウルカヤ氏は言う。「私たちは一儲けして余生を贅沢に暮らすためにヨーグルトを作っているんじゃないんだ。私たちはこれからもずっとここでヨーグルトを作るよ」

次の米国出張の際はぜひギリシャヨーグルトを。訪問予定のない方は、日本初のギリシャヨーグルト、パルテノをどうぞ。濃厚でやはりおいしかったです(笑)

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Comment(4)

コメント

CHOBANIというのは、こちら(シアトル地区)では気づかないですね。そのかわり、The Greek Gods http://www.greekgodsyogurt.com というギリシャヨーグルトがここ数年で良く見受けられるようになりました。シアトルベースの企業だとか。地元企業が元気なのは良いことか。

美味くて時折買っていますが、ギリシャで食べたヨーグルトの旨さに比べると劣る…と思ってしまいます。ギリシャの蜂蜜もこれがまた旨いんだ!

コメントありがとうございます。チョバーニは、シアトルでも販売されている情報をもらっているのですが、近くにありませんでしたか?地元の企業があるのであれば、それが一番かもしれませんね。wholefoodsのギリシャヨーグルトもおいしいですよ。ちなみに、日本のギリシャヨーグルトにはハツミツがついていました。ちょっと量が少なく168円でチャレンジがあるのですが、、、(笑)

CHOBANI、ようやく出てきましたね~私の行ってるグロッサリストアにも。早速試してみましたが、私の好みで言えば、どうも地元の旨いヨーグルトには負けてます。たしかに濃いのだろうけど、うまみのない濃さなのかなあ…。

たとえて言えば、Whole Foodsがカリフォルニア州やテキサスでは受けても、ワシントン州ではいまいちなように、あるいは何かが東京では流行っても博多では難しい…みたいな感触でありますね。

青葉哲郎

東京で流行っても博多でうけないですか、なるほど。米国ではすっかりおなじみのギリシャヨーグルトですが、日本ではまだまだ普及のきざしは感じられません。先日スーパーで188円でした。その数倍の容量の商品が、低価格で販売されていて、普通の主婦が買うとは思えません。日本は販路と価格が間違っています。

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