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マーケティングコンサルティング会社「サイコス」CEOの大航海ブログ

キュレーションの時代到来。月間1,800万人が使う米国SNSサイト ~Pinterest(ピンタレスト)~

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早いもので、2012年も4分の1が過ぎてしまった。今回は、この2012年第1四半期に米国で最も注目されたSNS「Pinterest(ピンタレスト)」を紹介したい。

Pinterest(ピンタレスト)

日本でも多くの利用者がいるので、ご存知の方も多いと思うが、ピンタレストとは、Web上のボードに自分の好きな画像をピンで貼り付け(「ピニング」と呼ばれ、今や「ツイート」と同じくらい知られている)、シェアする画像メインのサイトだ。ベン・シルバーマン氏によって設立され、現在はCold Brew Labsによって運営されている。


http://pinterest.com/ohjoy/la-home/

ご覧の様に、きれいに整頓されたボードは、見やすく、分かりやすい。建築、アクセサリー、ファッション、動物等のボードや料理、パーティ、結婚式のボードまであり、自分の趣味に合う人のボードをフォローすることができる。


http://pinterest.com/ben/so-it-turns-out-i-m-going-to-get-married

comScoreによると、米国の独立したサイトとしては、ピンタレストは最も早く10million(1,000万)を達成。ニールセンは、今年1月のユニーク・ビジター数を16.1million(1,610万)とレポートしている。

2年前に開設された際は、全く話題にも上らなかったこのサイトの広がり方は、とてもユニーク。通常のスタートアップは、ニューヨークやサンフランシスコのコンピューターオタクが最初の利用者となり(通常35歳以下の男性)、そこから広がるそうなのだが、ピンタレスト初期の利用者は、開設者ベン・シルバーマン氏の地元アイオワをはじめ、カンザス、ミズーリ、ミネソタ等の米国の内陸部にある州の人々だった。そこから、主に口コミで草の根的に広がったという。現在もコアユーザーは18から34歳までの米国の中部地域に住む高所得層の女性だという。

ピンタレストの特徴は、ユーザーが圧倒的に女性だということだ。様々なレポートによるとその割合は58%から97%だとある。ピンタレストへの第一投資者ブライアン・コーエン氏によると、そもそもピンタレストのアイデアは、多くの女性が「Tote」というiPhoneの女性ファッションカタログアプリから画像を取り込み、ラベルをつけ、友人とシェアしていることにシルバーマン氏が注目したところから始まったと言う。

今年1月にピンタレストはFacebookに組み込まれ、ユーザー数は60%上昇したそうだ。ComScoreによるとビジター数は、2月には17.8million(1,780万人)だったという。昨年11月のビジター数が4.9 million(490万人)だったことを考えると、驚異的な伸び率だ。

米国の人気雑誌「Real Simple」やGap、 Chobani、  Nordstrom、wholefoods等もボードを作り、商品やレシピを見てもらったり、自身のWebサイトへのトラフィックを促している。特にGapは、「Denim Icons」 等のピンボードを作り、積極的に利用している。ピンタレストの様々なボードを見ていると、雑誌(特に女性誌)が売れなくなっていくのではないかと思ってしまう。

■Gap

Gap Pinterest
ボード画面 http://pinterest.com/gap/denim-icons/
 

■wholefoods

wholefoods Pinterest
  ピン画面 http://pinterest.com/wholefoods/

■Nordstrom(ノードストローム)

Nordstrom Pinterest
ボード画面 http://pinterest.com/nordstrom/

1つ気になるのが、著作権問題だ。ユーザーはWeb上から画像を取り込むので、ピンタレストはユーザーに対し著作者の表記をするように勧めているが、実際のところ、ピンボード上の多くの画像には著作者表記がなされていない。2月に入り、ピンタレストは「nopin」メタタグをリリースし、ピンタレストにピニングされたくないサイトはこれを利用し、無許可で画像をピニングされることを防止できるようになった。

ちなみに、ピンタレストは女性利用者が多いことは記載した通りだが、ピンタレストの男性版サイト(http://www.Manteresting.com)も出ていて、そちらはピンではなく釘で画像を留めるそうだ(笑)

インターネットが普及し、情報が飛躍的に増加していく中で、それらをまとめる役割を担う新しいサービスがどんどん誕生している。あらゆる情報を集約し、分類や整理をするキュレーションの時代は、まだ始まったばかりだ。

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